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修復ギフト持ちの貴族の息子でしたが追放されました  作者: ヒコしろう


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第79話 遠方から来た方々

季節は秋、早いもので我が家に住み始めて一年が経った。


盗賊達に火を放たれて、かなりの家屋を失ったカサールの町も以前よりも立派な家が立ち並び、スラムだった我が家周辺には、戦争で家を失った周辺の村からの難民の方々が中心となる新町にも人が住み、商いも行われ、新たな産業となっている魔道具やゴーレム開発の為に各地から集まった鍛冶師や錬金術師に木工職人など、新たな職人町も出来上がりカサールの町は始めて僕が来た時よりも大きくて活気ある町になっている。


それと、先日王都より新たな住民も引っ越して来たのであるが、彼らは昨年王都にて新型ゴーレム作りを手伝っていた職人チームの一部の方々でカサール子爵様達がこちらで作る新型ゴーレムの手伝いをしながら、王都との技術と、此方の技術を高める為の派遣職員である。


それと、もう1つの派遣職員は、クリスト様にゴーレムの調整やゴーレムマスターとしての新型ゴーレムの乗り方を学ぶ為に2人のゴーレムマスターのギフト所持者と、カサール子爵様に操縦技術を習う為に送られたパイロット候補の6名の騎士なのだが、騎士の方々はローテーションでライト兄さんの護衛もしている。


『まぁ、今回のベーレの件で魔石式魔力供給魔道具なる大発明をした国家錬金術師のライト兄さんが危ない目にあったんだから国としては

お目付け役をつけたいんだろう…』


とは思うが、何故か我が家にまで、


「ラベル殿からお噂を聞き、弟子を連れて参りました」


という女性と弟子の少年が王都からやって来たのである。


ラベル先生の時は我が家の部屋を使ってもらっていたのだが、我が家の大工であるボンドさんに頼んで離れを建ててもらっていたので二人ぐらい住人が増えても問題がないのであるが、問題はラベル先生の紹介で来たこの2人が修復師ではなく【魔法師】である事なのである。


師匠であるゼルエルガさんはケモ耳だけでなく珍しく角のあるタイプの

獣要素濃いめの獣人族の方であり、弟子である少年は何処かの貴族のお坊ちゃんらしく、


「南東部の町ダッパ出身の、カイン・ドラーク・ボトムと申します」


と、家名の有る自己紹介してくれたのである。


『なぜ、魔法師…そして、なぜ貴族?』


とは思うが、彼女達が持って来てくれたラベル先生からの手紙には、


『弟子の魔力量の事で困っておるらしいから相談に乗ってあげて欲しい…あと、国王陛下よりゼルエルガ殿はニルバ王国…というかこの大陸でも有数の土魔法の使い手だから、今回のゴーレムコアの件も含めてジョン殿の家の周辺の土手を石壁に作り替えるのを褒美として納めて欲しいそうで、詳しくはゼルエルガ殿に聞いてくれ…では、ライト殿とイデア嬢に進展があれば連絡を…あと、メリーさんにくれぐれも宜しくと…』


という事が書かれており、


『あぁ…正式な錬金術師でも修復師でもない僕には名誉職員に任命は出来ないし、金にもあんまり困ってないと判断した国からの褒美が堀りと土手で囲まれた我が家周辺の防御壁か…う~ん…かえって高くついたんじゃないかな…僕的には変な称号より大変有難いけど…』


と思うのであるが、魔力量についてのカイン君の悩みを解決してしまわないとゼルエルガさんも落ち着いて作業出来ないだろうからと、とりあえずイデアさんにライト兄さんを呼んできてもらったのであった。


だが、ライト兄さんが我が家に到着したのだが、なぜかソワソワして僕たちの話を聞いているのか、聞いていないのか…窓の外の庭先をチラチラ見ているので、僕は、


「ライト兄さん、聞いてます?」


と質問すると、ライト兄さんは、


「うん、そうだね…」


と、絶対に聞いていないヤツの反応で今は庭先をガン見しており、


『何を見てるんだ?』


と思ってライト兄さんの目線を追うと、庭先で護衛に派遣されたイケメン騎士とバルディオさんが剣の稽古をしており、それをイデアさんが楽しそうに見ていたのである。


メリーさんがゼルエルガさんにお茶のおかわりを注ぎながら、チラリとこちらに目で合図を送ってくる…長い付き合いだから分かるが、これは多分、


『お客様に失礼な態度のライト兄さんを注意するのはお坊ちゃまの役目ですよ!』


というお叱りの視線である。


なので、僕は兄弟子であるライト兄さんではあるが、


「ライト兄さんを頼って相談しているんですよ…」


と彼に注意するのだが、


「でも…」


と、集中出来ない様子だったので、


『これはライト兄さんを我が家に呼ぶと漏れなく騎士の方々がついて来るし、知らない騎士と手合わせしたいバルディオさんがいる限り、いつバルディオさんが負けてイデアさんが強い騎士さんになびくか気が気じゃないんだな…』


と理解した僕は、テイカーさんにタンカランダンジョンへと我が家の男の子チームと引率で同行しているリーグさんの回収を、


「もしかして、マーチンの町に厄介な魔物がグラーナを食べに来てたら迂回しないと駄目だから…」


と理由をつけて一週間ほど予定より早いが旅立ってもらい、護衛としてバルディオさんとイデアさん親子も馬車にて出発してもう事にして、この日は一旦解散となりライト兄さんを送り返した後に、僕はゼルエルガさん達に、


「大変失礼しました…明日には普通に受け答えが出来る様に戻っているはずですので…」


と頭を下げると、ゼルエルガさんは、


「気になさらないで下さい、急ぎでは有りませんが…ただ将来、カインが魔力不足で困らぬ様になれば…」


と言ってくれ、ライト兄さんとイデアさんの事もなんとなく察してくれたらしく、メリーさんに、


「錬金術師殿はずっとあの女性を見ておられましたが…二人は?」


と聞くと、メリーさんはゆっくり首を横に振りながら、


「ライトさんの片思いで御座います…」


とだけ答えて、ライト兄さんの座っていたテーブルを片付け始め、良く分かっていないカイン少年はお上品に焼き菓子をサクッと頬張り、少し嬉しそうにしていたのであった。


その後にゼルエルガさん達にやんわりとカイン少年の悩みについて聞くと、カイン君はニルバ王国の一般的な魔力量より低い魔力量しかないが、しかし昨年授かったギフトが、レア中のレアギフトである【土の大魔道師】であり、初級の土魔法すら中級レベルの威力が出せるが、何しろ魔力を食ってしまい、まともに放てる魔法が現在1つも無い為に、


【スキルを使って熟練度をあげて必要魔力の消費を軽くする】


という選択肢は勿論、


【魔力をギリギリまで消費して総量をアップする訓練をする】


という訓練すら厳しく、マジックアイテムなどに魔力を流して魔力を枯渇させて、気絶する様に眠り魔力総量を鍛えるという荒療治をしてもそれではギフトは育たず、マジックアイテムでは魔法を発動させる魔力操作の訓練にもならない為に、困り果てていたところ、足りない魔力を外部から補給してゴーレムコアを修復させたラベル先生の魔道具を見て、


『これならば!』


と思ったらしく、カサールの石壁の外に建っている我が家の壁作りの任務を二つ返事で了承したのだそうだ。


『魔法師さんのお悩みに応えれるか不安だったが…それならば何とかなりそうだし、これならば先に話を聞いてからライト兄さんを呼んだ方が失礼な感じにならなかったのに…失敗したな…』


と反省した僕だったが、


『まぁ、この話を聞いてからライト兄さんを呼んだとしても、イデアさん親子と王都から来たエリート騎士が我が家に揃うと、今日の感じが明日行われただけか…』


と思い直し、


『必要な失敗だったな…どうしたってバルディオさんと騎士は手合わせしちゃうし、イデアさんが騎士に惚れないかライト兄さんはソワソワするもん…』


という結論から、現在は工房に帰ったであろうライト兄さんに『届け、この思い!』とばかりに、


『もう、早く告白しちゃえよ!』


と念を飛ばしてみる僕であった。



読んでいただき有り難うございます。


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