バカ母の発言
朝食を食べ終え、今日の服を考えるためにクローゼットを開けた。
う…。
昨日眠る前と全く違う服が入ってる。
昨日の夜ここのクローゼット開けた時は、昨日ここに来たときに着ていた学校の制服と、それ以外にウサミミのついたピンクのルームウェアが1着入っていたが、今朝はどこかで見たことあるようなピンクのロリータのワンピースが1着入っていた。
まぁ、二次元だし、いっかー。
取り合えず着替えてみる。
ピンクのロリータワンピに白のロングソックス、そしてヒールの高いピンクのパンプス。
うわ。現実では絶対に着れない。
「リンネさま、用意は終わりましたか?」
部屋の向こうから、楓の声がした。
私は、恐る恐る部屋を出てみた。
こんな格好、知ってる人に見られたら生きていけない…。
「とてもよくお似合いですよ」
楓ならそう言うと思った。
そう言うと思って分かっていてもやっぱり嬉しいもので。
顔がにやけてしまう。
「今日はどこへ向かいますか?」
「そんなの」
決まってる。
拓馬との婚約披露をぶち壊しに行く。
「拓馬の元へ」
「リンネさまはそれで傷つきません?」
私がこれから行うべきことが分かっている楓は渋い顔をした。
「私がここに来たのは、拓馬に会うためだと思ってる」
だから、後悔しない。
「リーーーーーンネ」
毎度お馴染みのバカ母が二階の窓から入ってきた。
「おはよぉー、リンネ。今日、拓馬の婚約披露行くんでしょう?私も行くー」
相変わらず、人の話を聞かないバカ母は、テーブルに残っていたイチゴをパクパクと食べ始めた。
「それ、後で食べようと取っておいたのにー」
「ケチ臭いこと言わないの。それに、イチゴが食べたければ、楓に取ってきてもらえばいいでしょう?本当、楓っていい男よねー」
バカ母は、楓に近づきまじまじと見つめた。
と言うか…。
バカ母に聞きたかったことを思い出した。
「バカ母は瞬をパートーナーに選んだってことは、瞬が意中の人じゃないってことよね?バカ母の意中の人って誰?」
あれだけ、瞬にべったりのバカ母だけど、意中の人をパートーナーに選ぶことはできない、と言うことは…。
「ああ、それね」
バカ母はイチゴを頬張りながら続けた。
「私の一番好きなのは、拓馬よ」
はぁ?何言ってんの?この女…。
いや、思い当たる節は無くは無い。
現実の世界で、このゲームをしてる時バカ母は、必ず拓馬エンディングになるように頑張ってた気がする…。
「だからー、あんたが、あの女から拓馬を離すの賛成よ」
最後の一つのイチゴを口に入れたバカ母の満面の笑顔…。
私のライバルはいずみだけじゃなかったの?




