表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/52

09

説明回になるので、少し駆け足です。

 ここまで芽衣たちに都合のいいことばかりだが、一体誰が何の目的でこの世界に連れて来ているのかは分かっていないらしい。


「マンガとかだと神様とか女神様とかこっちに呼んだ人が出てくるけど、誰も会ってないって聞くし」


「勇者たちも理由を知らないんでしょ?」


「えっ? この世界に勇者がいるの?」


「うん。今は勇者が三人いる」


「三人も!?」


 魔物がいる世界だからもしかしたら…とは思っていたが、まさか勇者が三人もいるとは…。物語りでは勇者は一人というものが多いが、ここは異世界なので、三人いてもありなのかもしれないと思った。


「そう。剣の勇者と弓の勇者、あと魔法の勇者かな」


「へぇ…皆攻撃方法が違うんだ」


 てっきり三人とも剣を得意としているのかと思ったが、それぞれ戦い方が違うようだ。


「過去には斧の勇者とかブーメランの勇者とかいたみたい」


「…」


 以前にいた勇者たちの武器もそれぞれ違ったらしい。何故そんなに勇者がいるのか(いたのか)はこの世界の人たちにも分からないらしい。


「憶測なんだけど、勇者が複数いる理由は魔物によって弱点が違ったり、各地に魔物が増えたとしても同時に対応出来るように…ってことだと思う」


「そうなんだ」


 あちこちに呼ばれ、それに対処する勇者たちも大変なんだな、と芽衣は思った。

 他の有力情報としては、今いる異世界人がほぼ日本人だということ、何十年も前からこちらに迷い込んで来た人やその人たちの子孫がいるということを教えてもらった。そして全員が元の世界に戻れていないことも。


「そんなに前から…」


 突然家族や友人と離れ離れになり、文化も違う見知らぬ土地に放り出されて全てイチからのスタートというのは大変苦労したと思う。

 既に何人か亡くなってしまった人もいるというが、その子孫たちが各国で貢献しているらしい。子孫には特殊スキルはないが、幼い頃から聞いていた話を参考に、生活改善のための研究をしていると風の噂で聞くらしい。


「この世界って一つ一つの国が大きいみたいで、他の国にいる日本人たちのことは噂程度なのよ」


 冒険者ギルドに勤めている美月でも全ての日本人たちのことは把握出来ていないらしい。美月でもユイオン王国にいる人しか分からないという。

 生活面のことも聞いてみた。

 昨日メイドに屋敷内を案内してもらったので、この世界にはトイレもあることは知っている。


「トイレはね、貴族とか大きなお店にはあるけど、一般人の家には無いところも多いんだよ」


「そうなんですか?」


「トイレが無いのは家の広さが関係してて、大家族でトイレを作るぐらいなら一人でも多く寝られる部屋を…ってね。そういったトイレが無い区画に住んでいる人たちのために共同トイレがあるけど、わざわざそこまで行かないといけないのが不便で」


 家がトイレの近くならすぐ行けるが、遠いと大変らしい。その分土地代や家賃にも差があるという。


「あとお風呂は…場所取るけど欲しいよね」


「魔法のおかげで服とかも簡単に綺麗になるけど…時々熱いお湯に浸かりたくなる」


 普段は魔法で綺麗にするため、あまり風呂に入る習慣がないらしい。使用頻度は少ないが、貴族の家や豪華な宿にはいちおう設置されているという。風呂はトイレのように共同で…という考えがないので、どうしても欲しければ自分で購入して設置するしかないとのこと。


(自分の家を持ったら、トイレとお風呂を設置したい。そのためには頑張らなくちゃ!)


 芽衣はひっそりと決意する。

 文字については、こちらの文字が日本語に自動変換され、逆に日本語はこちらの文字に変換されるので、生活に困ることはないらしい。イチから勉強して果たして覚えることが出来るのか?と思っていたので、この情報はとても嬉しい。

 生活に便利な魔道具類について教えてもらったり、店で売られている物を教えてもらったりしているとあっという間に時間は過ぎ、こうして三人との顔合わせは無事終わった。

 帰り際に「何かあったら遠慮なく声かけてね」と云われ、いい人たちと出会えて良かったと思った。

 リーシャの云う通り、向こうの世界には戻れないようだ。だったら、この世界で生きていくにはとにかく頑張るしかない、と改めて決意した。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ