裏野ドリームランドのヒ・ミ・ツ!?
この話は前編のドキドキ!を読んでから読む事をおすすめします。
見たくなければ見なくても良いですけれど。
今回ちょっとだけグロあり。
ふざけた名前ですみません。
僕は昔、この裏野ドリームランドで働いていた。その仕事は、表では着ぐるみで子供たちに風船を渡して喜ばせること、その裏では、リストに載った子供を、地下へ連れて行くことだった。
中学三年生の頃、親はどういう訳か、僕と八重子を捨てて家を出て行った。
幸いお金はおいて行ってくれたが、それもすぐに尽きてしまうだろう。
働かなければ、生きていくことができない。
八重子にも苦労はかけたくないと、見つけたのがこの仕事だった。
最初はただの着ぐるみを来て風船を上げる仕事だと思っていたがそうではなかった。
ある日僕はリストを渡された。そしてとある場所へ連れてこられた。
それは牢獄だった。中では八重子と同じぐらい、それより幼いかもしれない子供が2、3人程入れられていた。
僕と目が合ったとき、「出して」と少年は言った。僕は胸が苦しくなった。それと同時に、自分がこれからすることは、こういうことなのだと理解した。
僕は一ヶ月に2、3人そこへ連れてゆくことで裕福になった。
ある日、牢屋から被検体が逃げたと言う報告があった。
彼らはアクアツアーの近くにいた。くっつけられて、ぐちゃぐちゃにされて異型になったそのもう人ではない子供を、連れて帰ろうとする。
「ママにあいたい」そう言ったとき、僕はなんとも言い難い気分になった。
「そう、君は愛されていたんだ」総つぶやき、小さなひ弱な子供を掴んで引きずる。痛いとそれは泣きわめく。それを聞くと、僕の心の霧は晴れてゆく。
それから脱走するものは全てアクアツアーから見つかった。
捕まる度に皆帰りたいと、そう言った。
僕だって帰りたい。あの頃に。
親と会いたいとそう言った。
僕だって、愛されたかった。
それからだんだん、僕は子供の苦痛に歪む顔を、泣き叫ぶ声を聞くことに快楽を覚えていった。
ドリームキャッスルで楽しむ人々の下では、子供の悲鳴が飛び交う。僕は連れて来る度にその声が聴こえる。
「頭が、おかしくなりそうだ。」
もうおかしい。僕は狂っていた。
八重子がちゃんと大学に行くまでは、ここで稼がないと。それが僕がこの仕事を辞めなかった理由だ。
高校に行かなかった者が、まともな仕事につけるとは思えなかった。このアルバイトは、給料も仕事の出来具合によってどんどん上乗せさせられていく。
捨てられた死体は、ミラーハウスの裏にある焼却炉で燃やし、埋める。
観覧車の下の牢屋に子供を連れてゆき、閉じ込める。
脱走した子供を、アクアツアーの近くで見つけ、ドリームキャッスルの地下にある拷問部屋へ連れてゆく。
それが僕の仕事。
ある日、僕のもとに渡ってきたリストに、岡本八重子、僕の妹の写真が渡ってきた。どうにか取り消すことができないかと僕は上に言ったが、「お前が今までしてきた事は、そういうことだ」と言われた。
許せない。僕に怒りが込み上げてくる。
夕暮れ、薄暗くなってきた空の下、従業員にとって死角となるジェットコースターの柱にガソリンを撒く。マッチに火を付けて燃やす。
正直、乗っている人のことなどどうでも良い。
気付かれたとき、従業員達は客を避難させる。
そして爆発した。火は他の建物に燃え移る。
僕はうさぎの着ぐるみの頭を外して八重子の乗った観覧車へ向かった。
そこでは八重子が息苦しそうに横たわり、その隣に友人らしき少女が心配そうに寄り添っていた。しかし、人を呼ぶためだろうか、離れて行く。
僕は歩みを止めない。「八重子!」そう叫んだとき、八重子の友人は僕の元へ走ってくる。
僕も走り出す。早く帰ろう。次は失敗しないから。ちゃんとした安全な所で働くから。帰ろう。
観覧車全体はすでに炎に包まれていた。
一瞬何か起こったのか分からなかった。大きな火に包まれた箱が落ちてきた。
ゴンドラだ。それは八重子めがけて落ちてくる。彼女は苦しそうに横たわり、僕に手を伸ばした。届かない。
「お前が今までしてきた事は、そういうことだ。」
頭に繰り返しその言葉が響く。
よろよろと、隣に八重子の友達がやってきて必死にゴンドラを退かそうとする。僕の頭は真っ白で、彼女を救おうと自分のやった事が逆に彼女を死を招いた。
八重子の友人はそのまま意識を失った。
僕はその時、八重子ではなく彼女を救うことを選択した。
いつかまた出会った時、その時はすべてを彼女に打ち明かそう。それまでは、何処までも逃げてやろうと。
幸いに救急隊員は側までやって来ていた。
10年後の八重子の命日、僕は裏野ドリームランドの観覧車へやって来ていた。前には珍しく女性が歩いている。
「八重子?」
女性がそう言う。八重子と、確かにそういった。
僕は勢いに任せて話しかけてしまった。
「あの…」
「何でしょう。」
振り向いた彼女の顔は、あのときの面影を残していた。
やっと。やっと出会えた。
「いや、ここに来る人、珍しいな、と思いまして。」
裏野ドリームランドの秘密でした。
晶くんはドキドキ!の後、彼女に全てを話しました。
そして自首をし、警察にも全ての事を伝え、地下空間の存在を伝えようとするのでしょうね。
タイトルをふざけすぎた。
今後の彼らの人生は想像におまかせします。
ここまで読んでくださった方はありがとうございます。
前編を飛ばして読んだ方も、ありがとう御座いました。良ければ前編よんでね!




