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揺訳 捜神後記/異苑  作者: ヘツポツ斎
異苑十巻 雑条
194/198

異10-03 管寧・徐邈・妒妻・滿奮

○管寧思過

管寧字幼安,避難遼東。後還,泛海遭風,船垂傾沒。寧潛思良久,曰:「吾嘗一朝科頭,三晨晏起。今天怒猥集,過恐在此。」


管寧かんねい、字は幼安ようあん。彼は戦乱を避けて遼東りょうとうに身を寄せていた。のちに帰途につき海を渡ったとき、暴風に遭って船は今にも転覆・沈没しそうになった。管寧は黙して長く思いを巡らせ、言う。

「私はかつて一度、朝廷へ帽をかぶらずに参内し、三日続けて朝寝坊したこともあった。今日、天の怒りが突然わが身に降りかかったのは、おそらくその過ちのゆえだろう」



○徐邈私飲

魏徐邈字景山,為尚書郎。時禁酒而邈私飲,至於沈醉。從事趙達問以曹事,邈曰:「中聖人。」達白太祖,太祖甚怒徐邈。鮮于輔進曰:「醉客謂清酒為聖人,濁酒為賢人。邈性修慎,偶醉言耳。」由是得免。後文帝幸許昌,見邈,問曰:「頗復‘中聖人’否?」對曰:「昔子反斃於穀陽,御叔罰於飲酒。臣嗜同二子,不能自懲。時復中之。」帝大笑,顧左右曰:「名不虛立。」


徐邈じょばく、字は景山けいざん。彼は尚書郎しょうしょろうの職にあった。当時は禁酒令きんしゅれいが敷かれていたが、彼はひそかに酒を飲み、ついには泥酔した。従事じゅうじ趙達ちょうたつが公務の件で問いただすと、徐邈はただ「中聖人ちゅうせいじん」と答えた。趙達がこれを曹操そうそうに報告すると、太祖はたいへん怒ったが、鮮于輔が進み出て弁じた。

「酔客は澄んだ酒を聖人、濁った酒を賢人と呼びます。徐邈はもともと慎み深い人ですが、たまたま酔って口を滑らせただけでしょう」

こうして徐邈は罪を免れた。

のちに曹丕そうひ許昌きょしょうへ行幸した際、徐邈に会って尋ねる。

「また中聖人になっておるか?」

徐邈は答える。

「昔、子反しはん穀陽こくようで死に、御叔ぎょしゅくは飲酒で罪を受けました。私も二人と同じく酒を好み、自分を戒めることができません。ときどきまた中に陥ります」

帝は大笑し、左右に向かって言う。

「評判は伊達ではないものだ。」



○妒妻絕嗣

賈充字公閭,平陽襄陵人也。妻郭氏,為人凶妒。生兒犁民,年始三歲,乳母抱之當閣,犁民見充外入,喜笑。充就乳母懷中鳴撮。郭遙見,謂充愛乳母,即鞭殺之。兒恆啼泣,不食他乳。經日遂死。郭於是終身無子。


賈充かじゅう、字は公閭こうりょ平陽へいよう襄陵じょうりょうの人である。妻の郭氏かくしは凶暴で嫉妬深かった。長男の賈犁民かりみんが生まれ、三歳のころ、乳母が子を抱いて廊の前に立っていた。賈犁民は父の賈充が外から入って来るのを見ると、喜んで笑った。賈充は乳母の懐に手を伸ばして子をあやした。

遠くから見ていた郭氏は、夫が乳母を寵愛していると思い込み、鞭で乳母を打ち殺した。子は泣き続け、他の乳を受けつけず、数日後に死んでしまった。郭氏はこののち一生子を持つことができなかった。



○滿奮膏汗

晉司隸校尉高平滿奮,字武秋,豐肥,內潰膚裂。每至暑夏,輒膏汗流溢。其有愛妾,夜取以燃照,炎灼發於屋表。奮大惡之,悉盛而埋之。暨永嘉之亂,為胡賊所燒,皎若燭光。


しん司隷校尉しれいこうい満奮まんふん、字は武秋ぶしゅう高平こうへいの人である。彼は肥満で、皮膚が裂けて内側がただれていた。夏の暑さが来るたびに、脂を含む汗がしたたり落ちた。愛妾がこれを集め、夜になると灯火の油として燃やすと、炎は屋根の外にまで立ち上ったという。満奮はこれを嫌い、溜まった脂を容器に入れてすべて地中に埋めてしまった。

やがて永嘉えいかの乱で胡族の賊に焼き殺されたとき、彼の身体は蝋燭のように明るく光を放ったという。




 し志怪……? いったい何が起こってるんだぜ? この辺完全に世説新語の世界じゃない? いったい何が起こってるんだ……

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