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騎士団長は永遠の恋をする  作者: てる
異世界へ
4/4

魔物

やっと異世界です!



・・・現在、大の字で急降下中...。



「なんでこうなるのうあああああ!?」



猛スピードの落下で口が閉まらず、歯茎丸出し状態で飛行中。

その上、目や口が空気ですさまじい乾燥でカラッカラッ。あの神様えげつない方法で送りやがって!おっと、つい口が悪くなってしまった。おほほ。っとそれはおいといて


これからほんとどうしよう。


本日2回目の落下(全く嬉しくない上に高さの次元違うけどね。)だからか考える余裕がある。それに地味に島との距離が遠かったため気持ちも若干落ち着きはじめた。



さてどうするか。

眼下には海に浮かぶ巨大な島の一部が見えている。正確な大きさは分からないが相当大きいと思われる。今の位置なら森に落ちそうだ。

一瞬、木がクッションになっていけるかもしれない。と思ったが、この速度で森に落下したら確実に骨折、いやただじゃすまないと思いなおす。



そんなことを考えていると、急に落下速度が増した。

なんで速くなってるの!?と思う暇もなく、どんどんスピードが上がり地上との距離が近くなってくる。そして、さらなる緊急事態が起こった。



「なんできぃぃーがあああないぃーーーーーの!!」



そうそこは他より拓けた場所だったのだ。



よりによって木がない場所に落ちるのか。もう泣きたい、いやもうすでに泣いてる。けど乾燥ひどくて涙がでない。



地面と衝突まで5、4、3、2、1



・・・新しい世界に転生して早々に死ぬのか。


もうだめだ、ぶつかる!と衝撃に備え、目を瞑り体を固くする。



0(ゼロ)



「・・・・ん?痛くない。え?」



覚悟を決めて、くるであろう衝撃をまっていたが一向にこず目を開ける。するとそこには地面があった。

どうやら地面と衝突する瞬間に空中で急停止したみたいだ。だが停止するならもっと早い段階でしてほしかった。そう言いたくなるほど、地面スレスレで止まっていたのだ。



「助かっぶふっ!!」



そう安堵した瞬間、落ちた。顔面から地面とぶつかった。口の中に砂が入りジャリジャリする。

次、会ったら文句の一つくらい言ってやる!と思いながら、体を起こし服についた砂をパラパラと落とす。



「細かい砂すぎて全然っぺ、とれなっぺ。」



中々とれない砂と格闘していると、ドンドンという地響きが体に伝わってきた。その地響きはどんどんこっちに近づいているのか大きくなっている。


そして、それはグルグルルと喉をならしながら姿をあらわした。



「・・うそでしょ。なんでこうなるの。」



姿をあらわしたのは、見たこともない巨大な異形の生き物だった。全身黒と紫が混ざった毛っぽいので覆われ、瞳は深紅のように赤い。そして口からは大量の唾液が流れ出ていた。



なんでこう次々と危険な目にあうんだろうか。こんな生き物出てくる世界だって聞いてない。


異形の生き物との距離は5mほど、逃げようと体に力を入れるがあまりの恐怖で体が動かない。



動け動け私の体。そう自分を叱咤するが全くといっていいほど動かなかった。その間にも異形の生き物はのそのそとこちらに歩みを進めてくる。


次こそ絶体絶命だ!とそう思った時、横から何かがあらわれた。



それは鎧を着た人だった。

鎧を着た人は、あっという間に私の目の前にいた怪物を真っ二つに切り裂き怪物は鋭い声をあげて倒れた。



あまりの早業に呆然としていると、その人はこっちに歩いてきた。

灰色の短髪、深緑を思わせるような瞳だが鋭く、そして左目から頬にかけて大きな切り傷がある。しかし目は開いているので見ているのだろう。身長は180㎝くらいだろうか。とにかく野性味溢れるワイルド系なイケメンだった。



「・・・っ!、なぜこんな場所に人間がいるんだ。」



発せられた声は低いが聞き取りやすい声だった。しかし何故なのか驚いたように目を張りこっちを見てきた。だがそれはほんの一瞬で、すぐに険しい顔になった。

急に険しい顔をされて何が何だか分からなかったが、助けてもらったお礼を言わなければ。



「あの、助けて頂いてありが「それはいい、早くこっちに来い。」



途中で言葉は遮られ、手首を掴まれて強く引っ張られる。



「えっあの、ちょっと待って下さい!」



男の歩くスピードは早く歩幅も大きいかった。一旦待ってもらおうとしたが声をかけたが無視され、小走りでついていくことになった。その状態で約5分くらい森の中を歩き、待たせていた一頭の漆黒の巨躯な馬の前で止まった。男は、その馬の上にかけてあったフード付きの茶色いマントを私に渡してさっと馬に飛び乗る。



着ろってことだよね。と思いながら自分の体がすっぽりと隠れる大きなマントを羽織りフードを被る。そして馬に乗ろうと手をかけるが、全然乗れなかった。



その様子を見かねた男は、険しい顔をさらに険しくさせながら手を出してきた。



なんでそんなにも険しい顔をするのかわからなかったがその手を掴んだ。すると男はものすごい力で手を引き上げ自分の前に私を降ろし、男は手綱を器用に操り馬は走らせた。それから無言で長時間走り続けた。



「・・・い、お・・い、おい。」


「・・・着いたんですか?」



男に肩を揺さぶられ、目を覚ます。



やっと目的地に着いたんだ。途中からあまりにもお尻が痛すぎて完全に意識がとんでた。ヒリヒリするお尻をさすりながら、到着した場所を確認するために顔を上げると、



巨大な白亜の城がそびえたっていた。



うわぁ、なんて大きくて綺麗なんだろうか。映画に出てきそうな程、美しい城に目を奪われる。



そんなお城に目を奪われていると、後ろから「降りろ。」と言われ、もっとお城を見たかったが言われるがまま馬から細心の注意を払いながら飛び降りた。(お尻のために...。) 

男もさっと飛び降り、近くにあった厩舎に馬を入れ、こっちに向かってきた。そして、また手首を掴まれ引っ張られる。またかい!?と思いながら、小走りでついていくが、たまらず聞いた。



「あの、これからどこに行くんですか?」


「・・・今から王の所へ行く。フードを深く被って俺についてこい。顔は絶対にあげるな。そして喋る な。」



今度は答えてくれたが、後ろを振り返らず淡々とした口調で言った。言われたとおりにフードを深く被り、黙って後ろをついていく。



厩舎の近くにあった城の裏口と思われる扉をくぐり城の中に入る。


もしかしたらと思ってたけど、この人は女嫌いなのかもしれない。だとしたら今までの言動すべてに納得がいく。

そう勝手に納得していると男の足が止まった。



コンコンコンッ



「陛下、レガル=シードです。至急お話したいことがあるのですがよろしいでしょうか。」



男は扉を叩き、そう名乗る。




あ、そういえば名前聞いてなかったし名乗ってもなかった。この人、レガルさんっていうんだ。





そうなんだと思っていると、ガチャッという音とともに目の前の扉が開き「やあ。」という柔らかな声に迎えられた。






















ついに出会いました(*'▽')

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