大阪ダンジョン攻略
ダンジョンコアのある部屋の扉を開ける。
中に進むと・・・あった、ダンジョンコアだ。
で、デカい!五反田ダンジョンのコアと比べたら優に3~4倍のデカさだぞ!
「おぉ!これが大阪のダンジョンコアか!でっかいなぁ!!!」
「これが僕達の記念すべき初の成果だね。」
大輔が素直な感想を漏らす一方で、加藤君が感慨深げに言葉を紡いでいる。
「よ~し!記念撮影しようぜ!直道シャッター頼む!」
大輔の提案により、代わるがわるスマホでダンジョンコアをバックに記念撮影をする。
最後は自撮り棒を使って、3人と1羽一緒の写真も撮った。
次はカメラの三脚みたいなの用意しよう。
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「じゃあ、直道、さっさと触れよ。それで、帰ってちゃんとした所で寝ようぜ!」
ひと通り写真を撮り終ると大輔が帰りたいコールをしてきた。
うむ、気持ちは分かるぞ、だがこのダンジョンの管理者になるのは俺じゃない。
「加藤君、君がこのダンジョンの管理者になるんだ!」
「えっ!でも僕は魔法書を貰ってるよ。それに、僕じゃ無くて菅原君が管理者になるべきだと思うけど・・・。」
「それはいいんだよ。今日の件でBランクのダンジョンなら、問題無く攻略出来るのが分かった。どのみち2人にもダンジョンの管理者になってもらうつもりだったし、まずは加藤君が管理者になってくれ。」
まぁ、理由はそれだけじゃ無いがな・・・。
「な、なら僕じゃ無くて三沢君が管理者になるのが筋だと思うんだけど・・・。」
「面倒くせえな。じゃあ、俺がなるよ!」
そう言って馬鹿が考え無しにコアに触れた。
触ると同時にダンジョンコアが光り輝き、その光が移動するように大輔の手を伝わり体に流れた。
「ギッ!ガァアァアア!!!」
一瞬だけ大輔の体が光り輝き、馬鹿はおかしな声を出し膝をついた。
「三沢君、大丈夫?」
「だ、大丈夫だ・・・すげえ痛かったけど・・・もう、平気だ・・・。」
心配する加藤君に頭を振りながら、大輔が答える。
マジかよ!なんだあれ!聞いて無いぞ!
「称号に、00089ダンジョン管理者って付いたぞ。これって大阪ダンジョンのことか?」
「さ、さぁ・・・?」
大輔の馬鹿な質問に、加藤君が首を傾げる。
「そんな事より、今後の事を話すぞ。まず大阪ダンジョンを攻略した事は秘密にしておく。だから、ドラゴンの魔石は新宿で売るから黙ってろよ。」
「新宿ダンジョンってドラゴンいるのか?」
「知らん。宝箱を開ける際に転移の罠で知らない階層に行った事にする。もちろん戻りもイチかバチかで転移の罠で跳んで帰って来たことにするぞ。」
「帰りも宝箱にするの?」
「帰りは小部屋に入ったら転移したでいいよ。階層分からなければ調べようがないし。」
俺の指示に2人とも頷く。
「管理者になれば、そのダンジョン内では好きなところに転移出来るって聞いてる。大輔、ダンジョンの入り口付近に転送できそうか?」
「ちょっと、まて・・・いいぞ、イケそうだ!」
大輔がこっちに来いと手招きするので3人で固まる。
鼻が曲がるほど汗臭い。
「おかしなところに転移したら殺すからな。」
「だ、大丈夫だ!」
俺が釘を刺すと、どもった返事が返ってくる。
本当に大丈夫だろうな・・・。
「大輔、汗臭いからさっさとしろ!」
「黙れ!直道!慣れてないんだ!静かにしろ!」
文句を言うと数舜後に1階の入り口に転送された。
「よし!どうだ直道!ちゃんとできたぜ!」
雄たけびをあげる馬鹿を無視して、地上に生還する。
早朝のため空気が澄んでいる。
適当に拾った魔石を換金している間に着替えて、武器を例の箱にしまう。
協会から離れたらカイムに収納してしまえばいいが、それまでは目立たないようにしなければならない。
クソ重い箱を大輔に持たせて大通りまで出ると、タクシーを拾って一見さんでも泊まれる高級ホテルまで連れて行ってもらった。
フロントで交渉すると、1泊50万のロイヤルスイートが空いていたので、そこに決めた。
寝室が7つある部屋なので1人に1部屋振り分けても全然余裕だ。
今日と明日を完全OFFにして明後日に東京に帰る事にし、後は自由行動とした。
その後は結局3人とも風呂で汗を流すと爆睡してしまったが、これは仕方がないだろう。
どうやって東京に帰るかが問題だが、それを考えるにはもう頭が働かない。
明日にしようと思いながら俺は意識を手放した。
あいかわらずの感想と誤字報告、有難う御座います。
色々な意味で助かっています。
ブックマークや評価も沢山頂いて恐縮しています。
本日1本目の投稿をさせて頂きます。
有難う御座いました。




