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目には目を、歯には歯を、能力には、能力を  作者: 妄想お面
第4章

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44/44

1番隊vsアニマ・フェルマータ

第44話です!

是非楽しんでください!

ヒュベル第四階層


 1人でアニマ・フェルマータを足止めする予定だったが斬るたびに増殖していくとなると数の暴力で押し切られる。


 元々一体でもかなり無理しないと相手できない相手であるのにだ。


 そんな状況なのに援軍は期待できない。先程のアニマ・フェルマータの遺物犯罪者収監所襲撃が事実なら今、本部はその対応に追われている。


 どんなに最速で対応していてもこっちでは1日経つんじゃないか?


 そんなに経っていたらその時には俺たちは既に全滅しているだろう。


 俺たちの中にアニマ・フェルマータを倒せるものはいない。しかし俺たちだけでこいつを対処しなければならない。


 そのために取るべき行動は…



 「封印ですよね。そしてそれが現状可能なのはグレイシア殿の力を受け継いだ遺物、氷王晶を持つ貴方しかいません、ねぇ、ユキさん。」


 ボクというよりこの場にいる全員の狙いは既にアニマにはバレているようだ。


 というより彼にとってそれしか弱点がないんだから当たり前か。


 正直な話、アニマを凍らせて動きを止めるのはできる。けどそのためには氷王晶の力を充分に引き出すための空間を作っていく必要がある。


 ボクは氷葬翼を展開し、地面に氷羽を打ち込む。


 それを起点に地面を凍らせていく。


 「なるほど、なるほど、なるほど、私を氷漬けにするために一度フィールドを整えるのですね。貴方はまだグレイシア殿のように一瞬で広範囲を凍らせる技量はないことを自覚し、それでも、かのお方の技を再現するために工夫をこらすとは、流石、鍵に選ばれしもの。その氷の羽は地面を凍らせているのではなく着弾地点に広がり氷で覆うように変化させているのですね。造形という面では非常に素晴らしい才能ですね。しかも…」


 ボクは氷羽をアニマに打ち込む。


 氷羽のうち数個がアニマに命中して氷で包もうとするがその部分をすぐにアニマは切り離す。


 「そこは凍りついてくれるとボクとしては嬉しかったんだけど。」


 「それは、それは、申し訳ありません。私にも何にも変えられない使命がございまして。それを達成するために少々張り切っております。それとこれが凍るという経験ですか、なるほど、切り離した部位は新たな私になりませんね。それに例え私に当たらなくとも周囲を氷で満たす役割を担っているわけですね。なんとも無駄のない技なのでしょう。感動で胸がはち切れそうです。しかし〜、しかし!しかし!しかし!今回は主からの直々に承った神命!私の信仰心を示すために必ず成功させなければならないのです!そのために万が一でも私の1人が凍るなんていう醜態は晒さません。無様も、不様も、失態も、惨態も、体たらくなど論外。浅ましさも下劣も卑劣も、主の神命を遂行する時に晒してはいけないのです!そのため、少々新しい私を産みます。」


 アニマは突然指を2本切り離す。


 そしてその2本の指から新たなアニマが生まれる。


 「私から遠い私は私たちの護衛をしなさい。私に近い私はこれから新たな私を産む手伝いをなさい。」


 「了解した、私。」


 「こちらも了解した私。」


 なんと頭が痛くなる状況なのだろうか。1人ですらどうするかと考えていたのに3人になってしまった。


 そして全員が私しかいってないのにどれがどのアニマに指示した言葉なのか伝わっているのが気持ち悪い。


 「あっ、安心してください。何も、数の暴力で攻めたりはしませんよ。まずは私個人の実力を知って貰った上で増殖しないと先ほどからこちらの様子を見ながら戦っているミノリさんに植え付ける予定の絶望感が薄く感じると思いますから。」


 ボクはアニマが指す方向に釣られてそちらを見るとミノリちゃんが教徒全員を相手に戦っていた。こっちというより他の戦闘をしているところに注意がいってしまっていて攻めきれていない。


 「ミノリちゃん!自分の方に集中っ、グハァッ…」


 ボクがミノリちゃんに注意を促そうとしたタイミングで1人のアニマがボクにお腹を抉るようなパンチをくらわせる。


 その威力に思わず血を吐き出した。


 「ユキちゃん!」


 やっば、何やってんだボクは更にミノリちゃんの集中力を削ってどうするんだ。


 「実に、実に、実に!いい働きをしてくれましたね!わざわざミノリさんの注意をこちらに向けて私の拳を喰らってくださりありがとうございます!これによりミノリさんは集中力が乱れて足止めがより長く継続することができます!それともうすぐで終わりそうですね。」


 アニマの視線の先を向けばそこでは2人のアニマが絡み合っていた。


 いや、絡み合っているうちの1人は今までのアニマとは違く、肌艶がよくなっていてローブの上からも出るところとくびれがわかるほど肉体が変化している。


 「私は同化の儀を行ってから雌雄同体になりましてね。普段は無生物のように単為生殖で増殖するのですが、あることをなす時には目的のものを持った私が雌に近づくことによりもう1人の私と有性生殖を目的のものを手に入れる。ほら、ご覧なさい。」


 「「陰陽和合(いんようわごう)!!」」


 2人のアニマの叫びと共に1人の小さなアニマが誕生する。


 「「「さぁ、新世代の私よ旧世代の私を食べなさい。」」」


 小さなアニマは3人のアニマを食し、急激に成長する。


 「先程までの私の経験を受け継ぎました。ユキさん。旧世代の私が先程まで話していた続きを話しましょう。先程のは私の技です。名を陰陽和合と言います。適応したい事象を直接経験した個体が母体となりそれに限りなく適応した私を産み出し、新たな祖になる私を産み出します。ここから私はより多く分裂していき、今いる旧時代の私に新世代の私を取り込んでアップデートを始めます。しかしどのような形で適応したのか、より最善な適応はできないか調べるために貴方で検証していきます。」


 「流石のボクでもドン引きなんだけど。それにボクの氷にそう簡単に適応出来るかな?」


 そういってボクは氷羽をまた打ち込む。


 それはアニマの至る所に命中してアニマを氷で覆い始める。


 ボクは勝ちを確信した。いくらボクが氷王晶の力を完全に引き出しきれていないとはいえ、そう簡単に適応できる訳がない。このまま氷で覆い尽くして勝ちだ。

 

 しかしボクのその考えを嘲笑うように目の前でアニマを覆っていた氷が砕け始める。


 「なるほど、なるほど、なるほど。私が適応して手に入れたのは凍りついても短時間なら身体を動かせるようになっていましたか。確かにこの前適応したことを活かせばそれだけでなんとかなりそうでしたもんね。しかし、この程度の適応技術なら広めなくても良さそうですかね?いや、念のために広めた方がいいかもですね。何かのとき役立つかもしれませんし。おや、置いてけぼりにして申し訳ありません。その顔を見るに今の現状が飲み込めていないようですね。なら教えてあげましょう。」


 アニマはボクのことをお構いなしに今の出来事を解説してくる。


 「ユキさんはシバリングというものをご存知ですか?シバリングとは、寒さや発熱時などに体がブルブルと小刻みに震え、自分の意思とは関係なく起こる筋肉の震えの症状で、体温を上げようとする体温調節の生理反応です。通常なら大して意味ないのですが、ある事象に適応するために私はこのシバリングを自由に出すことができ、そしてその揺れは通常のシバリングよりも遥かに強いものとなっております。氷程度なら砕くのも容易です。」


 どんなに攻撃を仕掛けても余裕で解説までして。


 正直、吐き気がする。

 

 「……へぇ、シバリングを自在に操作、ね。

 凍らせるだけじゃ足りないってわけか」

 

「ええ、ええ。冷えれば震え、震えれば熱を生む。熱を生めば氷は割れる。実に単純で、実に合理的な適応です」


 アニマの筋肉が小刻みに震える。

 

 ボクは歯を食いしばった。

 

 今のままの凍結じゃダメなら


 氷葬翼を広げる。


 空気が白く染まる。


 「氷創造(アイスクリエーション)


 空中に無数のツララが生まれる。


 鋭く、細く、硬い。


 「撃ち抜け」

 一斉射。


 氷槍がアニマへ降り注ぐ。


 肩、胸、太腿を貫く。


 刺さった。


 だが。

 アニマの肉体が震え、内部から衝撃波のような振動が広がる。


 氷槍が、粉々に砕け、空いた穴も再生して塞がっていく。


 「貫通力は申し分ない。ですが決め手には欠けますね。」


 余裕の態度に腹が立つ。


 「じゃあ——」


 ボクは地面に手を叩きつけた。


 氷羽で覆った地面が、せり上がる。


 巨大な氷のハンマー。


 「潰れろッ!」

 

 ボクは作ったハンマーを即座にアニマへと振り下ろす。

 

 轟音。


 石畳が吹き飛ぶ。


 アニマの身体が地面に叩きつけられる。


 一瞬、沈黙。


 打撃でのダメージなら残るはずそれでシバリングをする余裕を泣かせれば。


 ヒビ。


 氷ハンマーの内側から、振動。


 バキバキバキッ!!


 内部から砕ける。


 アニマが、氷を押し広げながら立ち上がる。

 「悪くありません。打撃で怯ませた上で凍結させる気だったんですね。実に工夫されています。」

 

 傷もすぐに再生していくからダメージが蓄積しているのかがわからない。


 けれど攻撃の手を止めない。


 氷羽をさらに打ち込む。


 地面の氷が波打つ。


 アニマの脚元から氷柱が絡みつく。


 太腿、腰、胴へと巻き上がる。


 「動きを封じる」


 氷が固まる。


 温度を一気に下げる。


 筋肉を凍らせる。


 今度こそ。


 アニマの身体が、完全に氷像となる。

 

 追撃を——

 

 バキィッ!!


 足元から爆ぜる。


 振動が地面を伝う。


 氷が一斉に粉砕される。


 衝撃波がボクを吹き飛ばした。


 「ッ……!」


 背中を強打。


 呼吸が詰まる。


 アニマが、ゆっくりと歩いてくる。

 

 「拘束能力は優れています。ですが今の私に氷関連の攻撃は無意味です。」


 腕が増える。


 六本。


 八本。


 「あなたは理解していますね。封印しない限り、私は止まらない。」


 ボクは立ち上がる。


 足が震える。


 体力が削られていくのがわかる。

 

 「どうしましたか、ユキさん」


 アニマが距離を詰める。

 

「封印が唯一の解だと知りながら、その“封じるための氷”が私に通じない。」

 

 アニマの手が私の四肢を掴み残った腕で私を連続で殴り続ける。。


 内臓が軋む。


 ボクは咄嗟にシルトを即座に展開しようとした。

 

 しかしシルトは展開されない。


 何度も展開しようとしているが壁が出現されず、腕が横薙ぎ。肩が抉れる。血が散る。


 そしてお腹を貫かれたときに理解するアニマの前では、


「アニマ・フェルマータ。今、お前の前で人工遺物が発動しないのは何故だ?」


 私はほぼ一直線に跳弾していくルートを確保するためにシルトを展開しようと試みたが壁が現れることはなかった。


 同様にゲシュッツを放とうとしてもエネルギー弾は出現しない。


 しかしクレイブと反躍ノアンチリバウンドは発動していることから遺物は正常に動く。


 というわけはアニマは何かしらの方法で人工遺物に干渉できるというわけだ。


 正直にいって今の私だと火力不足である。


 他の戦場も膠着状態が続いている。援軍は期待できない。


 どうにかしてミノリ達とは距離を取りアニマと私だけの空間を作らないと。


 「バレットさん、質問しといて私の話を聞いてませんね?まぁ、私自身どうしてこうなっているか実のところ余り知らないのですが強いていうならその人工遺物の製造に私が関わっている。それだけでも答えになるのではないですか?」


 「何?」


 今、製造に関わっているといったか?


 人工遺物はエルド・カイロス、この男1人で開発していたはず。その男にコンタクトを取るどころか製造に関わっているだと?


 エルド・カイロス、いい噂は聞かないがまさかソーマネクルと関わりがあるとは。


 「よそ見はいけませんよ、バレットさん!」


 アニマの腕が私を目掛けて飛んでくる。


 私はクレイブで生み出したナイフを瓦礫などを利用して跳弾させる。


 そのナイフがアニマの飛んでくる腕に刺さり方向を変える。


 「お前程度なら同時タスクを行う余裕がある。それなら別の作業を同時に進行した方が効率的。」


 「おや、おや、おや、おや、おや、随分みえすいた挑発をしてくれますね。そんな挑発ができるあなたのそのメンタルに敬意を示して乗ってあげましょう。」


 そうしてアニマの腕が増えていく。挑発して少しでも大雑把な攻撃を誘導できないかと思ったがうまくいかなかった。


 だがこちらに乗ってくれてはいるため私はアニマにバレないようにこの場から距離をとるように誘導していく。

最後まで読んで頂きありがとうございました!


話が、話が進まない!


そう思う人が多いでしょう。その通りです。本当に申し訳ありません。


今回は他の章と比べてもかなり広くかなり多いキャラで行っているため話が進むのが遅くなっております。


面白く話が進むよう精進してまいりますのでよろしくお願いします。


もしこの作品が気に入りましたら感想や評価をいただけると幸いです。

そうでなくともこの作品が少しでも気に入っていただけたら今後も読んでいただけると幸いです。


改めまして最後まで読んでいただきありがとうございました!

また次回もお楽しみください

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