異03-05 醉共・熊穴・熊呼・劉幡
○醉共虎眠
永初中,邵都梁馮恭醉臥於山路。夜有虎來,以頭枕其背。恭中宵展轉,以手搏之,復大寢。向曉始醒,猶見虎蹲在腳後,若有宿命,非智力所及也。
永初のころ、邵都の梁の馮恭が山道で酔って道端に倒れた。夜になって虎が来て、その背に頭を枕した。恭は夜中に身を動かし、手で虎を叩いたのだが、また深く眠った。夜が明ける頃にようやく目が覚め、まだ虎が足元にうずくまっているのを見て、宿命めいたもので、知恵や力ではどうにもならないと感じた。
○熊穴辟穢
熊獸藏於山穴,穴裡不得見穢及傷殘,見則舍穴外死。人欲捕者,便令一人臥其藏內,餘伴執杖,隱在崖側。熊輒共輿出,人不致傷損,傍人仍得騁其矛。
熊は山の穴に隠れているが、その穴の中では汚物や傷ついたものはない。それを見つけた場合は、穴の外で死ぬ。熊を捕まえたければ、一人をその穴の中に横たえ、他の仲間は棒を持って崖の横に隠れるべきである。すると熊は自ら出てくるので、人を傷つけることなく、傍の者が槍を振るうことができるのである。
○熊呼字
熊無穴,或居大樹孔中。東土呼熊為「子路」,以物擊樹云:「子路可起。」於是便下。不呼則不動也。
熊が穴を持たない場合、大きな木の洞に住んでいる。東の地方では熊を「子路」と呼び、物で木を叩いて「子路よ、起きなさい」と言うと下りてくる。呼ぶ声がない場合は動かない。
○劉幡射獐
元嘉初,青州劉幡射得一獐,剖腹藏,以草塞之,蹶然起走。幡從而拔塞,須臾復還倒,如此三焉。幡密求此種類,治傷痍多愈。
劉幡射獐
元嘉の初め、青州の劉幡が一頭の獐を射止めた。腹を切り開き、草で塞ぐと、獐はぴょんと起き上がって走り出した。劉幡が草を抜くと、また倒れ、こうしたことを三度繰り返した。劉幡はこの種類の獐を探し出し、傷を治す方法を多く学んだ。
(異苑3-5)
捜神後記どのエピソードかぶりを見出したのはともかく、ここもなかなか全編にわたりオチが迷子である。なんかこの辺を組み合わせてお話作れたら面白そうだけど、志怪系はどうしても「精神史の輪郭」みたいな感覚なのでなかなか自力で遊べる気もしないのよな。まあ元ネタ提供的な感覚で。




