二次元の朝
小鳥のさえずりがする。
うーん、もう少し眠ってたい、どこからか吹いてくる風が気持ち良くてこのまままだ眠れる。
………?
あれ?ここはどこだっけ?
私のベッドはこんなにフカフカじゃなかった。
ガバッと起きる。
そうだ、ここは私の部屋じゃない。
あー、夢じゃなかったんだ。
「お目覚めですか?リンネさま」
楓がガラスのテーブルの上に朝食の用意を初めていた。
「今朝はローズヒップティーにしました。朝のお目覚めにいかがですか?」
ん、ローズヒップティーは好き…。
って、そんな話してる場合じゃない。
「何で、楓?いつからいるの?」
昨日の夜、トリセツのことを説明を一通りした後、楓は部屋を出て行ったはず。
「この家は、一応私のなので」
いやいや、それは分かっているけど。
「いつからこの部屋に?」
そう、心配なのはそこだ。
「心配なさらなくても大丈夫ですよ。ついさっき入らせていただきました」
ほっと、一息ついてから、安心してもいいのかー?って思ってしまう。
間違いなく寝顔は見られたはず。
いや、楓クラスのイケメンなら、こんな女の寝顔なんてわざわざ見に来ないか…。
私、自意識高すぎなのかな?
「ご心配なさらなくても大丈夫ですよ。リンネさまのベッドには近付いていませんから」
また…、楓に心を読まれた!
やっぱり、自意識高すぎだよ、私…。
「リンネさまの可愛い寝顔見たいのを必死でこらえるの大変でしたよ」
も、もう朝から、この人は…。
これは、ただの乙女ゲームの中だから、ちやほやされるだけで、普通の世界なら、私なんて…。
楓クラスに相手にされるような女の子じゃない。
どこにいても目立たない。
顔だって、ぶっちゃけ普通以下だし。
そりゃ、頭はいいけど、他に何の取り柄もない。
いつもゲームの中、二次元に逃げるしかない。
「リンネさまは、可愛いですよ」
え?
気が付くと、楓が私のベッドに腰かけていた。
「はい、あーん。」
手にはピンク色のイチゴを持っていた。
「イチゴお好きでしたよね?」
「う、うん、好きだけど」
初めて見るピンク色のイチゴ。
ってイチゴに驚いてるんじゃなくて、楓が目の前にいることに驚い手しまった。
あーん、とか、そんなの…、したことも無ければされたこともない!
白のブラウスに黒のズボンと言うありきたりの服装なのに、何でこんなにかっこいいのだろう?
足の長さとかおかしすぎだよ。
楓は私が口を開けるのを待っている。
うーん、私は顔が暑くなるのを感じながら、口を開けた。
甘い…。こんなに甘いイチゴ食べたことない。
楓にあーんしてもらったから?
朝からこんな調子じゃ、先がもたない。
でも…、やっぱりイケメンに弱い私はドキドキしながら、ベッドを降りた。




