拓馬の告白2
一通り話終えた拓馬は沈黙を守ったまま、空を見ていた。
そして、まだ事態が飲み込めない私も何て言葉を発すれば良いか分からず、拓馬から目を離し窓の外を見た。
まだ強い風が吹き続けていた。
この吹き続けている風も私が作り出してると言うの?
楓も瞬の感情や動きや言葉も全て私が作り出していたと言うの?
じゃあ、この世界のルールは?
意中の人に想いを打ち明けてはいけないと言うルール、あれも私が考えたものだのしたら、私は拓馬に想いを打ち明けても元の世界に帰ることは無いの?
拓馬に想いを打ち明けても大丈夫なの?
それなら…。
「私ね…」
「それはダメだよ」
口を開きかけた私が言おうとしたことを読み取ったかのような拓馬の強い制止を受けた。
「え?」
「昨日の瞬の話しオレ聞いてた…。優菜。オレは優菜の事が他の誰よりも大好きだ」
拓馬の告白を聞いてその気持ちはよく分かっていた。
拓馬はこの世界の禁忌を破ってまで私をこの世界に呼びよせた。
「優菜を誰にも渡したく無かったオレは、自分勝手なルールを作った。優菜がこの世界の誰かに想いを伝えることを封じた。優菜が誰かに想いを打ち明けるんじゃないかと思うだけでオレの心は壊れそうだった」
拓馬の重い心の内を聞いているうちに、自分の想いはどのぐらい本気だったのだろう?自分は心の底から拓馬を彼を愛しいと思っていたのだろうか?
三次元の人間に恋して傷付くのが怖かった私はただ二次元に逃げていただけじゃないのだろうか?
しばらく考えてから、それが如何に無意味な事かが分かった。
二次元なんて関係無いほど、私は拓馬の事が大好きなんだ。
「この世界のルールを破ったオレは、きっともうじき消えてしまう。そして、お前の記憶から完全にオレが消える。自分勝手にこの世界に連れてきて勝手に消えるとか…。最低だな、オレ…」
半ば自嘲気味に笑ってから、私の前に立ち、ギュっと抱き締められた。
息が止まるぐらいの抱擁だった。
拓馬の温もりも拓馬の胸の鼓動も感じることができるのに。
全て消えてしまう…。
「どうせ消えてしまうのなら、オレの手でお前を消してしまおうか」
今まで聞いたことのない、低く冷えた声に一瞬背中に寒気を感じた。
腰に回された手が少しづつ首すじに近付き、力を込められる。
えっ…。拓…馬?
呼吸が苦しくなる。
「た…。く…。」
掠れてきた私の声に拓馬の体がピクッと反応したのが分かった。
パッと手を離し、私から遠退いた。
「オレ…。一体…。何を…?」




