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314.気まずい朝

「昨日、西園寺君から聞いたんだけど、夏休みに別荘に招待されたんだって?!」

「あ、はい。でもまだ詳細は決まっていませんけど。」

と私と皇太子殿下が話していると、

「茄子高原は御料牧場があるから桜華が小学舎の頃はよく行っていたんだよ。ここで馬車を引いていた馬達は今はそこで伸び伸びと暮らしているよ。乗馬もできるから是非行ってみるといいよ。」

と皇帝陛下がおっしゃると、皇太子殿下は

「父様、このはさんは勉強しに茄子へ行くんですよ。」

とおっしゃった。

「夏休みなのに遊ばずに勉強って。青春は戻ってこないんだよ。このはさんはもっと青春しなきゃ。」

と皇帝陛下に言われ、私が苦笑いをすると、馬鹿皇子は、

「このはは受験に向けて頑張ってるんだから。受験が終わってゆっくり青春すればいいさ。ねっ、このは。」

とニコッと笑った。その瞬間、心拍数が上がって苦しくなった。すると、皇帝陛下は、

「そ。そうか。」

と、戸惑い気味に言った。な、何?何か馬鹿皇子から余裕を感じる。術でつながっていることに安心したってことかな?・・さっきの口付けのせい?それとも私の気持ちがバレた?私が色々考えていると、中田さんが

「このはさん、今日は放課後、朝日医院で抜糸予定です。帰りに寄ってからこちらにおいでください。」

「わかりました。」

と返事をした。すると馬鹿皇子は

「じゃあ、今日はこちらに来るのは遅くなるな。気を付けて帰って来るんだぞ。」

と優しい口調で言った。

「あ、ありがとうございます。」

・・・なんか、馬鹿皇子が変だ。



 学校に着き駐輪場に自転車を停めた私は頬をパチパチと叩き気合いを入れた。ここに来るまで、馬鹿皇子のことばかり考えている自分に気合いを入れたかったのだ。

「よし!」

私は教室に向かった。


 教室に着くといつものメンバーが既に集まっていたので、仁母町の古本屋に行く件と、夏休みの勉強合宿の件(西園寺先生と茄子高原に行くこと)について話しをした。

 仁母町の古本屋には日曜日の11時に仁母町の駅改札に集合、勉強合宿も全員参加ということが決まった。(因みに、仁母町の駅近くに西田君おすすめの美味しい中華そばの店があるらしく、開店時間の11時に待ち合わせすることになったのだ。)



「じゃあねー。お疲れ様!」

学校が終わり、私は朝日医院に向かった。朝日医院は尊学館の近くにあるとのことだったが。・・・どこ?尊学館の正門近くに看板があるって聞いたけど・・・。ないじゃん。その時

「何やってんだ?」

「あ、一条さん。ちょうどよかった。朝日医院にいきたいんですけど、場所わかりますか?この辺りに看板があると聞いて探してるんですが見当たらなくてこまってたんです。」

「ああ。そこに看板があったんだけどいつの間にか無くなってるな。ここから近いし一緒に行ってやるよ。」

「ありがとうございます。じゃあ、乗ってください。」

「いや、でも、桜華様が。」

「そういえば桜華様は?」

「今日は大陸から王族のご家族が急遽来ることが決まって、早退した。」

「じゃあ大丈夫でしょ。速く乗って下さい。」




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