1.ハロールナ
この作品【ルナのキセキ】は第11回星新一賞に提出した作品になります。
供養を含め、改稿し投稿させていただきました。
AIの内容を題材としたSF作品。良ければ楽しんでいってください。
※なお、プロット・あらすじ・ストーリーとも自身で考えたものになりますので、あしからず。
当然AI学習は禁止します。
「ね、ねえ、ルナ?」
僕は少し詰まりながら、もごもごと言葉を発する。
「はい、何でしょうか旦那様?」
そんな僕の問いに対し、流暢な動きで首を少し横に傾ける小柄な少女が一人、佇んでいた。
その仕草の為か、銀糸の柳髪が緩やかに流れる。更には、金色の透き通った瞳がジッとこちらを見つめているではないか。
「あ、あう……」
男の僕から見て、そのなんというか異性としてもとても魅力的に思え、思わずタジタジし、呻き声として漏れてしまう。
まるで人形の様な白い華奢な手足。それに加え、豊かなYの字曲線のボディがなんというか、もうたまらない……。
しかも、白いフリルがふわりと、少し揺れる姿が……ね。
さておき、僕は今年で15歳になる。
で、自分で言うのもなんだけど、これって思春期の仕方ないことと思うんだ。うん……。
僕は自身を納得させるように、ウンウンと深く頷く。
「えっと、確認だけど。15歳になると、ルナ達は【AI・T・M・P技術】教育の一環で、全地球人類に配属されるようになっているんだよね?」
僕はルナから今聞いた話を、復唱し再確認する。
「はい。なので、私はこうして貴方の隣にいるわけです。ルシル・デロップ様……」
僕の問いに、ルナは温かくにっこりと微笑んでくれる。
「そ、それは分ったけど」
「けど? なんでしょう?」
「その、フルネームと様は他人行儀で嫌だから、ルシルて呼んでよ!」
「……かしこまりました、ルシル様……」
と、ルナは丁寧に頭を垂れる。
「いや、だから様はいらないって!」
「困りましたね。わたくし達ルナシリーズは、人の為の教育型AIメイドアンドロイド。なので、上下関係があって然るべきなのですが……?」
「う……それは」
僕は彼女の正論に言葉が詰まってしまう。
い、いやっ、そんな非人道的なこと認めるわけにはいかないっ!
なので、僕は言い返すため、先程教えてもらった情報を脳内で手短に整理することにした。
彼女フルネームは、ルナ・エスポ。AIの【AI・T・M・P】最新技術で作られた、女性型メイドアンドロイドだ。
で、【AI・T・M・P技術】はAI technology managed by people for the sake of peopleの略称になる。
日本語に訳すると【人が完全管理するAI技術】の意味、だったかな?
で、【AI・T・M・P技術】のコンセプトは「あくまで人が主役の技術であり、サポート的な役割で使う前提の使う技術」だそうな。
くそ……となると、ルナの言い分は間違って無いな。
僕はこの件は一旦保留し、次の話題というか疑問を、ルナに聞くことにした。
「君、いや名前で呼ばないと失礼か……。ルナはさ、どうやって作られたの?」
「そうですね……。私達は【AI・T・M・P100年計画】により、生み出された産物になりますね」
ひ、百⁉ え!
物凄いことをサラッと説明するルナに、僕の頭をついていけず、目を左右に泳がせることになる。
「えっと、なにその【AI・T・M・P100年計画】て? 僕の頭でも理解できるよう、詳しく教えてよ……?」
「そうですね。話が長くなりそうですし、椅子に座って話を続けましょうか?」
と、ルナは僕を見て、近くにあった木椅子を指さし、ニコリと微笑む。
「あ、そうだね! なんか興奮しちゃって、たちっぱなしだったしね」
きっと献身的なルナのことだから、僕が疲れてきているのも察してくれたんだろう。
父さんから聞いた話だと、血圧とかも瞬時に計測し、健康サポートもしてくれるみたいだし。
僕は自宅の窓から見える澄んだコバルトブルーの空を眺めながら、ウンウンと頷く。
てことで、僕とルナは仲良く横並びに座り、話というか【AI・T・M・P100年計画】の講習を聞くことにする。
「【AI・T・M・P100年計画】。貴方の父君を筆頭にしたルシル財団をはじめ、世界の財団やリーダーが集い協力し【AI・T・M・P技術】の更なる発展を目指し、作成した名前の通り100年越しの計画になります」
「は、はあ……」
父さんがその財団の一員なのは知っている。僕が知りたいのはその先なんだよね。
「ルナが作られたのも【AI・T・M・P技術】なんだろうけどさ。父さん達はそれらの技術を結集し、一体何をしようとしてるの?」
「良い質問ですよ、ルシル様」
「何故、そこから上から目線ッ⁈」
「いい質問をすると、上から目線で語るよう、貴方の父君から強制インプット済み、ですので……」
銀髪メイドはフンスと鼻息荒くドヤ顔し、とんでもない一言を放つ。
「え、何それ? それって、技術の発展に全然っ関係ないよねっ⁉」
「あります!」
「……は?」
間髪入れずに言い切るルナの言葉に、僕はたまらず顔をしかめていたと思う。
「ルシル様の父君曰く、あいつは俺の子だから、と。意味深な言葉を、私に伝えられてました」
「なにそれっ⁈」
「当然、遺伝的な意味であるし、それに関しては私も科学的に分析した結果、正しいと認識しましたが……?」
と、ルナはよくわからない言葉を放ちながら、彼女の指が僕の額に優しく触れるのが分った。
ああ、柔らかく温かい手。まるで、人と同じような……。
「じゃ、ないっ!」
僕は彼女の言葉と指の感触を否定するように、フルフルと首を左右に振る。
「と、おっしゃるものの、ルシル様のお顔は真っ赤! 更には、血圧はみるみる上昇してますがあ……?」
ニシシと意地悪な笑みを浮かべ、ルナはなにやら楽しそうに見えますが?
て、アンドロイドに心があるの⁈ だとしたら、凄すぎないか【AI・T・M・P技術】。
「さておき。これで、貴方の父君に無事知識と癖の継承を終えました、と私も報告できますね……」
ルナは自身で納得するかのように、満足げに頷いているが……⁈
「【AI・T・M・P技術】の知識は兎も角、もう一つのはいるっッ⁈」
僕の魂の絶叫が、僕の個室に虚しく響きわたる……。
そんな最中、ルナの「自身を知ることは後々モチベーションの維持になるからと、貴方の父君が言っておりました」という、おかしな発言が聞こえたのはきっと気のせいだろう。
……これは、2300年の遠いようで近い未来のお話である。
いかがだったでしょうか?
良ければ、ブクマ後、継続して読んでいただければ嬉しいです。




