63.巡幸②
・・・え?何で?馬鹿皇子がここに来る?なぜ?巡幸?そういえば毎年この時期皇帝陛下は各地を回っていらっしゃったような。去年新聞に琉球訪問の記事が出てて、みっちゃんとマチとパイナップル食べに行きたいねって話してたっけ。そうだ、あの時期末考査明けにみっちゃんちでおやつ食べながらその記事を見たんだ。にしても偶然とは恐ろしいな。とりあえず、私は修行の身、権力者である皇帝陛下は私にとって危険人物といっても過言ではない。自分の身を守るためにもここは関わらないのが1番ね。よし。その日は学校を休もう!
「ごちそうさま!じゃあ、行ってくる!」
「いってらっしゃい!」
まだ弁当を食べ終わっていない私はシャケの皮を食べながら彼女を送り出した。それにしても西さん張り切ってるなー。確かにうどんの魅力を帝国の最高権力者にアピールできる機会なんてまずないもんね。・・・ごめんね。私、その日は学校休むから。心の中で西さんに謝罪をした。
しばらくして西さんが戻って来た。なんだか浮かない表情だけど、何かあったのかな?
「西さん、何かあったの?」
「うどん同好会は時間の関係で部活紹介に参加できないんだって。部活紹介だから同好会は含まれないんだって。時間がないからってさ。ひどくない?」
「確かに。」
私達の話を聞いていた中村くんは
「今年、野球部と陸上部と水泳部と演劇部が全国大会に行っただろ。部活動紹介って実質全国に行った部活を見に来るだけで、他の部活はオマケみたいなもんだよ。だからうちの学校に訪問が決まったんだと思うぜ。だから落ち込むことないって。」
と中村くんは言った。・・・なるほど、だからうちの学校に訪問されるのか。確かに国体の来賓席に皇帝陛下が座ってるの新聞で見たことある。その話を聞いて西さんは
「そっか。確かに野球部とか新聞が取材に来たりしてて、うちの学校注目されてるもんね。中村くん、ありがとう。まっ、私達はうどん道を突き進んでいけばいいだけなんだよね!」
「そうよ西さん!うどん道を突き進むのよ!ごらん。あれがうどんの星。」
「うわー、きれー。芦屋さん!私もうどんの星となれるように頑張るわ!」
私達が悦に浸り演劇部顔負けの寸劇を行っていると、中村くんが呆れた顔をして
「その前に期末考査。」
と言って私達を現実に突き落とした。




