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226.ダンス①

「楽しんでいますか?」

馬鹿皇子からの問いに私と西田くんは

「はい。」

と答えた。(上岡さんと松本くんはさっきおかわりをしに席を外している。)


 馬鹿皇子は女子生徒を引き連れて帝学の生徒達に声をかけて回っている。南条寺さんの視線がとても痛い。南条寺さんはこれまでずっとこうやって馬鹿皇子の会う人会う人を睨んできたのかしら?やばいわね。そんなことを考えていたら、馬鹿皇子に

「私と踊っていただけますか?」

と手を出された。

「は?」

私がそう返事をすると、馬鹿皇子は

「今の放送、聞かれていませんでした?尊学の生徒と帝学の生徒がダンスを踊るという交流企画なんですけど。私は生徒会長という立場上、率先して参加しなければならなくて、ご協力いただけませんか?」

と笑顔で尋ねた。

「申し訳ありません。残念ながら私、踊れませんから。」

と答えると、南条寺さんが

「そうですよ。桜華様、こんな冴えない庶民と踊る・・・。」

と言いだした。南条寺さんは馬鹿皇子に睨まれて言いたいことの半分を飲み込み、又、私をギロっと睨んだ。

私は続けて

「桜華様、覚えていらっしゃいますか?私が廊下で、下手くそなダンスを踊っ・・。」

「ああ、あの時の鈍臭い女、ハハハ・・」

私が話をしていると南条寺さんが遮り笑い出した。

馬鹿皇子はそれを無視して、

「ダンスと言ってもホールで向かいあって体を揺らす程度だから。」

と言うと、

「行ってらしたら?楽しいですわよ。」

と急に南条寺さんが言い出した。・・馬鹿皇子と踊るとなると嫌でも注目を浴びる。そんな状況で私がこの前のように下手くそなダンスを踊ればみんなの笑い物になる。・・・なるほどね。って絶対に嫌!誰が馬鹿皇子と踊るか!

「桜華様、あの子、貴族ですからダンスがお得意だと思いますよ。」

「あ、もう始まる。ごめんね一緒に来て。」

馬鹿皇子は私の提案を無視して、私の手を取り、ホール中央に小走りで向かった。話聞けよー!!

「ちょっと、本当に困るんですけど。」

「大丈夫。俺に任せて。」

こうして私と馬鹿皇子はダンスを踊ることになってしまった。


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