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小さな家
降り続く雪に煙をあげるそれは、小屋とよぶには立派すぎる、小さな家だった。
雪をのせた屋根は、しっかりと積まれた茅葺で、どうみても古くはない。
こんな山の中に、どこかの隠居が庵でもつくったのかとおもいながら、ちかよれば、薪を置く棚もあり、なんと風呂場らしき場所までありそうだ。
「 ごめん。 わしは旅の坊主だが、この雪で難儀しておってな。 すまぬがしばし、やっかいになりたいのだが 」
戸の前で声をあげると、すぐに中で音がして、若い男が顔をだした。
「 これはお坊様、こんなところでこの雪とはお困りでしょう」
山の中にすむにしては、なんとも涼やかな顔立ちで、中にはほかに人の気配はない。
ジョウカイはすこし、その男の正体を疑ったが、こちらをまねく男に、おかしな気配はない。




