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23話

魔法は科学の最先端。


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 結局ドラゴンは現れなかったな。

もう旗は立たない。なぜなら下山は済んだから。


 正直に言えば、かなり心配だった。

野営の度に木々の隙間から、夜空に目を配っては息を呑んでいた。


 魔族が相手なら、先生の修行を収めた今、苺を守るだけの強さは得られたと思う。

でもドラゴンは恐らく別格だろう。


 あのゾクウに見た、規格外の…人の域を超越した強さ。

そういう物を想像している。


 それでも、無事に山を降りられた今、清々しい気持ちでリスを追いかけ回す苺を眺めていられる。

 

「あまり離れちゃ駄目だよ。戻っておいで。」

 苺は未だに元気一杯で、目を離せない。

一方俺は鍛えたとは言え、年齢のせいか衰えは隠せない。苺に着いて行くのが辛い。


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「見えてきたな。」

「でっかいね!」

 尾根から見えた大神殿は、山を降り森に入ると、その姿は見えなくなっていた。

今は視線の通る隙間から、その荘厳な佇まいを見え隠れさせている。


「川があるよ!」

「それは多分湖だよ。ほら、水が流れてない。」

 尾根から見た限りじゃ川は無かった。

恐らく山からの水がここで地上に湧き出てるんだと思う。


 湖の畔まで来ると木々が開け、湖に面して作られたボウムルの街がよく見えた。

期待のせいか、左手がウズウズとむず痒くなった。


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「この紹介状をこちらに。と伺って来たのですが…」

「あちらでお待ち下さい。」

 大神殿の神官さんに案内してもらい、待合室的な所に通される。

 

「お会いになるそうです。こちらへ。」

 見渡しながら、うわ~と感嘆の声を漏らす苺の手を引き、奥へと着いて行く。

 

 大神官と紹介された方にお会いし、治療の件を尋ねると、治療は受けさせて貰えると。

その前に仕事を手伝って欲しいとお願いされた。


「パパあそこ!」

「苺は下がって。」

 目の前に居るのはヒョウっぽい魔物。

出会うのは初めてだ。


 木をうまく使われ翻弄されるが、なんとか退治出来た。

今まで魔物はほとんど同じ物ばかりだったので、初見の魔物を上手く捌く技術は持ち合わせてなかった。


 依頼された仕事の内容は、森の魔物を間引く事…退治とどう違うのか。

それと、魔法神官さんの護衛だ。


 この神官さんは魔法が使える。魔法神官だしな。

魔法を使って森の魔素を散らすのがこの神官さんの仕事。で、その護衛だ。


「私も魔法使えるよ。」

 苺がガオーを使いそうになったので止めた。

森の中では危険すぎる。神官さんが不思議な顔をしていた。


 森を随分進んだ頃に、神官さんは空に向かって光を何度も放つ。

これで済みましたと。


 苺も負けじと、空に向かって指先から光を出すけど多分違うと思う。


「本当に魔法が使えるなんて、素晴らしい事よ。」

 神官さんが褒めてくれたので、苺はどこか満足気味だ。

折角なので魔法について詳しく聞かせてもらった。


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 魔法は魔素で現象を具現化する事。

 

 魔法は思い描いた事柄や事象を現実に発生させる。

 

 魔法で具現化された魔素は、時を置いて魔素に還る。

 

 一度具現化された魔素は眠り、時を置いて目覚める。

 

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 眠て目覚めるって魔素は生き物か?

活性、不活性的な?科学の進歩してない世界の表現はよく分らない。俺も科学に詳しいわけでもないけど。


 時間を置いて魔素に還るのが、崖の時に水が消えた原因だな。

魔法の水をビンに詰めて蓋をしたらどうなるんだ。見てみたい気もする。


 魔素を散らすというのは、魔素を上空に巻き上げ、風に舞わせるのだと。

風下の人たちに迷惑なんじゃないの…


 依頼も終わったので、ボウムルの街へ戻り、念願の左手を手に入れるぞ。

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