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【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
第4章 Sランク冒険者ライとテオ、誕生!

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4-21.ライたち、Sランクとして初のスタンピード殲滅を行う

 本日も花巻温泉に引きこもって温泉三昧と執筆しておりました。

 なんとか3話書けましたね~。大スランプでまったく書けなかったのにこれだけ書けたのは久々でした。

「ライくん!テオくん!急なんだけどスタンピードが発生したようなんだ!すぐに出れるかい!?」



 その日の朝、ボクたちはレートさんの声が目覚ましになってしまった。


 どうもここからすぐ北のイナで小規模のスタンピードが発生したらしいんだ。他のSランクのみんなはそれぞれ討伐に出ちゃってるので、ボクたちだけで今回は対応することになりそうだね。


 イナはボクも訪れた町だから、これは放っておけないよ!



「レートさん!詳しい状況ってわかりますか!?」


「昨日の夜に魔獣の襲撃があったらしい。ただの襲撃よりも数が多すぎておかしいと思ったようだね。すぐに伝書鳥をこっちに向かわせたそうだよ」


「昨日の夜···。イナは先日の魔獣の襲撃で壁が壊されていたはずだから、これは早くいかないと!テオ!行くよ!」


「おう!さすがに守った町がやられるのは見過ごせないからな!」


「ライくん、テオくん!気を付けてね!」


「はい!レートさん、いってきます!」



 ボクたちは宿から文字通り飛んでイナへ向かったんだ。状況からして襲撃から10時間程度経っちゃってる···。被害が出ている可能性が高いよ!



 テオの高速飛行魔法で飛んでもらって20分ぐらいで到着した!やっぱり火の手が上がっている!


 テオは通常飛行に戻して町の上空をぐるっと旋回してもらって状況を確認した。やっぱり町の中に魔獣が入り込んでいたんだ!数は···、300体前後!?


 小規模だけど、町の中に入られてしまったらこれは厳しい!壁の外なら大規模殲滅魔法を使えばあっという間に終わらせられるんだけど、町中では使うことはできないんだ。これは時間がかかりそうだし、被害も拡大しそうだ!



「テオ!このまま避難所へ向かって!そこから二手に分かれて討伐しよう!この状況じゃあ、手分けしたほうがよさそうだよ!」


「おうよ!」



 一度助けた町だからね。ある程度は知り尽くしてるよ!テオは迷いもなく避難所に着陸した!



「あっ!?キミたちは!?」


「話はあとで!ここからはボクたちも助太刀しますよ!秘技!疾風迅雷!!」



 兵士さんたちに話しかけられたけど、今は話す余裕なんてないんだ!目の前の魔獣を倒すのが最優先!そう思って技を繰り出した!


 テオも町中では強力な魔法は撃てないとわかっているので、竜モードの状態で爪で魔獣を切り裂いていった!



「た、助かったぁ~!」


「またキミたちに助けられたな!Sランク冒険者を至急呼ぶとは聞いていたんだが···」


「あ~。その···、ボクたちがSランクになっちゃったんです···」


「えっ!?そ、そうなのかい!?」


「はい。ですから、ここからはボクたちも頑張って町中の魔獣を討伐していきます!皆さんは避難所の守りを固めておいてください!」


「わ、わかった!気を付けるんだよ!」


「はい!それじゃあテオ!そっちはよろしくね!」


「おう!任せとけ!」



 ボクは魔獣が多そうな場所へ向かった!もちろん、道中の魔獣は見かけたら倒しておくよ。魔獣レーダーを見ていると、テオがいる場所からどんどん魔獣の反応が消えていくのがわかった。今日は竜モードでやってるから、大通りを中心に攻めているようだね。


 問題は魔獣同化能力者がいるか?って事だ。前回のように人間状態だと魔獣レーダーには反応せず、同化(アッシミレーション)をしたら反応するからね。とりあえずは魔獣の討伐が最優先だ!



 30分程度で半分近くを殲滅できた!今回はそんなに強力な魔獣はいなさそうだった。弱い魔獣の群れ···、かな?


 ただ、何かから逃げ出しているような感じもしたんだ。普段と様子がおかしいぞ···?


 そう思ってると、どうも町の外に大きな魔獣の反応が現れたんだ!もしかして、こいつから逃げてきた···?テオにもちーむッス!で情報共有しておこう!



「テオ!町の外に強力な魔獣が出た!たぶん町中の魔獣はそいつから逃げてきたんだと思う!」


『そういう事か!そいつはまだ壁まで距離あるのか!?』


「あと5分ぐらいで壁にたどりつきそうだよ!ボクの方が近いから、先に行こうか!?」


『だったらオレは道中の魔獣を倒しながら向かうぜ!』


「了解!現地で合流しようね!」



 先行でボクが向かうことになった。もちろんボクも魔獣を倒しながら壁へ向かった!


 そして身体強化魔法で壁を跳び越えた先には、大型の巨人の魔獣がやってきていた!壁の高さと同じぐらいだよ!?手には棍棒っぽい武器を持っていた!


 このまま壁を殴ったら壊されそうだ。ボクが注意を引き付けて町から離さないとね!



「ファイアーランス!」



 まずは火の槍で巨人の顔をめがけて撃ち込んでやった!当然腕で防がれちゃったけど、これでボクに気づいたよ。



「グガァアアアアーーー!!」


「ほらほら!こっちだよーー!!」



 どうやら挑発が効いたようだ。まっすぐボクが逃げる方向へついてきてくれたよ。ボクは森の中へ巨人を誘導してやった。森の中なら木で見通しが悪いから隠れやすいしね!


 さて、ここからはボクの雷魔法を魔力剣にありったけ込めて、巨人に立ち向かおう!あれだけ大きいと普通の攻撃では効かないだろうからね!


 今日使う技はアキさんも使ったことのある雷魔法の応用だ。アキさんはこの魔法を拳に込めてぱーんち!で敵を攻撃したようだ。今回はその魔法を魔力剣でやってみるよ!


 巨人はボクを見失ってしまったようで、森の中をうろちょろし始めた。そのスキにボクは巨人の背後に回り込んで思いっきりジャンプ!そして!!



「ひっさーーつ!雷熱剣!!」



 ザクッ!!ジューーーー!!



「ギャアアアアーーー!?」



 ボクの魔力剣が巨人の首元に突き刺さった!その直後、巨人の体全体から煙が出て体の中から焼いていった!!


 そう、この魔法はグランドの町の門の加工で使用した高周波焼き入れと同じ魔法だ!表面だけ強烈に熱してしまうこの魔法は魔獣にも有効だろうなぁ~って思ってたんだよね。特にこういった巨大な魔獣にはかなり効果は抜群のようだった!



 ズシーーーン!



 ふぅ~。思ったよりあっさりと倒せちゃったなぁ~。ここまで有効だったとは思わなかったよ。そう思っていると、テオが飛んでやってきた。



「ライ!···あ~、もう終わっちまってたかぁ~」


「テオ!ボクの新必殺技が思った以上に効果あったみたいでね」


「それも遺産の知識か?」


「そうだね。ボクなりに応用してみたんだけどね~」


「さすがだな!さて···、まだ町中には魔獣がいるようだけど、続きをやるか?」


「もちろん!昼過ぎまでには終われそうだね」


「そうだな。でも、弱い魔獣だからって油断するなよ?」


「わかってるよ。さあ!続きをやろうか!」


「おう!」



 こうして今回の小規模のスタンピードは殲滅することができたよ。今回は魔獣同士の争いで逃げてきた魔獣たちがたまたま町を襲ったようになってしまったようだったね。こういうスタンピードもあるんだなぁ~って思ったよ。


 そして、魔獣同士でも縄張り争いはあるようだね。一貫して人を襲うだけだと思ってたボクとしては、今回の状況は驚くべき事だったんだ。そんな事はしないだろうって思いこんでたからね。いい勉強になったよ。

 本作ではスタンピードが結構多く発生しています。

 他作品ではまれに発生する災害級ではありますが、本作では日常茶飯事とまではいかないまでも、頻度が非常に多いんです。

 というのも、魔獣自体が多すぎて人類の生存圏が極端に狭いというのが要因だというのはここまでお読みいただければご理解いただけると思います。


 さて、他作品でもそうですがスタンピードの発生要因として多いのは


・その地域(ダンジョン含む)での生息許容数を超えて魔獣がいてあふれ出したもの

・より強者の魔獣から逃げるために集団として移動すること

・他者の意思(魔法)によって誘導されて発生する


 が多いんじゃないでしょうか?もちろんほかにもあると思いますが、作者がいろんな作品を読んでてこの3パターンが多いと思っています。本作で最も多いのは一番最初のパターンですね。

 今回は2番目のパターンを使って書いてみました。ということは3番目のパターンも今後発生するかも?しれませんね。まだそこまで書いてないんですけどね。


 ライくんはどんどん新必殺技を作っていますね~!賢者の遺産の知識を活用した基礎はだいたい定着しましたので、次は応用へってところですね。今後も新必殺技が増えていきますのでご期待ください。考える作者は一番頭の痛いところなんですけどね(笑)。


 さて次回予告ですが、第4章完結ということであの世からアキくんとリオくんがライくんの活躍を見て感想を言う回にしました。これまであとがきっぽく抱き合わせでしたが、ここからは1話独立でお届けします。が!あんまり内容が少ないんで、本作でもっとも短いお話になってしまいました。抱き合わせると多すぎるんです。どうぞご了承ください。


 明日で第4章完結のため、朝に本編を投稿し、夜にネタバレ集を投稿します。お楽しみに~!

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