94.春休み・(修行に励む日々②)
何で当たらないんだろ・・・。私は魔導師で剣士ではない。魔導師の大多数は私の様に術で戦わず剣に術を纏わせて戦っていると父は話していた。・・・あ。師匠は体術と剣術の修行をすると言っていたが、魔力が切れた時の為とか言ってなかった。私が勝手に勘違いしてた!
私は刀に術をかけて風の力で勢いをつけて師匠に打ち込んだ。
ガツッ
師匠がしないで私の術を受けた時に思った以上に大きな音が出た。これでも師匠に当たらない。・・・体術の修行!私は術で師匠の足元に20センチくらい土を掘ると、師匠に体当たりをして師匠の左足を穴に落としそのまま後ろに押し倒した。その瞬間師匠から離れて師匠の左腕に打ち込んだ。
スン!
私の竹刀は空を切った。師匠は私の腹に突きを打った。
「うぉえっ。」
私はそのまま後ろに吹き飛んでしまった。う〜朝ごはんが逆流する。私は吹き出そうになる朝食を気合いでとめた。そして次の攻撃を打つために立ちあがろうとすると、
「あいたたた・・・。」
体が痺れて動かない。
するとゆっくり師匠が歩いて来て
「合格だ。」
と言って私に腕を見せた。師匠の腕には赤い引っ掻き傷の様なものが出来ていた。
「やった。当たった。」
私は飛び跳ねるくらい嬉しかったが、飛び跳ねる力はこれっぽっちも残っていなかった。
「し、師匠〜。か、体が痺れて動けません。」
と伝えると、師匠は
「仕方ないね。」
と呆れた顔をして私を背負い玄関に向かって歩いていった。
「落ち着くまでここで座ってなさい。昼ごはんは私が作るから。」
と言って師匠は食卓の椅子に私を降ろした。時計を見るともう11時半。
「私と師匠は2時間半も剣の練習をしていたんだ・・・。師匠は100を過ぎてるのになんであんなに動けるんだろ?師匠は化け物か何かかな?」
と私がポツリと言ったことが、料理をしている師匠に届き
「誰が化け物だって?」
とつっこみを入れてきた。
・・・なんでこの小さい声の独り言が聞こえたの?師匠はどんだけ地獄耳なんだろう。と考えていたら、
「地獄耳で悪かったね。」
と師匠が言った。・・・こわっ。
お昼ご飯は、師匠が作ったちゃんぽんを美味しくいただきました。




