表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/132

89話 第二ラウンドの開始です!

「うおお!」

ジェイクは空から襲いかかるギースの炎魔法を斬り破った。

「…次は貴様だ!」

ジェイクが炎を纏った一撃を繰り出す。その熱量は空気をも焦がす。

「へっ!そんなもん!」

ギースは特に驚いた様子も見せずにその一撃をかわす。

「今の俺には通用しない。」

「くっ!」

余裕綽々の態度に、ジェイクはなおも猛攻をかける。

「どうだ?俺も強くなっただろ?」

「…。」

「そこだ!」

ギースが鋭く剣を振り抜く。かろうじて交わしたジェイクだが、その一撃は右肩の鎧を打ち砕くのには十分な威力だった。


(くそ!手強い。)

「オラオラどうした?元聖騎士団団長様よぉ!」

ギースの攻めにジェイクは防戦一方となってしまった。

(このままでは悪戯に魔力を消耗してしまうだけだ。何とかして突破口を開かないと。)

「オラオラオラー!」

「…!」

(くそ!攻撃の隙がない。どうすれば…?)




『貴方は…生きて!』




不意にジェイクは、かつてのフィアンセの声が聞こえた。そんな気がした。

(そうだったな。ここで諦める訳にはいかない。)

「何笑ってやがる!何がおかしい!?」

ジェイクが落ち着きを取り戻しつつある事が、ギースには気に食わなかった。その攻撃はさらに勢いを増す。

(手強い…!だが何としても俺が奴を討たねば。でないとヘレナに…仲間たちに顔向けできない。)

ジェイクは胸のペンダントを握りしめた。

(ヘレナ…。俺に力を貸してくれ。)

「何!?」

ジェイクの炎が勢いを増す。剣に宿る炎からは光がこもれ出している。

「うおおお!」

「へっ!そんな見え透いた攻撃…」

ギースはその斬撃が、ただの斬撃ではない事を身をもって知る事になる。さらに強化されたジェイクの炎は衝撃波となり、ギースを襲った。ドーンと大きな爆発の衝撃を受けるギース。

「気に食わねえ!何だそれは!?」

「お前に答える義理はない。」

「ふざけやがって!!」

再び激突する二人。剣と剣が打ち合う時、ジェイクの剣が爆発する。先ほどとは違い、剣戟の度にギースがダメージを蓄積していく。

(コイツは厄介だ。かわせば衝撃波が、受ければ爆発させてきやがる。)

ギースはジェイクから距離をとった。それを追いかける様にジェイクはゆっくりとギースに近づく。ギースが移した場所は、足元にハイゴブリンの死骸が転がっていた。どことなく漂う不気味な気配にジェイクは薄ら寒い予感がした。

死骸の山に進んでいくギース。

「お!ちょうど良かったぜ!」

ギースはまだ息があるハイゴブリンの見つけ、無情にもその首に剣を突き立てた。

「いただくぜ。」

(何をしている?)

剣が何やら赤みを帯びていく。

「まさか!?」

やがてそれはギースの鎧にも伝っていく。

「させるか!くらえ!!」

ジェイクは特大の衝撃波を放った。大地が揺れるほどの一撃。並の魔獣ならば一撃で葬るどころか、跡形もなく滅せられるであろう一撃。例えギースを仕留めきれなくとも、大きなダメージを与えられるであろう一撃。

「…。」

剣を構え、警戒を続けるジェイク。爆発で巻き起こった砂埃が落ち着いてゆく。

「!!」

ジェイクは直感した。

「まさか…な。」

ギースは平然とした様子で立っていた。先ほどまでと違うのは、身に纏う鎧が真紅に染まっている事だ。


「今のは中々危なかったぞ?」

「貴様…!」

「今回もいい感じだ。どれ…。」

ギースが何やら不審な動きをする。剣先に魔力が集中している事が見て取れる。

「お前の真似をするのは癪だからこんなのはどうだ?」

ギースは剣を突き出した。

「!!」

ギースの剣先からは、高密度に圧縮された炎が打ち出された。咄嗟に左手の盾を構えるも、そのまま盾を貫通し胸部にぶつかる。

「っつう!」

木製の盾はともかく、さすがに金属製の鎧までは貫通できなかった。だが、その衝撃力は大きく、まるでゴーレムに殴られた様な威力だった。

(これは…まともにくらうとまずい。)

「どうした?怖気付いてるのか?」

「何とでも言え!」

ジェイクは衝撃波を放つ。ギースも高密度圧縮した炎を打ち出す。二つの炎がぶつかり、大きな爆発を引き起こす。

「へっ!どうやら炎の威力は互角ってとこか?」

「…らしいな。」

「…。」

「…。」

二人の間に沈黙が流れる。

「おおお!」

「うらあー!」

飛び道具では決着がつかないと判断した二人は、再び剣を用いて激突する事になる。



「やっぱすごいや。」

ヒッカは離れた場所でジェイクの戦いを見ていた。

「っと。こんな事をしてる場合じゃない。」

ヒッカはラッフェルを岩陰に移した。

「そろそろ起きてくれよ…。」


「ヒッカくーん!」

遠くからライクの声が聞こえる。

「ライク?ここだよ!気をつけてー!」

少し安堵したヒッカはライクに返事をした。




「どうした?息が上がってるんじゃねぇのか?」

「…。」

ギースの挑発とも取れるその指摘は、あながち間違いではなかった。やられはしないが、かと言って攻めきれてもいない。膠着した時間が続く。長時間の戦闘によって、ジェイクの体力と魔力は確実に削られていった。

(このままでは…!だが消耗しているのは奴とて同じはず。)

ジェイクの脳裏に一抹の不安がよぎる。

(問題は奴に寄生している召喚獣の力だ。まだ余力を持っているのか?それとも…。)

過去、ギースに寄生した召喚獣本体の姿をジェイクはまだ見つけられていない。


「イラつくぜ。」

「…。」

「何とか言ったらどうだ!」

「貴様に語る言葉などない。」

「んだと…!?まあいい。」

ギースはジェイクに背を向ける。

「…何の真似だ?」

「お前に語る言葉はない。」

「貴様…!」

「はっ!」

ギースは岩山に向けて火炎弾を連発した。

(何をしている?)

「まあこんなもんか?お!」

何かを見つけたのか、ギースは茂みの中に忍び込んだ。次に現れた時は、一羽の野うさぎを捕まえていた。

(野うさぎ?)

「コイツをっと!」

ギースは野うさぎに魔力を帯びた剣を突き立てた。野うさぎが悲痛な鳴き声をあげる。

「さあ行け!」

野うさぎの刺し傷からは炎が溢れ出している。

「!!」

「ギャワー!!」

時を同じくして、巨大な蜘蛛型の魔獣が現れる。縄張りを荒らされた事に怒っているのだろう。真っ直ぐにギースに向かっている。

「タイラントスパイダーか!?」

ジェイクは危機感を強める。

「コイツは当たりかな?」

ギースは迫り来るタイラントスパイダーの攻撃をかわし、深々と剣を突き立てた。少しの沈黙の後、炎を吐き出し暴走するタイラントスパイダー。

(これは…悠長なことはしてられんな。)

「くらえ!」

「!?」

野うさぎが目の前に迫ってきたかと思うと、野うさぎはそのまま自爆した。反射的に防御耐性をとったものの、ジェイクは吹き飛ばされてしまった。

(やられた…!何…)

鳥魔獣が襲ってくる。こちらも例によって、炎を纏っている。

(いつの間に!?)

「はははっ!まさかおもちゃを使う事になるとは思ってなかったぜ!楽しんでくれよな!はーっははは!」

鳥魔獣が突撃してくる。すんでのところで回避したが次の瞬間、それが罠である事をジェイクは思い知る。

「ギャシャー!!」

タイラントスパイダーが燃えさかる糸を吐き出し、ジェイクを絡め取った。

「しまった!」

ジェイクは身動きが取れない。ギースは巨大ない炎を浮かべていた。

「いいザマだなぁ?ジェイク。楽しかったがお遊びはここまでだ。くらえ!」

強大な魔力で精製された火炎弾。それをまともにくらえば大ダメージは必至だ。


「【ウォーターボム】!」

突如、ジェイクの周囲を巨大な水玉が覆う。ギースの放った火炎弾はその水玉の中で消失した。

「何!?」

「お前たち…。」

目の前に現れたのは、水魔法を発動させたフィリー。バツの悪そうなラッフェル。手早くタイラントスパイダーの糸を切り裂くヒッカ。

「大丈夫ですか?」

ライクはジェイクに回復魔法を発動した。

「ああ、助かった。感謝する。」

「間に合って良かった。それじゃ、行きますか。」

ヒッカがニコリと笑う。

「第二ラウンドの開始です!」

ヒッカは荒れ狂う魔力を纏った。


ここまでお目通しいただきありがとうございます!

ちょっとでもいいなと思ったら、ブックマーク登録や評価ポチっといただけると嬉しいです。

感想等もお気軽にいただけると、歓喜感涙雨霰しまーす!


よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ