81.春休み・(術の練習においしいパンを添えて)
バチ!ベチッ・・。バチ!パチ。・・バチ!・・・バチ!
私の手から放たれる小さな氷の粒は墓に近づいて悪さをしようとする魔物に当たり弾けます。
「このは、もっと身体の力を抜いて読経のリズムで自然に呼吸しな。呼吸の乱れが技の乱れにつながる。鼻で吸って口から細く息を出しな!」
「はい!」
私はゆっくり丁寧に息を吸いそしてお経を読むようにゆっくり長く息を吐いた。
バババババババ
小さな氷の粒が次々と魔物に当たった。
「そうだ。その感覚を忘れるんじゃないよ。」
と師匠は言うと、今度は昨日張った私の結界を見て
「今日はいつもより魔物の数が多かっただろ。呼吸の乱れだ部分から結界は脆くなっていくんだ。そこから魔物が入ってきていたんだろうね。さっきの要領で呼吸を意識して結界を貼るんだよ。」
「はい。」
私は木の枝を4本拾うと魔物がはいってこないように祈りながら結界を張った。
「まあまあだね。」
と言って師匠は、部屋の中に入って行った。私は朝の掃除を終えると、朝食の準備をするために台所へ向かった。
「今日はパンなんですね。」
「ああ。昨日檀家さんからもらったんだよ。サカモトパン。この辺りまでリヤカーで売りに来てるのを知らないかい?」
「リヤカーのパン屋さんは知ってるけど、それがサカモトパンって名前なのは初めて知った。」
「好きなの取りな。あんぱんにチーズハムパンに、カレーパンにクリームパンにベーコンチーズパン。どれにする?」
「じゃあ、あんぱんとベーコンチーズパン。」
「ベーコンのパンはこんな風に表面を炙るとより美味しくなるよ。やってみな。」
と師匠は言って、人差し指と中指を立ててチーズハムパンに向けると小さな炎を出した。それをチーズハムパンに向けるとパチパチチーズが焼けてこんがりきつね色になった。私も人差し指と中指を立ててパンに向けた。すると師匠が
「マッチで火をつける想像をしてお経の息継ぎをするんだ。ゆっくり吐いて吸う。ゆっくり吸って人差し指と中指に集中。神経を研ぎ澄ますんだ。」
言われた通りにすると指差し指差しにボッと火がついた、
「すごい!火がついてる。」
私はその火をベーコンチーズパンに向けるとパチパチとチーズが焼けてこんがりきつね色になった。
「もうちょっと火力を上げててもよかったね。その方が早く焼ける。春休みの間はこうやって日常でも術を使いながら力の使い方を教えていくからね。」
「わかりました。頑張ります。」
私は、自分ので術で炙ったベーコンチーズパンを頬張った。
「炙ったところが香ばしくてサクサクでとても美味しい!」
「それはよかった。で、今日は第二皇子に何か買いに行くんだろ。10時に出るからね。」
「はーい。」




