4-14.ちょっとスタンピード狩りに行こうぜ!(サム編前編)
「よお!ライ、テオ。今日暇か?」
朝、ボクたちの部屋にまたしてもサムが勝手にカギ開けて中に入ってきたよ···。ホント、デリカシーないなぁ〜。
「おはよう、サム。暇と言えば暇だけど?」
「じゃあさ、ちょっとスタンピード狩りに行こうぜ!」
「···それって気軽に言える話じゃないでしょ?ジェネさんとレートさんに言った?」
「一応な。ライたちの実力はこの前見たから、今度は実戦での本気をみたいなぁ〜、って言ったらOK出たぜ。報酬は半々でな!」
「一応テオにも聞いてみるよ。ちょっと待ってて」
今日はサムと一緒にスタンピード退治に行くことになったよ。
スタンピード退治は規模に応じてSランクの出動人数が変わるんだよ。小規模なら単独、大規模なら全員だ。
今のところ、小規模についてはボクとテオで対応している。基本的に大規模殲滅魔法とテオのブレス、ドラゴンキャノンを撃ち込んでから兵士さんたちと一緒に各個撃破に移る。
今回はサムと一緒って事で、そこそこ規模が大きいようだ。今回初めてほかのSランクの人とお仕事だよ。
ということは、サムの戦いも見れるって事だね。見る余裕あるかはわかんないけどさ。
今回の場所はフランシスという町だそうだ。レクトから南西に行った先にあるそうで、魔獣が最近非常に多く発生していて、しかも見慣れない魔獣が多くなっていて、スタンピードの兆候があるとのことでの要請だ。
「お〜!?やっぱりドラゴン族で飛んでもらったら速いし楽だなぁ〜!」
「サムはコルメやトルムさんにも乗せてもらうことってあるの?」
「チーム組む時はな。どうしても遠方だと飛べるドラゴン族がいないと間に合わないからなぁ〜」
「確かに。それで今回のスタンピードって、規模は大きいの?」
「6000前後かなぁ〜?まだ到達してないみたいだからな」
「7000ぐらいはボクも前にやったけど、あれはホントにしんどかったよ···」
「ライとテオでそんなにやったのかよ!?よくやったなぁ~」
「あの時は必死だったからね。あの手この手とやって魔獣たちの自滅も誘ったなぁ~。おかげでそのあとしばらく寝込んじゃったし」
「そりゃそうだろ。どう見てもムリしてるんだからな。···おっ!?見えてきたぜ。あそこがフランシスだ」
前方にそこそこ大きな町が見えてきた。周囲は太い木の柵で囲われているね。町の入口は多くの兵士さんたちがいて、警戒態勢を敷いていたよ。テオは兵士さんたちから少し離れた位置に降り立った。すぐに1人の兵士さんが駆け寄ってきたよ。
「おお!サム!久しぶりだな!そっちの2人は?」
「よお!こっちはライでこのドラゴン族はテオだ。2人ともSランク冒険者だ」
「エ、Sランク!?それじゃあ!?」
「ああ!スタンピードはオレたちに任せな。あんたらは後方で支援してくれればいい」
「わかった!助かるよ!」
サムが話をつけてくれて、ボクたちは町の門の近くの詰所に案内された。ここがボクたちの休憩場所にもなるみたいだね。案内してくれたのはこの町の警備隊長さんだったよ。
ただ、ここの人たちはどうもサムの事を知ってるみたいだね。きさくに話かけられてるんだよ。
「しかしサムたちSランクが来てくれるとは···。Aランクを派遣してくれると思っていたのでね」
「まぁ、オレたちも手が空いてれば出動はできるからな。特にスタンピード相手はA以下だと無駄死にしかねないからな」
「そうだな···。ここにいたAランクだけでは太刀打ちできそうになかったというのもあったから」
そんな話をしているその時だった!ボクのスマホの魔獣レーダーに大量の反応があったんだ!
「サム!来ちゃったみたいだ」
「もう来たか~。そんじゃ隊長さん!オレらがほとんどを殲滅するが、残った瀕死の魔獣の処理は頼むぜ!」
「わかった。気を付けてくれ!」
ボクたちは門の外に出ると、門は固く閉じられた。兵士さんたちは柵の隙間から寄ってきた魔獣を槍で攻撃するようだ。
「そんじゃライ!まずはオレが中央でひと暴れしてくるからな!おそらく魔獣の侵攻は左右に分かれる。それを頼めるか?」
「うん!ボクとテオで別れて迎え撃つよ!」
「こっちも任せておけ!」
「よーし!そんじゃあ行ってくるぜ~!分身の術!『双葉』!」
サムがそう叫ぶと、なんとサムが8人に増えちゃったよ!?どうなってるのさ!?しかも全員トランス状態になって、目が金色に光ってるよ!
「「「「さ~て!そんじゃあ一気に片づけるか!秘技!弦月斬!十六夜!」」」」
8人になったサムが斬撃を飛ばした!しかもこの十六夜はボクが2回斬撃を放つ『二重』よりもさらに多く斬撃を連続して撃ち出していた!威力も普通の弦月斬よりも強力で、次々と魔獣を切り刻んでいった!
中央でサムが大技を使ったので、サムの予想通り魔獣の集団が左右に分かれた!左はボクが、右はテオが担当するよ!
よし!それじゃあボクが使う大規模殲滅魔法はこれだ!!これも遺産の知識にある必殺技で、ボクなりにアレンジしてみて使ったら思いのほかよかったんだ。
魔力剣に雷魔法を込める!刀身が青白く輝き始め、さらに込めれるだけの雷魔法を注ぎ込んだ!そして魔獣の群れに突っ込んでいって必殺技を放った!
「いっけーーー!雷竜剣!!」
バーーーン!!ドーーーン!!
ボクが魔力剣を地面に突き刺すと、周囲の地面が青白く光り、その地面を踏んだ魔獣は全員感電した!電撃でしびれて動けなくなったところに地面から巨大な雷の竜が口を開けて魔獣たちを飲み込み、天に上る!そして上空で大爆発を起こした!!
周囲には黒コゲとなった魔獣たちが落下していった。もちろん、ボクの真上には落ちてこないようになっているんだ。最初開発した時は落ちてきた魔獣の下敷きになっちゃって、テオに助け出してもらったのは今ではいい思い出だよ。
この必殺技、かなりの魔力を消費するけど、効果範囲が非常に広くて魔獣1体あたりに換算したらすごく魔力消費量が少ないんだ。だから最近はこの技を結構使うようにしているよ。
一方のテオはボクが以前使った大規模殲滅魔法であるアイスペタルダンシングで襲い掛かってくる魔獣の群れを切り裂いていった!そしてトドメはやっぱりこれだった!
「いっけーー!ドラゴンキャノン!!」
ズドーーーーン!!
「ふぅ~!やっぱり何度も使ってるとコツがつかめたような感じがするぜ!」
サムはというと、軽く飛行魔法を使って空中から···、
「「「「大奮発だぜ~!暗殺技!魔力手裏剣!!それそれそれ~~~!!」」」」
魔力を変わった形にして魔獣に向けて大量に放っていった!
···なんか楽しそうにやってるなぁ~。見た感じ、サムはかなり大量に魔力を使ってるんだけど、全然尽きる気配がないんだよ。これもトランスのせいなのかな?
その後も1時間ほど戦闘が続いた。そして無事殲滅完了したんだ。隊長さんはじめ、兵士さんたちのやることは結局なかったよ。
「す、すごい···。これが···、Sランク···」
「ま、今回は楽な方だったな!それなりに楽しめたぜ」
「サムはすごいなぁ~。どうやってるのかわかんないよ」
「そういうライもとんでもねえ技使いやがるじゃねえかよ?あんな技あったなんて知らなかったぞ?」
「この前できたばかりだからね。テオもドラゴンキャノンうまいこといったね!」
「おう!やっぱりこれも練習して経験しないといけないな!」
ボクたちの会話を呆然として兵士さんたちは聞いていました。なんか···、住む世界が違う!って目をされてるような気がするのはボクだけ?気にしちゃいけないのかなぁ~。
でも、みんな感謝してくれたよ!
今回からはほかのSランクメンバーと一緒にスタンピードを相手に戦う様子をお届けしていきます。
まずはサムくんですね。前作のハルちゃんの暗殺技がさらに進化していますよ~!一部スマホ内のアニメの影響もあるんですけどね。
一方のライくんもいろいろと新必殺技を考案しています。今回の必殺技を試したシーンというのは書いてはいないんですが、ライくんとテオくんもほかのSランクのみんなの影響を受けていろいろやってるんですよ。
さて次回予告ですが、スタンピードを殲滅したサムくんはこの町でのんびりサボろうとします。どうもこの町はサムくんがサボるのに適しているようですね。町の人たちもサムくんには非常に好意的なんですよ。そんなほのぼのとした様子をお届けします。
それではお楽しみに~!




