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霧に覆われた森は月を見つける  作者: 華ノ月


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プロローグ 始まりの音



~プロローグ~


「一体何が起こっているの?!!」


「分からない!!ブレーキが利かないんだ!!」


 山の中を猛スピードで一台の車が駆け巡る。


 車のブレーキが利かなくて、くねくねと曲がった山道を焦りながら男が必死で運転しているが、車の速度はどんどん上がっていく。


 助手席に座っている男の妻も何が起こったのか分からず、パニック状態になりながら叫んでいる。


「くそっ!!どうしたらいいんだ?!!」


 男が車のハンドルを握りながら叫ぶように声を発する。


 その時だった。


「あなた!!前っ!!!」


 妻が前方のガードレールに気付いて叫ぶように声を出す。


 男はその言葉にハンドルを回そうとするが……。



 ――――ガッシャ――――ン……………!!!



 車がガードレールを突き破る。


「きゃぁぁぁぁぁ!!!」

「うわぁぁぁぁぁ!!!」


 車は二人の夫婦を乗せたまま一直線に落ちていく。


 そして、車が地面に叩きつけられる。


 その瞬間………。



 ――――ドォォォォォン………!!!



 車が火花を散らしながら車が大きな爆発音を立てて、辺りには黒煙が立ち上った。




***


「………これだな」


 ある場所で一人の男がある薬品を手に取り、そう小さく声を発する。


 そして、その薬品を鞄に忍ばせると、そのままそっとその場を離れていく。


 その男の動きを気に留めるものは誰もいない。




 一体夫婦に何が起こったのか………?


 男は何をしようとしているのか………?



 これは始まりの音………。



 そして、悲劇の幕がゆっくりと上がる……。





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