ヒロインは女神へと、青年は全てを統べる神へと
一応エンディング
目を開けると、何もない白い空間にいた
記憶は鮮明なのに、いくつもの記憶が折り重なっていて違和感がある
「やぁ、また会えたね」
そう言って笑うのは、ある世界線で私が召喚した青年だった
名前は確か...
「シオンだよ。ケインでもいいけど」
「私の心を読めるの?」
不思議そうな顔をするハーナを見て、シオンは可笑しそうに笑った
「ここは、精神世界みたいなものでね
心の声は全部聞こえちゃうんだ」
「でもあなたの声は聞こえないわ」
「心で何も考えないようにしてるからね」
「そう」
それだけで納得した様子のハーナに、シオンはまた可笑しそうに笑う
しばらくして、「そうそう」とシオンは再び口を開く
「わかってるかもしれないけど、今のハーナは全ての世界線のハーナを混ぜたようなものなんだ」
「ええ、そうみたいね。記憶が重なってるし。でも、ちゃんと鮮明に残ってる」
「もう君は、人間ではいられない」
「なら、神にでもなるのかしら?」
ハーナの言葉に、シオンはパチクリと瞬きをする
「ふふっ、そうか。君は神になるんだね」
「あら、決まってるわけじゃなかったのね」
「いや、決まっていたさ。僕は知らなかっただけだ」
何とも要領の得ないシオンの返事にも、ハーナは「そう」とだけ返す
「神様ってことは、別の次元に行くんだろうね。きっとそこにはいろんな種族が住んでいて、神様も君だけじゃないんだろう」
「あら、知らないって言ってたのにずいぶん詳しいのね?」
「君が想像してたからね。君の思うような世界に君の思うような姿で行くんだ」
「随分な大盤振る舞いだわ」
「それだけの存在に、君がなったってことだよ」
嬉しそうに笑うシオンに、ハーナは「可笑しな人ね」とこぼす
「そろそろ、時間だね。今度は世界を滅ぼさないでくれると嬉しいよ」
「そうね、それはもう飽きたから」
「ふふっ、いいのか悪いのか」
そうして不意に、ハーナの体はフワッと浮いてどこかへ向かおうとする
「あなたは、来ないの?」
「へ?」
ハーナの言葉を、シオンはすぐに理解できなかったらしい
「これでも、あなたのことは買ってるのよ」
やっと意味を理解したシオンは、困ったように笑った
「なら、君の上司として君の世界に向かおうかな」
「ふふっ、悪くないわ。私の手綱を取れるのはあなただけだもの」
「それは恐悦至極」
「じゃあ、また後でね」
そう言うと、フッとハーナは消えた
「困ったなぁ、この気持ちはここで終わると思ってたのに」
未だ高鳴る鼓動を抑えつつ、シオンはため息をつく
名前は変えておこう。
あぁ、いつまでこの気持ちを抑えておけるのだろうか
そんな憂いはため息と共に虚空へと消えた
ナターシャは消滅しましたね(諦め)
攻略対象者たちは、またそれぞれ生きていくつもりだったので生かしてたんですけど...どうしよ、世界崩壊しちゃったし...
書けそうなら書きます!
ハーナと青年は別作品で出そうと思ってます
というか、この作品より先に書いてるのに全然書き終わる気配がなく、投稿すらできてない作品がありまして。最強少女はうんたらのリメイク版なんですけど。
そこで出てきます。青年の新しい名前はユイドくんです、もし投稿できたら読んでいただけると幸いです