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面倒くさがりの飲食店店員(女)の日常  作者: 美月


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一難去ってまた一難

六月一日。本職で夕方のシフトに入った私は、少し緊張していた。大学生の子と、私の二人で店を回さなければならないからだ。

 いつもならば、店長と誰かの二人で組んで回すのだが、店長は不在である。さすがに大学生の子も店に入ったばかりは、少し緊張気味だった。

 だが、社長が「近くでご飯を食べているから、何かあればすぐに来る」と言ってくれた。

 平日の夕方であったこともあり、人数もそう多くはなく、二人でさばけた。いや、大学生の子が優秀なのだが。

 ひとまずほっとして、息をついたのだが。

 私が通勤鞄で使っているリュックをロッカーから出すと、リュックに大きな穴が空いていた。

 正確には、リュックの左下がほつれてしまっていた。思わず大きな声を出してしまった。

 昼間の単発バイトの時は大丈夫だったのに。

 通勤鞄として使っていたリュックは、帆布製のものだった。濡れても大丈夫なので、洗濯機で回したりもしていた。

 丈夫で水にも強い。今のお店に働きに出るようになってから、毎日のように使っていた。

 その鞄が・・・。買い替えるか、別のリュックを使うしかない。幸い、火曜日は仕事が休みだ。

 早急に代わりを見つけなければ。

 さらに帰り際、プラスチック製の水筒が段差で跳ねて、原付から飛び出した。人通りも車通りもなかったので、原付を停めて、慌てて拾う。

 だが水筒は割れて使いものにならなくなっていた。

 まさか、二度もこんなことが起きるとは。

 偶然、ではないのかもしれない。今日の仕事が無事に終わったのは、この二つの道具たちが私の厄を引き受けてくれたからかもしれない。

 幸い、水筒はまだ予備がまだあるし、リュックは家にある別のリュックの中身を出して、入れ替えればいい。

 なんとなく、リュックも水筒も今の私の現状を表しているようにも思う。

 今までと同じではいられない。古い皮を脱ぎ捨てて、新しく成長していくのだと。

 また、これらは金運上昇のサインかもしれない。金運が上昇する時、一時的に大きくお金が動くことがある。その流れかもしれない。

 最近、鏡の中の自分に「あなたの金運はますます良くなっています。未来は明るい」、と言い続けたのだ。それが叶ったのかもしれない。

 まぁ、そこまで慌てることはない。何事も、対処可能だと思えば、対処できる。

 リュックがなければエコバッグを使えばいいし、水筒は空のペットボトルを使ってもいい。

 幸い、燃えないごみの日は直近だ。処分に困らなくて済むのはありがたい。

 通勤鞄として、役目を終えたリュックを握りしめながら、私はお礼を言った。

 本当に、長い間お世話になったからだ。ありがとうの気持ちをいっぱい込めた。

 鞄はどうにかなるだろう。

 幸せだと思った。自分はこんなにも恵まれていたんだな、と。

 明日は、家でゆっくりしながら鞄問題に対処しよう。

 おやすみなさい。続きはまた明日。

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