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花道闊歩 -異世界ガイドとして死ぬ運命の少女たちを幸せな老衰エンドへ導きます-  作者: ガリガリワン
第二部 第七章 ギルド編

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第五十七話 砂漠での依頼 後編


 ゴブリ……砂暴知(サリブリ)族の集落に攻めて数分、

 見張りの奴らは魔法で一掃されて今は近接戦だ。


「えあっ!!」


 フリィアちゃんもバッタバッタ敵を倒してる。


「フリィ!」


 リルメスとの連携は完璧。


 フリィアちゃんの攻撃終わりの隙に、

 リルメスが後ろから水の槍を魔法で放つ。


 フリィアちゃんもそれを予測して事前にしゃがんでるし、これを息ぴったりと言うんだな……


「やっぱり水蒼刺(アグルマード)は使いにくいわね。

 破浄斬(アルジュゼア)とかの方が使いやすいわ」

「そんなに違いあるの?」


 フリィアちゃんは魔法の種類だとかはさっぱり、

 魔法使いの弱点だとかは熟知してるがな。


「そうよ。押し出す感じが全然違うの……って、

 フリィ、話すなら後にしましょ。あたし、

 ゆっくり長く話す方が好きだから」


 リルメスは近づいてくる砂暴知(サリブリ)族に気がつき、

 フリィアちゃんは大剣を構え直す。


「うん。いっぱい聞かせてほしいな」

「いくらでも聞かせてあげるわ」



 一方、グラバさんは超手加減して戦ってた。

 どうやら親玉にだけ本気を出したいらしい、

 と言っても……手加減しすぎてビンタなんだが……


 まあ、もちろん三人はめちゃくちゃ注目される。


 リルメスとフリィアちゃんも年相応の強さとは、

 程遠いほど圧倒的に強い。グラバさんはあれだし、

 周りの戦士も少し困惑気味だった。


「新人たちめちゃくちゃ強いなぁ〜!」

「……にしても予想以上ですけど。光弾(ヒヤマトエ)

「おいらと良い勝負じゃないですかネ〜」


 ガガルさんたちも順調に敵を倒してる。

 ただ、やっぱり三人の活躍には驚きだった。



「リーダー! 砂暴大(サガオード)族です!!」


 戦場にこだまする一人の剣士の報告。


 それは集落の中心にあるデカい岩を削り、

 中に住めるようになった建物から出てきた、

 砂暴大(サガオード)族の登場を知らせる報告……


 ついに親玉とは言わずとも、

 幹部レベル、骨のある奴がご登場だ。


「おい新人三人! アイツ倒せるか?」


 ガガルさんはそう言ってこっちを試してくる。


 もちろん答えはYESだ。


「お二方、任せてもよろしいでしょうか?」

「あれって等級どれくらいです?」

準俊級(じゅんしゅんきゅう)、倒せば昇級ですよ」


 グラバさんからそう言われた二人は、

 自信満々の様子で前へと歩み出す。


 歩く中で自然とフリィアちゃんが前になり、

 リルメスは杖を構えて後ろを歩き始める。


 砂埃が舞う中砂暴大(サガオード)族が二人を視認、

 フリィアちゃんはそれに合わせて踏み込み、

 砂を大きく立ち昇らせながら接近していった。


「大剣使いにしてはめちゃくちゃ速いな……」

「おいらも見た中では一番ですネ〜」


 ガガルさんとホクホトさんは、

 フリィアちゃんの速さに注目。


 一方メグバさんはリルメスの魔力に注目中だ。


「星々よ。問いかけに答えし星々よ!

 その溢れ出す(きら)めきを我が身に授け、

 災難を押し流したまえ! 星水衝(アグタスメア)!」

 

 上級水魔法の星水衝(アグタスメア)が杖から放たれ、

 砂暴大(サガオード)族の胸付近を強く叩いてみせた。


「……広範囲技にしては威力が高いな」


 メグバさんが言う通りリルメスの魔法は威力が高い、

 砂暴大(サガオード)族の胸付近の肉が波打つほどの衝撃だ。


「グォァアアァアッ!!」


 砂暴大(サガオード)族の全長は大体4mほど、

 本能的な知力も弱いから戦いは単純。


 その巨体を生かした攻撃は超威力だが……

 当たらなきゃそんなの意味がない。


「はぁっ!」


 フリィアちゃんは砂暴大(サガオード)族の手の薙ぎ払いを、

 スライディングしながら避けて大剣を蹴り上げると、

 そのまま走って砂暴大(サガオード)族の足首を一気に切り裂く。


「グルブアァアアッ!」


 地面に這いつくばってもがく砂暴大(サガオード)族、

 それに向けて放たれるリルメスの″新魔法″


芯宴(しんえん)より生まれし風、踊り狂うは天の忌子(いみこ)

 集い剣、(まい)よ風車。曇天(どんてん)を開かせてみよ。

 道なることを現すのだ! 風灘一刀(ウルエンドム)!」


「カッ!」


 英級(えいきゅう)風魔法。

 それはリルメスが今持つ唯一の英級(えいきゅう)魔法。


 高密度の風魔力を斬撃として放つこの魔法は、

 威力がめちゃくちゃ高い。


 砂暴大(サガオード)族は倒れてるところに、

 その魔法が正面から当たったせいで、

 身体が真っ二つに斬れてしまった。


「ふう……」

「呆気ないわね。こんなので終わりだなんて!」


 リルメスはすぐに調子に乗る、

 まあ、実力は比例してるから乗らせておこう。



「……っ!?」


 敵を倒したと思ったら、

 超高速でリルメスに襲いかかる暴野(ぼうや)がいた。


 ただそれがリルメスにダメージを与えるよりも、

 フリィアちゃんの方が先に反応する。


「リルメスちゃん。大丈夫?」

「え、えぇ……」


 フリィアちゃんは大剣を置き去りにして動き、

 リルメスの前に立ち何者かの拳を片手で掴んでいた。


「なんで(デッド)族が……!」


 ガガルさんが言う(デッド)族。

 それがリルメスに攻撃を仕掛けた者の正体。


「……!」


 フリィアちゃんは拳を掴んでいると、

 すぐさま異変を察して蹴りを放ち、

 その暴野(ぼうや)を後方へ突き飛ばす。


「リルメスちゃん。治癒をお願いしてもいいかな」

「……! フリィ、手が火傷してるじゃない!」


 明らかに格の違う敵。


 ただ、リルメスとフリィアちゃんの前に現れるのは、

 こっち側の格違い。グラバさんだ。


万死の屍(エンミ・デッド)……特殊個体です。

 その火傷も奴の固有魔法、″腐蝕不(デッダルト)″でしょう」


全知脳(ぜんちのう)発動】


万死の屍(エンミ・デッド)についての知識】


 等級は英級(えいきゅう)以上……

 固有魔法はなんであろうと腐らせて溶かす魔法。


 まさにゾンビの超強化個体。


 フリィアちゃんの手が火傷したのも、

 あいつの固有魔法だったってわけか……


「おいグラバ! 俺たちと一緒に戦え!

 そいつはめちゃくちゃに危険だぞ!」


 ガガルさんがそう言って提案してくるが、

 グラバさんはそんなつもり微塵(みじん)もない。


「いえいえ、力を見せなければ失礼でしょう。

 ご安心を、(わたくし)はかなり強いので」


 グラバさんはそう言った瞬間、

 その身に秘める魔力量の制限を外し、

 辺り一体に一気に魔力を充満させる。


 魔力の差がありすぎる場合、

 基本的に格下の者の耳は塞がってしまう。


 ただ、それは魔力操作が下手な場合だけであり、

 グラバさんは自身が味方と思う相手には、

 その魔力による押さえつけを与えずに済む。


 だから今この戦場では、

 たった一体、万死の屍(エンミ・デッド)を除いて全ての暴野(ぼうや)が、

 身動きが取れないほどの魔圧に苦しめられている。


「メグバ……ありゃなんの冗談だ?」

「……準俊級(じゅんしゅんきゅう)程度の魔力量。

 隠しているとは思っていたが……まさか」

「うへー……すごいですネ〜」


 本気のグラバさんは英級(えいきゅう)暴野(ぼうや)であれば、

 そう苦戦することなく討伐が可能だ。


 皆が動きを止めて見ている中、

 勝負はあまりにも呆気なく即座に着いた。


「……?」


 グラバさんが速攻で殴りかかると、

 万死の屍(エンミ・デッド)はそれを避けながら走り、

 グラバさんの横から顔を手で触ろうとすると、

 逆に手首を掴まれ腹に膝蹴りを入れられる。


 そしてそこから繋げるようにグラバさんは、

 火の魔力を拳から放出したまま顔を連打し、

 トドメを刺そうとした瞬間。

 

 万死の屍(エンミ・デッド)は粉々に砕け散ってしまった。


「すごいわグラバ! 一瞬ね!!」


 おかしい。そんなわけがない。

 確かに圧倒はできるがこんな早く終わるはずない。


 そこまでいったら俊級(しゅんきゅう)のレベル、

 グラバさんもそれに対して違和感を持ってる。


 ……なんだったんだ?

 万死の屍はかなりタフな魔族だ。


 グラバさんがトドメを刺そうとしてたが、

 それでも仕留め切れたかわからないレベル。


 普通に考えたらあんな脆くない。


 弱ってたのか? いや……それでも流石に──


【*死のリストが更新されました。

 99+個以上の運命が″白文字″へと変わります】


 ここで更新が入った。

 死のリストを見てみると──


「なんだこれ……」


 ほとんどの文字が白文字に変化してた。


 白文字、それは、

 他人の干渉によって色が変わる文字。

 それが白文字……他人、一体誰が?


 ……まさかダグンド?

 いやあり得ない……じゃあ一体……

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