3-10.魔力剣に魔法を込めてみると!?
レクトの国が東にあると聞いてテオに乗って飛んでたら···、また迷子になっちゃいました···。
特に慌てていく事もないか!と思って近くの町を探していたんだけど、まったく見当たらなかったんだ。そこで、テオが夜になったら町の明かりでわかる!って言ってたら、その明かりを見つけたんだ!どんなところかはわからないけど、とりあえず向かうことにしたんだ。
「···ん?ライ、なんか様子が変だぞ?」
「え?変って?」
「町の明かりにしては明るすぎないか?」
「そう言われれば···」
「ちょっと急ぐぞ!もしかすると、火事かもしれない!」
「わかった!」
テオの予感は当たっていた!近づくにつれて煙が見えてきたんだ!ただの明かりじゃないぞ!?
町が見えてきた!あれは···?魔獣!?壁が破られて町に入られてる!?
「テオ!町の中に降りて!」
「わかったぜ!」
ボクは魔獣レーダーを確認した!数十体入り込んでしまってるようだ!町の外には魔獣はいない。ということは、今入り込んでいる魔獣を倒してしまえばいいね!
ボクはテオに指示して最も数が多い場所に降りてもらうように誘導した!そこでは兵士さんたちが必死で魔獣に立ち向かっていた!
「テオ、先に行くね!」
「おう!一人で大丈夫か?」
「もちろん!って言いたいけど、どんな強さかわかんないから、早めに合流してね!」
「わかったぜ!とりあえず避難しているところの魔獣を叩いておくぜ!」
ボクはテオから飛び降りた!真下には魔獣がいるね!クッション代わりになってもらうよ!!
ドーーーン!!
「なあっ!?新手か!?」
「秘技!螺旋斬!!」
驚いている兵士さんを放っておいて、ボクは周囲の魔獣を掃討した!あっという間に周囲の魔獣をボクが倒しちゃったので、兵士さんたちは呆然としていたよ。
「ふぅ~!兵士さん、大丈夫ですか?」
「···え?あ、ああ···。キミはいったい···?」
「旅をしていて、たまたまここを通りかかりました!Cランク冒険者でもありますよ!」
「えっ!?Cランクだって!?」
「信じられないかもしれませんが、説明してる時間がありません!どこの魔獣を倒せばいいですか!?この町のことをよく知らないんです!」
「だったら、ここを右に行った先に住民が避難しているんだ!そっちに向かった魔獣をお願いできるか!?」
「わかりました!···あっ!これかけておきますね!」
ボクは行く直前に兵士さんたちに回復魔法をかけておいた。これで兵士さんたちはまだ戦えるはずだ!
「ちょ!?こ、これは!?」
「キズが!?痛くなくなったぞ!?」
「これで大丈夫ですね!それじゃあ!」
「ちょ!?···気をつけてな!ありがとう!」
ボクは走って兵士さんが言った方向へ向かう。道中の魔獣は見かけたら倒しておいた!そして避難所と呼ばれていた建物の前では多くの魔獣が兵士さんたちと交戦していた!しかし、兵士さんたちがたくさん倒れていたよ!これはさすがにマズいね。
「助太刀します!ボクが相手だ!!」
「なあっ!?子ども!?危ない!!」
「大丈夫です!秘技!疾風迅雷!!」
ボクは一気に加速して魔獣の群れに突っ込み、一体一体に一閃していった!これでいいね!全部倒しきれたよ。
「ふぅ~!これでここは大丈夫ですね!皆さん、ボクはCランク冒険者です。たまたまここを通りがかったので助太刀しました」
「し、Cランクだって!?こんな子どもが···。信じられんが、この状況を見ると納得せざるを得ないな···」
「まだ魔獣がいると思うんですけど、他にはどこへ行けばいいですか?」
「あ、ああ···。だったら···、役所へ行ってくれないか?町の中心部にあるんだ。魔獣たちもそこへ向かってたと思うんだ···」
「わかりました!それじゃあ!」
「ちょっとキミ!助かったよ!ありがとう!」
次は役所だね!急ごう!すると、役所前ではテオが頑張っていたよ!
「テオ!」
「ライ!ちょっとこっちはキツイぜ!」
「わかった!じゃあ、ここでボクが考えた必殺技を使うよ!」
そう、必殺技!この前ちょっと思いついたんだよね~。魔力剣は魔力を込めたら刃が出るんだ。だけど、魔力剣に魔力じゃなくて『魔法』を込めたら···!?その答えがコレだ!!
「はぁああーー!雷光剣!!」
「おっ!?ライ!?そんな事できるのかよ!?」
「ぶっつけ本番だったけど、できちゃったね!これならいけるかも!」
そう、雷魔法を魔力剣に込めたんだ!いつも緑色の刀身なんだけど、今は青白い刀身で、バチバチ放電してるぞ~!
「それじゃあいくよ!秘技!紫電一閃!!だぁああーーー!!」
ボクは斬撃を飛ばす弦月斬を雷光剣で放った!雷属性が乗った斬撃が魔獣の群れに直撃し、次々と切り裂きつつ、放電によって黒コゲになっていった。
かなりの数を減らすことができたね!これならもうちょっとで撃退できるかな?そう思ったその時だった!
「ん?ライ!伏せろ!!」
「えっ!?うわっ!!」
ドカーーーン!!
ボクの真上を何かの魔法が飛んでいった!その直前にテオが気づいてボクの上に覆いかぶさるようにしてボクを押し倒したんだ!
「イテテテ···。テオ、ありがとう」
「間に合ってよかったぜ···。しかし、魔獣が魔法を使ってきただと!?ここにいるヤツらにはそんな強力な魔獣はいなかったはずだぞ?」
テオが疑問に思っていると···、
「ほう?今のを避けたか。なかなか勘が鋭いじゃないか」
誰だ!?しゃべってるって事は···、魔獣じゃない!?そう思って立ち上がると、魔獣たちの前に一人の男がいつの間にか立っていた!
「テメェ···、何者だ!?」
「ほう···?貴様、よく見たらドラゴン族か?これは珍しいところで出会ったものだ···」
「ドラゴン族を知ってるだと···。ただものじゃないな?」
「そうだな···。普通の人間ではない···。とでも言っておこうか?」
「···は?それはどういう意味だ?」
「そのままの意味だが?···もしかして、この程度の言語も理解できないほどバカなのか?」
「なっ!?」
「待って!テオ!···あなたはボクたちの敵ですか?どうしてあなたを魔獣は攻撃しないんですか?」
「···ほう?貴様、タダのガキじゃないな···。ん?その右手に持つのは···、ほう?まさかこんなところで神々の遺産持ちに出会うとはな!」
「···なるほど。あなたも持ってるんですか?」
「いや、そんなものは持ってはいないが、それとは別の力は持ってはいるがね。さて、お互い、詮索はここまでとしようか。そろそろオレも目的を達成せねばならんのでね!」
「目的···?」
「そう!『人を食らう』ことさ!!」
「なあっ!?」
「なんだって!?」
「最初はまずそうな住民どもをと考えていたが···。貴様らのほうが美味だろう!おいしくいただくぞ!!」
なんだこいつ!?人間が人を食べるだって!?冗談じゃないぞ!!こんなヤツにおいしくいただかれてたまるか!!
魔力剣は魔力を込めて刃を出す神器です。魔法も魔力なので、このように属性を持った剣として顕現させることも可能なんですね。
これによって攻撃方法も一気に多彩になりますよ〜。考える作者が大変になってきますが···。
さて次回予告ですが、魔獣の味方をしつつ、さらに魔獣と同様に人を食らうという人物が登場しました!ただの人でもなく、とてつもない力と速さでライくんたちは窮地に陥ります!
しかも奥の手までありました!いったい何者なのでしょうか?
それではお楽しみ〜。




