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8話

謎が新たな謎を生み、事件が新たな事件を生む。


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「昨日は勝手な事して、すまなかった。」

「いいって、いいって、俺はぜんっぜん気にしてねぇから。」


 魔物の大量発生は昨日の出来事。

昨日は遅くまでけが人や、壊された建物の瓦礫撤去を手伝って、起きたら昼を回っていた。


 起きてすぐ、コーンの元へ謝罪に来たのだが…

どうにもニヤニヤと様子がおかしい。


 口ではこういいつつ、内心腹を立ててるとか。

お前の事はどうでもいいとか。そういう感じじゃない。

何故か、満たされてるからなんでも許すオーラが出てる。


「なあコーン、頭でも打ったのか?」

「いーや、俺はいたって元気だぜ。もう幸せハッピーグッドモーニングな気分だ。」

 相変わらず意味不明だが、語呂がそこそこ良いのがムカつく。


 結局何があったのか不明なまま、二人で昼食を取って、南門の復旧作業に向かう。

 

 現場にはコンドビア隊長の姿もあり、昨日のお礼を言われた。

 

「魔物の大量発生はよくあるのか?」

「いや、滅多にない。だが今回は裏がありそうだ。」

 隊長も専門ではないため、詳しい事はシクオ殿に聞いてくれと。

ふむ。近いうちに会いに行くか。


 復旧作業といっても、殆どは魔物の死体の処理で、壊された建物は極わずかだった。

立派な防壁があったお陰か。防壁は魔物に対しての物だったかもしれないな。


 魔物の死体の中から、使えそうな素材は冒険者として回収させてもらった。

肉は食えるのかとコーンに尋ねると、やめとけ魔物になっちまうぞ。と言われた。

本当に魔物になるのかは分からないけど、全て焼却処分となった。


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 陽も暮れかけ、作業は終わり隊舎に戻る。

コーンと一緒に共同食堂に入ると、一部男性隊員の殺気の目線が痛い。

なんでこんなに殺気立ってるんだ。悪いことをした覚えは全くないのに。


 コーンは我関せずと、全く気にしていない様子。

こいつなんかやらかしたのか?


 居心地が悪いので早々に食事を済ませ食堂を出た所で、答えは向こうから現れた。

 

「コーンさんっ。夜のお散歩行きませんか?」

「いいね!いこういこう。そういう事だからコーヘーおやすみ!」

 幸せそうに手を繋いで歩いて行くコーンとアイシスさん。

衝撃で顔がモアイになる所だった。いや、なってたかもしれない。


 朝というか昼からの謎は全て解けた。

何故そうなったという謎を新たに産んで…


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「先日は街の為にありがとうございました。今日はお一人ですか?」

 あれから一週間。

あとは職人さんに任せるのみになった為、筋肉さんの所へ。

コーンはアイシスさんの所だ。

 

「魔物の大量発生について何かあったそうなので教えてもらおうと。」

 なるほど。と話しが長くなるのか奥に通された。


「コーヘーさんは創生神話をご存知でしょうか?」

 そんな昔から語るのか…随分長くなりそうだ。

 

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 要約すると、世界は数いる神の一人が創り、生命は別の神が造った。

生命の中に穢れが混じった事に怒った世界を創った神は、世界を二分した。

 

 二分した世界の一方に、穢れの無い生命を。もう一方に穢れた生命を閉じ込めた。

二分した際に世界の存在を分化したせいで、完全に隔絶出来なかったという。


 神が穢れと忌み嫌ったものが魔素。

穢れた生命と忌み嫌ったものが魔族。


 これが世界と魔素世界、つまり魔界の成り立ち。

 

 魔素とは、魔力と魔物の源。

魔界には魔素とが充満し、隔絶が完全ではないため、世界に漏れ出ているのだと。


 しかし魔界なんて物はあるんだろうか?ファンタジーだし有ってもいいのか?


 世界と生命を創った神々がポンコツなのは分かった。

どこの世界も神は碌な事をしないな。

 

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「神話は大体分かったけど、関係が…?」

「これを御覧ください。」

 そう言って取り出したのは、黒いモヤを纏った土のような物。

 

「これは魔族の残渣です。」

 ドドーンとか効果音が欲しい。

神話のおとぎ話じゃなく魔界はあるのか…

魔物が居る時点でファンタジーだし、そういう物と受け入れるしかないか。


 この残渣とやらは、コンドビア隊長が南門近辺で見つけたそうだ。


「恐らくこの魔族は既に魔素を失い、魔界に帰ったと思います。」

 魔物の大量発生と魔族の残渣が同時に発生した。

これを無関係で済ませるには、あまりにも偶然が過ぎるとの事だ。

 

「そこでお願いがあるのですが…」

 魔王討伐とか言われても無理ですよ?

アラサー冒険者に出来ることでお願いします。



「勇者様にこの事を、お伝え願いますか?」

 勇者って誰だ?

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