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幻獣使いの運命  作者: 蒼空
幻獣と心の関わり編
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幻獣と心の関わり編 機嫌を損ねた彼女

なかなか時間を作れず、投稿ペースが安定しなくて申し訳ないです。

精進します!


 カーテンから差し込む朝日が眩しくて、脳が無理やり敷を覚醒させる。

 そしてなんか暑苦しい。


「みゅう~っ」

「……ん?」


 なんか甘い。……匂い。

 俺は身体を離した。

 ……離した?


「……シュン。大胆」

「魔衣!?」


 俺はすぐに飛び起きた。

 さっきまでのあやふやな意識が嘘のように。


「ま、ままま魔衣さんの胸に……か、顔……」

「待て! 沙希誤解だ!」


 俺と魔衣の寝る布団の二つとなりでは、俺より一瞬先に目を覚ましていた沙希が顔を赤くして目で顔を覆っていた。

 まあ、指の間から見てはいるが。


「シュン。昨日はお楽しみだった」

「おい、記憶をの捏造するなよ? 何もなかったからな?」

「何言っている? 下着一枚のシュンがそれを物語っている」


 魔衣に言われて見るや、俺の体は下着一枚だった。

 というか魔衣も浴衣が随分と開けているようで。

 それに魔衣のこういうモーニングコールは、付き合うようになってから増えた。

 そして慣れた。

 ……人間って怖いなあ。


「脱がしただろ!!」

「人型の幻獣は、じかに肌と肌で触れ合ったほうが、癒し効果と疲労回復力が高い」

「それ嘘だろ。初耳だぞ」

「今まで言ってない」


 たまに目が覚めた時に俺の服がなんかおかしいなとか、シャツの前後逆だったりするのはそれが原因だったのか。

 絶対犯人コイツだよ。


「それはさておき、シュン。早く服着ないと、沙希が蒸発しちゃうよ?」

「は?」


 そう言われて沙希の方を見れば、今だ顔を真っ赤にして見ている。 


「てか、魔衣もしっかり着ろよな?」





 朝のドタバタ劇も終わり、朝食を食べた俺たちは森を散策することにした。


「自然の空気はいい!」


 魔衣が両手をいっぱいに広げて空気を吸い込んでいる。

 元々長いあいだ、あの隔離域の森にいたんだ、自然の空気の方が好きなんだろう。


「フェル、おいで~!」


 魔衣は鷲ほどの大きさのフェルを召喚して、その腕に乗せる。


「んじゃ俺も。デュラン」


 俺もデュランを出してやる。

 ここ最近は大分言うことを聞いてくれている。

 たまには外に出してやらないとな。


「どうだ? 久しぶりの自然だぞ?」


 俺は話しかけるが、眼中にないように無視して、目の前の川へ走り込んだ……どうやら魚を取ったようだ。


「……でるかな。リン!」


 俺は常に持っている、リンの封印されたリングでリンを呼んでみた。


「よかった。出てこれたんだな」


 幻武として出せてるあたり、まさかとは思ったが、そのまさかだったようだ。


「ごめんなリン。まだ美依は見つけてないんだ」


 俺は元気なさげなリンを主人の変わりに撫でてやる。


「デュランあっちにいるから、な?」


 そういうと、顔を上げてデュランのいる川へ歩いていく。


「春さんなら、守護者としての感覚を使って、美依さんの居場所を特定できると思うんですが」


 ふと沙希がとなりに来て、そんな事を言う。


「恐らく、俺の力はまだ熟してなんだろうな。その結果あやふやなもので表に出てくる。俺の戦闘能力の上下もそれで話がつく」

「つまり、窮地に陥らないと能力は使えない……主人公みたい」

「魔衣は漫画の見すぎだ。そんな自慢できたもんじゃないさ」


 そう。もし本当に漫画の主人公みたいな力なら、美依を何度も危険な目に合わせてないし、もっと始めの頃から力になれた。


「ん。どうしたデュラン」


 川でリンと遊んでいたデュランが、急に姿勢を低くして唸り出す。

 それに釣られてリンや魔衣も警戒し始める。


「幻獣か?」

「うん」


 魔衣が答える。


「わかった。デュラン!」


 俺はデュランを幻武にすると同時にリンを封印する。

 両隣では、沙希と魔衣もそれぞれの幻武を手にしていた。


「まったく幻獣もひどいよね。休ませてくれないなんて」

「そりゃあいつらに礼儀なんてモンはないからな」


 あったらそもそも話し合いで解決しそうなものだな。


「でもここって旧東京から遠いはず。こんなところに他の幻獣使いにばれずに来るなんて……!」


 俺たちの 緊張感のない会話をよそに、沙希が冷静に現在の状況を分析している。

 確かに、基本幻獣は旧東京から出現して、町に進行してきてる。

 ここは随分と山のほうだし、ここまで来るには都心部の幻獣使いの支部を通ってこないといけない。

 

「野良じゃなかったり」

「それって魔衣の時と同じ人工?」

「かもしれない」

「来ます!」


 沙希の言葉と同時に、川の反対側から三匹のクロヒョウの様な幻獣が現れる。

 クロヒョウの様なっと言っても、その大きさは馬に匹敵するほどの大きさだ。デュランよりでかい。


「中型幻獣。楽しょうね、シュン」

「侮るなよ?」

「うん」


 魔衣が先陣を切る。


「すぐに丸焦げにしてあげる! 焼き加減はミディアムだよ! フェル!」

「や、焼き加減……」


 それに丸焦げって言ってるのに。


「私も行きます!」


 魔衣が蒼炎で三匹の気を引いているうちに、続いて沙希がそのリーチを生かして切り込んでいく。

 

「デュランこっちも行くぞ!」


 俺も走り込んでいき、二人の相手していない一匹の視線をこっちに持ってくる。


「弾種9mm弾、弾倉拡張。リロード!」 


 俺の言葉と共に弾倉が消え、新たに自動で装填される。

 またグリップよりも少し長い、拡張マガジン付きになる。

 この手の幻獣なら、足を狙っていけば、自然と動きを封じ込めれるはずだ。

 俺は敵の攻撃を交わしながら、的確に足を撃っていく。


「動きが早くったって、短調なら意味がないな」 


 基本動作は前足で踏みつけ、引っ掻く、口で噛む。突進。俺が後ろに回ったら後ろ足で蹴り。

 それ等は別に守護者としての力を使うまでもなく、簡単に対処して足を撃ち抜く。 


「こっちも止めいくよお!」

「私もでる!」


 二人もそれぞれ、俺と同時に止めを刺そうとしているようだ。

 俺と沙希は脳天に、一発と一突きを食らわして、その動きを止める。


「行くよ! 燃やせ蒼―――っ!」


 魔衣が最後の一撃をお見舞いしようと、大剣を振り上げた時だ。

 ズドンッと一発。横から幻獣の脳天に直撃した弾丸。


「シュン!」

「俺じゃない!」


 空かさず魔衣が半泣きで俺を見る。

 そんなにトドメを指したかったんだな。


「ごめんなさい。モタモタしてたから、奪っていいかと思ったわ」


 俺達と三匹の幻獣の間に、一人の少女が下りる。


「久しぶりね」

「お前……」

 

 魔衣が幻獣を取られたからか、それとも今までの借りがあるからか、闘士を剥き出しにする。

 そんな俺たちの目の前に現れたのは、獣の尻尾と耳を持つ。

 美沙だった。


「一人なのか?」

「こんな雑魚三匹相手に、隼人を出させる訳ないわ」

「とか言って横取りしたくせに」

「アナタ。ココロが幻獣の様に小さいのね。……失礼、人工幻獣だったわね」

「んなあっ!?」


 ああ、魔衣が珍しく怒ってる。

 おちょくられたこと怒ってる。

 というか、魔衣が人工幻獣だって事を知ってるのか。

 一体俺たちの事をどこまで知っているのか、もう少し話をするべきだった。


「ねえシュン。今すぐ切っていい? あの小娘燃やして灰にしていい? シュンが一言『殺れ』と言ってくれれば私は今すぐにでも……あ痛っ!」


 とりあえずチョップしとく。


「好きにもってけよ。その代わり名前くらい教えてくれ」


 恐らく美沙であっているだろうけど、改めて彼女の口から聞いておきたい。

 まあ横でおでこを抑えつつなにかを訴えている魔衣は放置プレイしておこう。


「篠田美沙……それが名前」

「わかった。俺の名前は――――――」

「知ってる、だから大丈夫」


 そう言って俺たちの事は気にせず、ナイフで幻獣の肉を剥ぎ取って食べているようだ。

 焼かなくていいのだろうかとか思ったけど、まあそこは気にすることじゃないか。


「じゃあ俺たちは旅館に戻るから」


 そう言ってワガママ言ってる魔衣を宥めながら来た道を戻ろうとする。


「アナタ達がいる間。ここの幻獣は私が引き受けてあげるから……」


 そう言う彼女の声が聞こえて振り返る。


「だからゆっくり休みなさい。あそこの旅館はおすすめ、だから……」

「おう、助かるよ」


 そう答える俺に、魔衣がまた反論するが、可愛そうだがそれもスルー。


「それともう一つ。……またお話しましょ? 春」 


 血だらけの口で、人差し指を唇に当てた彼女は、そう小悪魔笑みを浮かべて俺に言った。

 その言葉は、魔衣と言う蒼炎に油を注いだ。

 その日一日、機嫌を直してくれるまで、沙希と二人係でなだめた。

ご要望や意見、感想などありましたらどうぞ遠慮なく!

今後の改善や課題にしていきたいと思います!

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