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一年の宝物  作者: ゆみ。
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夏休みも勉強会!進学校では当たり前…?



夏休みの中盤、A組のメンバーは市立図書館の学習室に集まっていた。

進学校の生徒にとって、夏休みは「休み」ではなく「差がつく期間」だ。


冷房の効いた室内は、紙をめくる音とシャーペンの音だけが響いている。


**理人**「……おい、雫華。さっきから手が止まってるぞ」

**雫華**「あ、ごめん。この構文、どう考えても訳が繋がらなくて……」


雫華はいつもの大げさな振る舞いを封印し、少し眉を寄せてノートと格闘している。

**理人**「貸してみろ。……これはここが省略されてるんだ。ほら」

**雫華**「あ……本当だ。理人くん、教えるの上手すぎ。助かったわ」


少し照れくさそうに笑い、雫華は再びペンを握った。



**はるか**「はぁ〜……脳みそが溶けそう」

**優里**「お疲れ様。はるかちゃん、数学頑張ってたね」

**はるか**「優里のまとめノートが分かりやすかったおかげだよ。神様に見えたもん」


隣では、部活帰りの**颯**が、**香奈**に単語帳を突きつけられていた。

**香奈**「ほら、次。『Obstacle』」

**颯**「おぶすた……障害物! どうだ!」

**香奈**「正解。……やればできるじゃん」

**颯**「へへっ、香奈に言われるとやる気出るわ」


### 3. ライバルと切磋琢磨

午後の睡魔が襲う時間。**翔太**がふと顔を上げると、向かいの席で**雫華**が必死に眠気と戦いながら英単語を書き殴っていた。


そのノートの端には「翔太に負けない」と小さくメモがある。

**翔太**(……あいつ、あんなに書いてんのか)


翔太は自分の参考書を握り直した。

**翔太**「……雫華。そこ、間違ってるぞ」

**雫華**「えっ!? どこどこ?」

**翔太**「スペル。……俺もそこ、昨日間違えたから覚えてるんだ」

**雫華**「……ありがと。翔太も、だいぶ進んだみたいだね」


二人の間に、少しだけ穏やかで、でも負けたくないという心地よい緊張感が流れる。


### 4. 終わりのチャイム

夕方、閉館を知らせるチャイムが鳴る。


**健斗**「……ふぅ。予定してた分は終わったな」

**日向**「みんなでやると、時間が経つのが早いね」


片付けをしながら、雫華が伸びをする。

**雫華**「みんなのおかげで、今日は一日中集中できた気がする。一人じゃ絶対スマホいじってたわ」

**翔太**「……まあ、たまにはこういうのも悪くないな」


図書館を出ると、外は少しだけ涼しくなった夕暮れ時。

「また明日もここで」

そんな言葉を交わさなくても、みんなの足取りは明日も同じ場所へ向かうことを示していた。


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