バカ母乱入
「リンネ?ひどくない?私を差し置いて」
いやいや、差し置いてって言葉間違ってない?
デート自体普通は二人でするものだし、デートをいちいち母親に報告するなんて……。
まぁ、デート報告するぐらいなら仲のいい親子ならするかもしれないけど、そのデートに着いてくる親っている?
ドラマや漫画などにはそんな場面見たことあるけど……。
そう言えば、昔、私が合コンに行く時、『私も着いて行こうかな!』って言ってたことあって、冗談かと思って軽く流してたけど、あれは冗談じゃなかったのね!
日時とか詳しいこと教えないで良かった。
「ごきげんよう、拓馬」
スカートを軽く持ち上げて挨拶するとか、どこの漫画の世界だよ!
「ルナさんと瞬もデート?奇遇だね」
屈託なく笑う拓馬の笑顔。
バカ母は何か言いたそうな顔でいっぱいだったけど。
すぐに聞こえないふりして。
「拓馬に逢いたいな、って考えて瞬と散歩してたら、拓馬に会えたの」
何だろう?
このあざとさ。
本当は、拓馬がここにいるって分かって来たんでしょう?
「そうなんだ。瞬って昔から遊園地好きだもんな」
「そうそう、瞬が遊園地に行きたいって。ねぇ、瞬?」
可愛そうな瞬は、当然首を縦に動かすしかできなかった。
「こんなとこで会えたのも何かの縁だと思うし、拓馬が良かったら、合流しない?」
まじか?このバカ母。
ぐいぐいくる積極的なバカ母。
「うーん、どうしようかな?リンネどうする?」
また選択画面。
これが、ゲームなら、
『4人で回ってもいいと言う
拓馬と二人きりでいたいと言う
もう帰りたい 』
などの選択肢が出てくるのだろうけど、今ここは私のリアル。
さぁ、どうする?
「拓馬がいいなら、4人で回ってもいいよ」
あー、これ絶対グッドエンディングを見れないパターンだ。
ゲームなら選択肢の一つ一つが重要だけど、リアルでもそれは言えてるかも……。
バカ母はルンルンな感じで拓馬の手を取って先に進んでるし。
何か泣きたくなってきた。
「ごめんね、リンネ。ルナさんがどうしても拓馬に会いたいって言うから、ルナさんにそう言われちゃうと弱くて……」
瞬が申し訳無さそうに私に耳打ちしてきた。
瞬のそんな顔見たら愚痴とか何も言えなくなっちゃう。
今日は瞬に免じてバカ母を許してあげよう。




