358.皇太子殿下の提案③
「西園寺様、僕は父のあとを継いだ時。この帝国で最高権力者になります。その権力を国民のために正しく使うために、僕に気を使わずに正直に自分の意見が言える人に1人でも多く近くにいて欲しいって思っているんです。」
と皇太子殿下が言うと、西園寺さんのお父様は伏せていた顔を上げた。そして続けて
「短い時間ではありますが。百合子さんはとても正直な女性だなって思いました。僕の隣には百合子さんの様に素直で面白い子がいるといいなと思ったんです。まずは婚約者候補として百合子さんとお付き合いをさせてくれませんか?もちろん百合子さんが私との結婚が無理だと思ったら断ってくれても構いません。」
と皇太子殿下が伝えると、西園寺さんのご両親は
「それなら、私からは何も・・。百合の判断に任せます。いいだろ?」
「ええ。」
と答えた。すると西園寺先生が
「百合は?婚約者候補の話お受けするのかい?」
と尋ねた。
「そうですわね・・・。」
と考え込むと、皇太子殿下は
「僕は正直な女性を相手に・・。そう思うきっかけになったのか、桜華とこのはさんはを見てからなんだ。」
「えー!チャリコさんと桜華様に何があったんですか?」
「ハハハ。本当に君はこのはさんのことが好きなんだね。」
「はい!それで。何があったんですか?」
と尋ねられた皇太子殿下は私と桜華様が初めて出会った時のことを話し始めた。
「皇太子殿下。」
「兄様!!」
私と桜華様が話を止めようとしても、西園寺家の人達、特に西園寺さんに(話を止めようとすることを)止められ、結局出会いから私と桜華様が玄関で大喧嘩をする(1.私の大嫌いな奴ら①から14.お土産の内容)までの話をした。
「僕が実際にこの目で見たのは玄関の大喧嘩だけで、他はその場にいた使用人達に聞いたんだけどね。」
「やっぱりチャリコさんは素敵です。桜華様はチャリコさんがいないとダメな人なんですね。」
「おい。百合!」
西園寺先生に注意された西園寺さんは
「申し訳ありません。つい本音が出てしまいましたわ。」
すると皇太子殿下と皇帝陛下は大笑いをし、桜華様は、
「いや。本当に、そうなんだ。私はこのはがいないと生きていけない。」
と人前であるにもかかわらず私に抱きついてきた。
「ちょっとしっかりしてください!ってかその前に離してください!」
私達のやりとりを見ていた西園寺さんは
「私もお2人の関係が羨ましいですわ。桜華様はチャリコさんといる時は皇子じゃなくなるんですのよ。」
「百合さんとだったら僕も皇太子殿下ではなくてただの清華になれる気がするんだ。」
「ただの清華っておっしゃいますけど、
桜華様以上に面倒な方だったりするのですか?それはちょっと。」
「ハハハ、だよね。だから、とりあえず婚約者候補の1人として僕を査定してくれないか?」




