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前編 ドキドキ!

初投稿で参加するってね、舐めてるよね。

初投稿です。

グロはないはず。

そこまで怖くもないはず。

ゆるーくやってますから。

見てこの前書きのやる気のなさ。

そういうことですよ。

これは短編ですがおまけがつきます。

2話完結です。たぶんね。

 七月の下旬、私はとある場所を訪れていた。

 裏野ドリームランド。それは私達の思い出の場所であり、約束の場所でもあった。

 10年前の今日、遠くへ引っ越してゆく私に、後輩であり一番の友人でもある八重子は、「10年後の今日に、またここで会いましょう」と言ってくれた。だから私はここへ来た。

 また八重子と会い、昔、共に馬鹿騒ぎした二人でこの遊園地を歩くのだ。しかし、この裏野ドリームランドはどういう訳か、閉園してしまった。それでも八重子はここへ必ず来ると信じて待っていると、「先輩?」と聞き覚えのある声が背後から聞こえてきた。

 八重子だった。

「やっぱり来てた…良かったぁ。」

と安堵する彼女に、私は笑いかけた。

「久しぶり、八重子。約束、果たせなかったね。」

「ええ。閉園しちゃいましたからね。」

寂しそうな顔でそう言う八重子に、私は中学時のようないたずらっぽい笑みを向け、

「立ち入り禁止って書いてるけど、入ってみようよ」

 と言う。すると先程まで曇っていた表情は何処へやら、好奇心旺盛な犬のように目を輝かせている。

 そんなやり取りをしながら、私達は廃園となった古くはあるがまだ綺麗にか保たれている裏野ドリームランドの中へと入っていった。


「そういえば。先輩、ここが閉園しちゃった理由を知っていますか?」

 この寂れた遊園地を歩きながら、彼女はポツリとそんな事を呟く。

「なにそれ、知らない。」

「じゃあ、ここにまつわる怖い話は?」

「ああ、あの観覧車から聞こえる声とかの?たしか、ここに来ていた子供の失踪、観覧車から聞こえる声、正体不明の影…だっけ」

 そんな噂もあったなとぼんやりと思い出していた私は、

「でもそれってただの噂でしょう?どうして今更そんなことを…」

 と八重子をみる。

「あれ?」

 先程まで一緒に話していた八重子が見当たらない。

 この廃園の中に、私は一人ぽつんと立っていた。

 彼女の名前を呼ぶが返事はない。

 その時、「あの」と背後から声が掛かった。その声は八重子のものではなく、男のものだった。驚きながらも振り返り「何か?」と言う。

 彼はもごもごと何か呟き、ぎこちない笑みを浮かべて

「いや、ここに来る人、珍しいなと思いまして。」

 とぼそぼそとした声で言う。

「ああ、ここ、昔引っ越す前によく友人と来ていたんですよ。閉園しちゃいましたけど、久しぶりにその友人と会いまして。」

「その友人は?」

 そう言い、あたりを見回す彼に、私ははにかんだ笑みを浮かべる。 

「実は逸れてしまいまして。」

「それは大変だ。僕もここに用事があって来たので、ついでに探しましょうか?」

 私は最初は遠慮していたが、彼は暇だからとついてきてくれた。

 彼は岡本晶と名乗った。彼は昔ここでアルバイトとして働いていたらしく、閉園した今でも、時々ここへやってくるらしい。

「岡本さんはどうしてここに?」

「そうですね、西島さん、昔、この遊園地であった事故をご存知ですか?」

「友人に聞きました。詳しくは、わかりませんけれど。」

 私がそう答えると、彼はゆっくりと観覧車の方を見た。

「実は、妹がその事故で。それで今日、妹の命日なのでこれを置きに。」

 と花束を見せて来る。よく見れば至る所に花束が置かれている。私はあまり聞かないほうが良かったかなと少し後悔する。

「あはは、そんな暗い顔にならないで下さいよ。僕まで辛くなってしまうじゃないですか。」

 相変わらず笑みを浮かべながらそう言う岡本さんに、

「岡本さんは、妹さんを亡くして辛くはないんですか?」

 と私が俯きながらそう言うと、彼は黙り込んでしまった。

 顔を上げて彼を見ると、その表情には、先程まで絶えなかった笑みが消えていた。私を見て固まっている。

「どうしてそんなことを…」

 その声はどこか悲しそうで、なんだか疲れきった様子だった。

 メリーゴーランドが見えてくる。。そこに八重子がいた。

「西島さん?何処にいくんですか?」

 私は早く八重子を連れ戻したくて、走り出す。その後を岡本は追いかけてくる。

「八重子が、友人が」

 私はそう言った。

「なにを…」

 私がメリーゴーランドの側まで辿り着いた時、彼女の姿はなかった。振り向くと、先程まで一緒にいた岡本の姿もない。

「八重子?岡本さん?」

 全てが歪んだメリーゴーランドは、ずれた音楽を鳴らし回り始める。その中央には汚く色褪せたうさぎの人形が立っていた。

 ゆっくりと、それは歩み寄ってくる。その手が、私の頬に触れる。

「西島さん!」と、彼の荒らげた声でメリーゴーランドはぴたりと止まり、うさぎの人形のいた所には、岡本の姿があった。

「どうしたんですか?急に走り出したり、ぼうっとしたり…」

「うさぎの着ぐるみが。」

 私は呟く。

「え?」

「今、メリーゴーランドが回って、うさぎの着ぐるみが…」

「メリーゴーランド?」

「いや、多分私の気のせいです。ごめんなさい。」

 内心不気味に思えたが、私は平常心を装い、「行きましょう」と歩き出す。

「西島さん、うさぎの着ぐるみって?」

 歩きながら、怪訝な顔で私を見てくる彼に、「本当に私の気のせいなのよ。」と呟いた。そうする事で彼にも自分にも思い込ませようとしていた。

 先程まで明るく振る舞っていた彼に、もう笑みは見えない。何かを考えているような、そんな素振りを見せる。


 すぐ先にあるジェットコースターの下に、あのうさぎの人形が走り寄って行くのが見えた。それは何か液体を撒き、火のついたマッチを落とす。その途端、ジェットコースターには火の手が回り、とうとう爆発した。

 その燃え盛る炎の中を、人影が踊るようにして蠢いていた、苦しもがく人影たちにそのうさぎの人形は背を向け、観覧車の方へと向かっていった。

「消防車…早く消防車を呼ばないと」

 そう携帯をだし、彼を見ると彼は私の事も、その火の事も見ていなかった。そのままジェットコースターの方へ向かっていくのだ。うさぎと同じように、観覧車を目指して。

「岡本さん?」

 私は立ち止まる。彼はそのまま歩き、少し離れた所で私がついてきていないことに気付き、振り向く。

 彼はそのまま叫んだ。

「いい加減にしてくれ…一体何がしたいんだよ!僕が、俺が苦しむ事を笑っているのかよ!!何で今!お前にそれが見える!」

 彼は私の元へ向かい、突き飛ばした。私はその勢いで転倒する。

「俺が、俺が何をした。俺は八重子を救おうとしたんだ。そうだ。俺は悪くない。」

 彼の姿はあのうさぎの人形となっていた。花束は地面に捨てられ、彼は私を殴り、そのまま無言で私を睨む。

 悪くないんだと繰り返し呟く。その間も炎は大きくなり、人影は悲鳴を上げて逃げ惑う。そんな中、八重子は観覧車の下に立っていた。

 私は八重子と叫んだ。

 岡本はそちらを見る。

「八重子?八重子なのか?」

 ぼそぼそと呟き歩くうさぎの人形に、八重子は笑いかけている。

 彼は走り出す。私もよろめきながら彼についていく。

「八重子!」

 と名前を叫び、走り寄る彼は横たわる八重子を抱きしめようとしていた。しかし、彼が八重子の元へたどり着く前に、燃えたゴンドラが彼女めがけて落下する。

 八重子は彼に何かを言う。その瞬間、彼女の姿はゴンドラに隠れて見えなくなった。

 岡本は悲鳴をあげ、そのままへなへなと座り込む。

 私はその光景を見て凍りついた。

 はっとして、花束を拾い、彼の側に行く。殴られたことも、もうどうでも良く感じていた。

 八重子は死んだ。いや、八重子はとっくに死んでいた。

 

 辺りを夕日は照らしていた。

 炎は消え、八重子も、先程まで綺麗に保たれていたあの遊園地は、先程よりも黒ずみ、ほとんど崩れていた。ジェットコースターは骨組みだけを残し、観覧車にはいくつかゴンドラが消えていた。辺りには沢山の花束が添えられており、私は崩れ落ちたまま動かない彼に花束を渡す。

 彼の姿も着ぐるみではなく、ちゃんとした人のものだった。

 これがこの遊園地の本当の姿だった。

 私はずっと幻覚を見ていたのだろうか。

 何故、今まであの日の事を忘れていたのだろう。

 彼はゆっくりと萎れた花束を受け取り、観覧車のすぐそば、消えた彼女の元へ置いた。

 私達だけしかいない、広く、静かな園内で、どこからか聞こえてくる蜩の声と、彼の嗚咽だけが私の頭の中に響いていた。


まさかの展開ね。

意味分かんない。

初投稿なので勘弁。

ってか公式の設定無視しすぎでしょ。

ありがとう御座いました。


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