前へ目次 次へ PR 44/50 道標 「 ―― きっと、アレであろうがなあ 」 真っ暗な中を、楽し気に先をゆくジョウカイのあとに、あかりをもった男がつき、いつもつかう山へと続く道をたどる。 しばらくゆくと、『街道』へ出る道と、『峠』に続く道へわかれるばしょになり、立ちどまった坊主が、おお、とわらうような声で、男をてまねいた。 「 ―― ほれ、このとおり、雪がとけておる」 まねかれしめされたのは、そこにいつもある石の道標(みちしるべ)だった。 みれば、たしかに、石のまわりだけ雪がとけている。