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ダンジョン調査1

小さいおっさんの話では、協会は今回の調査に日本でもトップクラスのSランク冒険者チームを派遣していた。

Sランクの冒険者たちが協会の調査員を護衛して、一緒にダンジョンに潜っているのだ。


そして、32階の小部屋の転移の罠も確認しているが、俺が言うように未知の化物共がいる階層へは行けず、

何度やっても42階に跳ばされるのだそうだ。

そのため、実際に跳ばされたと言っている俺に同行してもらい、確認をして欲しいと調査員が言っているらしい。



えっ!馬鹿なの、その調査員!

普通に嫌なんですけど。

そもそも、一介の高校生を調査に同行とか、世論が許すと思っているのか。

バレたら冒険者協会崩壊レベルの不祥事だぞ。


それに、一緒に行動して赤の他人にスキルがバレるのは嫌だ。

俺はそこまで馬鹿じゃない。

自分のスキルがかなり強力なのも理解している。

そして、それがバレたら厄介な事になる事も、何となくは理解している。


そして、夏休み終盤のここで時間を取られるのも嫌だ。

なんせ、俺はまだ宿題を2割ほどしか終えていない。

残り日数で大輔と日程調整して、写しに行くつもりなのだ。



「直道君、これは君の能力の確認も兼ねてるんだ!」


えっ!バレてんのかよ!


「君は普通じゃない!ただの高校生が新宿ダンジョンをソロで潜ったりは出来ないんだよ!

それに加えて、今回のオークションだ!もう隠しておく事は難しいよ!」


「う、う・・・。」


「だから、協会付きの冒険者として情報の公開をしたいんだ!冒険者協会は世界的な組織だからね!

どんな政府でも人間核弾頭みたいな高レベル冒険者を相手にしたくはないから、守ってあげられる!

それに・・・。」


最後の一言が悩む俺を決心させた。


「分かりました。」



「協会付きの冒険者になると言っても、直道君は高校生だ!基本は何か仕事を頼まれたりはしないよ!

情報も公開するといっても政府の一部にだけだから、表向きは何も変わりはないね!」


「表向きはって・・・裏では何かさせるって事ですか?」


「ああ、いや、裏も何もないよ!それにまだ、直道君の力を把握して無いからね!保護って言葉の方が正確かもしれない!」


「・・・分かりました。」


「分かってると思うけど、これは秘密の話だよ!家族や友達にも話さないようにね!事実を知るとそれだけ危険になるから!」


「・・・はい。」


「調査日程は3日後から最大1週間だ!大丈夫、生活への影響は無いようにするからね!」


こうして、俺は3日後に調査チームに同行し新宿ダンジョンへ潜る事になった。



「きゃあぁああぁああ!!!!なにこれ!なにこれ!」


「伊織さん、大声出すのは止めてくれ。」


奇声を上げているのが協会調査員の田辺伊織さん、一応れっきとした女性だ。

皮鎧に身を包み、武器の一つも持っていない。

子供のような体型で、体力が一番無いのに一番はしゃいでる。


そして、苦言を呈したのが、今回派遣されたSランク冒険者のチーム、『戦神せんじんの刃』のリーダー、飯野さんだ。

筋肉ムキムキのおっさんだが、見た目とは違い落ち着いて物静かだ。

戦神せんじんの刃』は他に前衛職1人と後衛職1人の3人チームで、飯野さんは怪盗という盗賊の上位職業の人だ。


「ごめんなさい。でも近くには魔物はいないんでしょ?なら良いじゃない。」


「近くにいなくても、おびき寄せるだろ!研究員様はずいぶん呑気だな。」


嫌みを言ってるのは重騎士という戦士の上位職業の天野さんだ。

自分の体ほどある盾と、バーベルみたいなハンマーを軽々と扱ってる、こっちも筋肉ムキムキのおっさんだ。


「どちらにしろ直道のスキルで死ぬんだからいいんじゃね?」


最後が魔導士という魔法使いの上位職の高山さん。

攻撃魔法のエキスパートで支援や回復は一切使えない、攻撃特化の後衛職だ。

そして、後衛職のはずなのに何故か一番前を歩き、金属製の棍棒をたずさえた筋肉ムキムキのおっさんだ。


このムキムキのゴリラのような体型のおっさん3人組が、Sランク冒険者チーム『戦神せんじんの刃』の面々で、子供のような体型の女性が調査員の田辺さん。

それに俺を加えた5人で俺達は今、新宿ダンジョンに調査に来ている。

現在は11階層の中盤だ。

通路の途中で何故か魔石が山の様になっていたのを見付けて田辺さんが奇声をあげたのだ。



「だけど、直道のスキルは便利でいいけど退屈だな。」


魔石の山を拾い集めて歩きだすと、先頭で棍棒をブンブン振り回しながら高山さんがごねた。


「お前は魔物をぶん殴りたいだけだろ。後衛職なんだから後ろにいろや!いつも真先に突込みやがって。」


ごねた高山さんに即座に天野さんが突込みを入れる。

緊張感がまるでない。


「次のボス部屋の前で昼飯にするぞ。それまで真剣にやれ。」


「「へ~い、」」


飯野さんの言葉に嫌々ながら返事を返す姿はふてくされた子供のようだ。

信じられないが、俺のスキルの事を知っても便利でいいけど退屈だ、程度の感想しかない脳筋集団が日本でもトップクラスの冒険者チームなのだ。


「直道!!早くこいよ!!」


先頭の高山さんが棍棒ごとブンブン手を振って俺を呼んでいる。

前を歩く4人を見ると、俺の中には不安しかわかない・・・。


感想有難う御座います。

主人公の力が、ついにバレました。

というか隠しておけるはず無いのですが。

誤字報告有難う御座います。

目覚めて確認すると高確率でお知らせがきています。

本日1本目の投稿をさせて頂きます。

有難う御座いました。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 名前呼び捨てがフランク過ぎて何話か飛ばしたと思った
[良い点] 面白い [気になる点] スキルの対象が気になります。今回のでスキルの詳細がわかるのを期待してます。
[一言] 小さいおっさんもまともに直道を脅さなくてもハニートラップにかければ直道は進んで協会付きの冒険者になったのに。他国から仕掛けられたら直ぐに転ぶぞ。
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