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地底800マイル  作者: 悟飯 粒
赤き血潮の大悪党
43/70

This has taken its tall on her

「あぁああ!!もうっ!!」


ダンダンダンダン!!!

空気の振動が、地面の破裂が、私を追い立て急き立てる!!


「ぬぅおん!!!」


ブォオンン!!!

そして、手が届く距離になった瞬間、魔物が私に向けて腕を伸ばした!!

メシィッ!!!

勿論、私に触れるなんて言語道断だ。届くよりも前に魔物の顔面に拳を叩き込み、思いっきり仰け反らせてやった!

………まだ倒れないか!本当この不死身野郎はっ!もう2発殴って……っつ!!


ボォオオオンンン!!!

魔物を巻き込み巨大な爆発が私を襲う!!だから私はバックステップでそれをかわし………


ブワッ!!

巨大な炎の塊から血塗れで、皮膚が焼け焦げ、肉がズタボロに破壊された腕が伸びる!!

赤黒く変色した腕は、指先が、修復されながら私の顔につい……って、たまるか!!


メキィッッ……ドボォオンンン!!!

爆発に腕を突っ込み、魔物の顔面を殴り飛ばした!!


「つぅ〜〜っ!!」


爆発に突っ込み、少し血を流している左腕を右手で押さえながら、私は急いで距離をとった。

彼らの爆発はシンプルな熱じゃないから困る!!炎の魔法が練りこまれているから、私の現実的な耐火性能を突き抜けてダメージを与えてくるんだ!!


「ぐっ……ふぅっ、」


魔物はようやく命が尽きたようだ。倒れたままぴくりとも動かない。………何回殺さなきゃいけないのさ。


「………カイ!!ヘカトンの魔力の仕組みを詳しく!!」


タタンタン!!!

バチバチバチン!!!


敵の度重なる波状攻撃をかわし、ジジイが作った剣達の影に隠れながら、カイに向かって叫んだ。


「………地形ごと移動できるとするなら、きっと相当な制約があるはずです!!」

「それって何さ!!」

「空間移動系の場合は[位置把握]か[移動物]に条件がしかれるのがベターです!!」

「それはなんとなくわかる!!そこから先!!もっと詳しく!!」

「知らん!!」

「知っといてよクソ知識野郎!!!」


不死身軍団と子供達の大規模魔力。この2つだけならなんとか逃げられるんだ。けれど、ヘカトンのあの[空間転移]の魔力のせいで攻撃を出せずにいるのが辛すぎる。一方的に攻撃を食らう状況………打開しないといけないのは確かだ。


バキン!!!

私が隠れていた巨大な剣が敵の攻撃によって壊された!!


「……ちっ!!なんか考えといてよカイ!!」


私は急いでそこから離れて魔物達の対処にあたる。

ヘカトンに近づけないのなら、敵の頭数を減らすのが先決!………といってもほぼ不死身だから減らないんだよなぁ!


パンパンパンパン!!ダァアン!!!スパァアン!!!

左右から2体の魔物が飛び込んで殴りかかってきたから、近づきながら2人の拳の軌道をそらし、一体はチョップを肩に当てて身体を地面にめり込ませ、もう一体は手刀で首を掻っ切った!

………更に5体!!が、倒れようとしている2体の魔物の背後から迫ってくる!!………これ、魔物ごと私のことを吹っ飛ばすつもりじゃない!?


スパァアンン!!!

首を切った魔物に強烈な足払いをかまし、巨体が空中に浮いた!

ドパァアアンン!!!

でもそんなの御構い無し!!魔物の集団はそいつを吹っ飛ばして私に襲いかかってくる!!

………それは認めない!!


ジャラジャラジャラッ!!

鎖が高速で擦れる音!!

吹っ飛ばされた魔物の足首に、多節棍に変形させた光剣の一端を巻きつけたのだ。


グインッ!!

その、緊張した鎖を上から思いっきり殴りつけ、たわませる!!


ドンドンガシャアン!!!

するともう一端が縛り付けられていた、チョップを食らった魔物が高速で魔物の集団の背後に頭から突っ込んだ!!


まだまだっ!!

グインッッダァアンンン!!!

これだけじゃ終わらない!!!たわませたた鎖を右手で思いっきり掴み、筋肉が破裂しそうなぐらい全力でそれを振り回し、集団の側面にに魔物を思いっきり叩きつけてやる!!

でも!!ぁぁああああ!!!まだ来る!!!次は………十人!?内にいれたら終わりじゃないか!!


ボンッ

多節棍を長柄の鎌に変形させ、向かって来る魔物に立ち向かう!!


グォオオオオオ!!!!

ボンボンボンッ!!!!


と思ったら!!魔物達を巻き込んで!!超巨大な物体が飛んできた!!岩石!?植物!?………植物が巻きつかれた岩石が火を噴きながら飛んできているんだ!?!?

どんだけ大きいのさ!!直径100メートルいっちゃう!?………かわせる!?余裕!!余裕だけど!!

私の背後にはカイと拘束部隊!!カイはともかく拘束部隊にこれをそのまんまぶつけるのはまずい!!


バタバチバチッ!!!

鎌を撫でながら、濃く、激しい雷を纏わせる!!弾け飛ぶ光が、私を下から照らし出した!!


「邪魔っ!!!」


サササンッ!!!!

鎌を高速で振り抜き、隕石のような巨岩を粉々に切り裂いていく!!雷が巨岩の内部で走り回り、まるで龍が暴れまわっているみたいだ。


サンッ!!!!

そして、巨大な光龍の最後の一振り。岩石は10センチ大の石飛礫に早変わりした!

バチャンバチャンバチャン!

それらはカイが空中に作り出した水の層にぶつかり、威力を殺されてしまう!


「はい時間あげたよ!!なんか良い解決法を教えな!!」

「えぇええ!?まだ10秒経ってませんけど!?」

「10秒あれば世間話できる!!観念することだね!!………さぁ早く!!」


どうするどうする!?こんなのが続いたらまず間違いなく負ける!!どうにかしてヘカトンを早々に倒す作戦を考えなくちゃ!!


「ぐぅーーっ……ああいうのは基本!!認識できないものには魔力が作用しないものです!!」

「つまり速く大きく動いて視界から消えれということ!?」

「そういうことですっ!!」


バチンッ!!!

言葉が終わる前に私は駆け出していた!!


パンッ!!パンッッ!!!パンッッッ!!!!

一歩踏み出すごとに地面への負荷が強まっていく!!

思いっきり!!踏み込む!!前に進むために全力で踏み込む!!そうして、筋力をバネのように躍動させて、前進力に!!


バチバチバチンッッ!!!!

私の速さに置いてかれ、私を目で追えなくなった魔物達の隙間を雷電が駆け抜ける!!

もっとだ!!もっともっともっともっと!!通った跡しか見えないような、そんな、[置き去りの速さ]を!!

長期戦は無理だ!!私はどう考えても瞬発型なんだから!!このダッシュに全力を注ぐ!!


ゴウッ!!!!

突風が子供達を吹き飛ばした!!


パンパンパンパンッッッ!!!!


撹乱するように全力でジグザグに進む!!

なぁぁああああ!!!脚がプルプル震え始めたぁぁああ!!!


でも!!!

そんなの!!!


「知るかぁあ!!!!」


ダンッッッッ!!!!

地獄の底にまで衝撃が届くような、そんなとてつもない衝撃が、地面を踏み抜いたと同時に全身を駆け抜けた!!


ッッッパァンン!!!!

そして!!弾くように飛び出た身体!!!

ほとんど閃光だ。空間を断裂するように、凡そ180度先の対象点に、伸ばした多節棍を蹴飛ばし、おっそろしい程遠回りして到達した!!私の視界すら自分の動きを追いきれてない!!どうなってるんだ一体!!


ブンッ!!!!

そして、ヘカトンの背後から頭頂部めがけて拳を振り下ろした!!!


ブォオンン!!!!


…………空振りぃいっ!?!?

私はまた、何もない空間で思いっきり拳を振り下ろしていた。

嘘でしょ!?私ですら目で追えなかったこの動きについてきたっていうの!?第一類勇者のくせに!?


「脚が動かないからね、反射神経と視力は鍛えているんだ。」


………まじか!!


ボンボンボンッッ!!!!

ドゴォオオンンン!!!!


爆発と飛来物が私に襲いかかって来る!!


「持久戦が嫌いだからって、短期戦に持ち込むのは得策ではないな。私がそうならないように対策していないなんて、そんなの絶対にあり得ないのだから。」


やっぱ勇者の最高権力者にまで上り詰めた人間はマヌケじゃないか!!


「さぁ子供達。イリナは今疲れ切っている。一斉にかかりたまえ。」


大規模魔法が、まるでさっきまでの攻撃が手を抜いていたみたいに、恐ろしい密度で集中砲火してくる!!


「イリナさん!!一旦こっちにっ」


パリンバリンパリーン!!!!

カイの氷塊や剣がことごとく、簡単に、あっけなく、魔力にさらされて壊れていく。

………私を倒す為に、威力すらも抑えてたのか!!

逃げる!?………ダメだ!!これに逃げ切れる自信がない!!やはりかわしながら奴を叩くしかない!!


私はカイのところに戻ることなく、横に走りながらヘカトンに近づこうとする!!

もっと速く!!限界を超える!!それだけだ!!次は絶対に失敗しない!!


「無駄無駄無駄!!!もうお前は私の術中にハマったのだ!!逃げることも、戦うこともできん!!!1人ずつなぶり殺しっ!!!」


ガッ

ヘカトンの言葉の途中で、ヘカトンが倒れた。

………いや、倒れたというよりかはこれは………


「逆さ!!術中にハマったのはヘカトン!!お前だ!!」


姫子さんだ!!ずっと隠れていた姫子さんが、黒色の剣をヘカトンの首元に当てて、羽交い締めにするようにヘカトンを拘束していた!!

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