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拓馬の告白

「…。え?それって一体どう言うこと?」

拓馬の言葉の真意が理解できずに間抜け顔で聞き返してしまう。

拓馬の方は爆弾発言をしたとは思えない先程と変わらず悲哀な表情で手を組んだまま椅子に座ったまま動こうとしなかった。

「拓馬?」

「…。ごめん」

「何で謝るの?」

「リンネの本当の名前が呼べたのが幸福 過ぎて、ずっと黙っておこうと決めていたのにうっかり口を滑らせてしまった、悪い」

ずっと黙っておこうと…。

拓馬の言葉の先も気になるが、ずっと黙っておこうとと言った拓馬の真意の方が気になる。

「一体どう言うことなの?」

拓馬と出会ってまだそんなに時間が経っている訳じゃないけど、隠し事されるのは何か嫌だ。

張り詰めた空気の中、沈黙の時間だけが流れる。

拓馬はこの世界に私を呼んだのは自分だと言っていた。

それは全く理解できないことだった。

だけど、初めてこの世界に来た時どうしてここに来たのが謎だった。

気が付いたらアニメの色彩の世界で、自分もバカ母のビジュアルもアニメの登場人物の外見で、夢にしてはリアルだし、でも、バカ母が当然のように馴染んでいるのを見ていたら、そんなこと考えなくなっていた。

ここの暮らは楽しかったし、それに何よりここには拓馬がいたから。

実際に触れる距離に拓馬がいたから。


「優菜、オレ、自分の存在がよく分からないんだ。毎日毎日たくさんの女の子達がオレのことを見ている。見ていると言っても不思議な感覚で、彼女たちはすごく側にいるはずなのに、触れることもできない、透明な壁がオレたちの間にある感じで、オレは毎回決まった言葉を彼女たちに話す。彼女たちは直接オレに語ることはないけど、あらかじめ決められている台詞のような言葉がオレの頭に流れてオレはまたそれに答える。毎日毎日そんな感じだった」

それって…。

その世界って、拓馬から見たゲームの世界じゃない。

「別にその生活に不満があった訳じゃない、彼女たちの笑顔を見るだけでオレは嬉しかったから。彼女たちを幸せな気分にさせること、それがオレの使命だと思って来る日も来る日もたくさんの女の子たちを見てきた。そんな中で、オレはキミを見付けた。キミは他のどんな女の子よりもキラキラした目でオレの事を見て、決まっているオレの言葉に一喜一憂してた。初めて女の子のことを可愛いと思った」

「…」

「この世界にもルールがあって、決して一人の女の子に感情移入してはならない。もし、それを破ったらオレはこの世界から消える、それを分かっていながら、オレはキミの側にいられるなら、キミに触れる事ができたのなら、オレは消えても構わないと思った」

拓馬が消える…?

一体どう言うこと?

「優菜、キミはいつもオレに自分の事忘れないでって言ってたけど、本当に不安なのはオレの方だよ。いつかキミがオレの事を忘れてしまう、そう思うと不安で堪らなくなる」

「…。私の他にバカ母といづみが来た理由は?」

「…。この世界に来たのはキミ一人だよ。オレはキミを呼んだだけ。この世界に来たキミは自分でストーリーを作り架空の世界を作ったんだよ」

バカ母もいづみもここに来ていなかった。

瞬は?

瞬がバカ母に恋したと言っていたのもあれも私が作り出した幻想だったの?










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