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では入れ
「 そうか、ふむ、その足ではさむかろうて」
下駄をはいた足は、やはり足袋もはいていないが、着物は絹の上等なものを着ている。
だが、結った髪にはかんざしもなく、そまつな櫛だけがささり、顔は、 ―― たしかにゆがんでいた。
たしかめたジョウカイはまんぞくそうにうなずき、では入れ、と女に、土間でもえあがる青い火をさした。
頭をさげた女は戸をくぐり、そのままひきよせられるように、青い火へと足をむける。
「 あ、熱くは、・・・・」
おもわず声をだした男に、ジョウカイはただうなずいてみせた。




