23/50
でてきた女
男たちは慣れたもので、正体を知ったうえで相手をしてやるらしい。
そういうことならば、と男も相手をしてやることにした。
戸をあけてみれば、やはり女が立っていた。
が、その顔をみて声をのみこんだ。
女は、夢にでてきた女だった。
いそいでふりかえり、紙に画いた女を確認する。
もしや、あの紙から抜け出てきたのでは、とおもったが、あの画は、そのままだった。
「 さむうございます 」
「は? あ、はい、では、どうぞなかへ」
おもわずひきいれてしまってから、雪がふりつもるあたりをみまわす。




