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え~、ご指摘をいただく機会がございまして改めて自分の作品を1から見直しております。


少しでも皆様に読みやすい様にと随時、編集を行っています。また、付け足しがあったりした部分等もありましたので、少々変わっているかも!?


楽しみにして頂けるように頑張って行きますので、今後ともDead Walkをよろしくお願い致します。

 夏の暑さに輪をかけてユラユラと燃える炎がコラボし、周囲の暑さを加速的に上昇させている。


「フフ...はははは!!!...あははははは!!!」


高らかに叫び笑いをかましている()()の少年は冷静さを失っている。高揚しきった体は異常な程にまで心地が良い!!


「あーあ...」


しかし、そんな気分は一瞬にして冷めていく。地面に横たわっている女性陣はすぐに目を覚ます気配はない。

よっぽどの衝撃があったのだろう...眠るように意識を失っている。

最悪、死んでいるかもしれない。


しかし...


「助けるのか?...裏切り者かも知れないのに??」


武装集団なんてものは単純に考えてそうそうポンポン出てくるようなものではない。そもそも、日本では銃が扱える人達は更に絞られていくのだ。

       

       見捨ててしまえばいいOr見捨ててはならない


天使と悪魔が脳内で殺し合い、互いを無残に傷つけて己の主張こそが『正義』だという。


「見捨ててしまえばいい...どうせもう、誰一人としてこの先を生きる意味はない」


 亡者となった人々が闊歩する、そんな世界でただの人間はどうしろと言うのだろうか。生きていることさえが厳しくなっていく。

人間という種族が生きるには随分と過酷になってしまった。

食料問題、居住場所、水分。山積みのように問題は襲いかかる。


「...でも、ここまで諦めずに来たのにか?せっかく救われた命を無駄にしていいのか?そもそもそんな権利が俺にあるのか?」


確実に裏切り者である可能性が断言できるわけではない、ましてや自分の肉親や一緒に困難を乗り越えてきた友人がいる。

別の裏切り者の可能性もあり得る訳だ。巧妙な罠であるとすれば?どれほどの策略が交錯しているのかも分からない現状だ。


どちらにせよ助けて貰っていることに変わりはない。それを決めつけで殺す?それは人として正しい『選択』か?


依然として、轟々と勢い良く逆巻く火柱は容赦なく黒煙と火花を俺に向けてたんまりとプレゼントしてくれる。


「ゲホッ!!ゲホッ!!」


ふと、ここで自分が立っている地面におかしな点があることに気づく。


「なんだ?これ?地面が濡れている?」


水を撒いた記憶はない、ましてやこの炎熱の中で水が蒸発しないわけはない。

だとすれば、車などが放置されていることをことを考えると...。


更に言ってしまえば護送車が爆発までしている。

答えは簡単だ、ガソリンが漏れ出している...。


「てことは、引火すれば一瞬で死ねるってわけか」


余裕があった時の状況とは打って変わって俺の顔色は一変する。


「...後味が悪くなるくらいなら!!!俺は!!!!!!!」


簡単に決めつけて、見捨てる位なら救ったほうが後味もいいし後悔する選択はしたくない!!!


「犠牲者を増やすもんか!!!無駄にしてたまるか!!!」


協力して『生きる』ことを選択してきた。抗うことを決意し、人間の強さをみせつけてやるのだ!!!でなければ、如月の『犠牲』さえも無下にしてしまう。そういう訳にはいかない!!


「まずは、鈴羅!!!!お前からだぁ!!!!!!」


急ぎ足で駆け寄って、鈴羅の体をを持ち上げようとした...

勿論、女子であることを配慮する。

見知った人間に触れられると分かっていても抵抗があるのは確かなことだし、迂闊に女子に触れていいものではない。


だがこれは緊急時だ、許せ。


「あれ...?おいおいおい!!!ちょっとまて!!」

あまりに衝撃的すぎて俺自身が驚きを隠せない。

全身から力が抜けているにも関わらず、人間という重さが尋常でないことにここで気づくのだ。

当然鈴羅は太ってなどいない。ましてや、華奢な筈なのだが...。


これが、人の重さであり...命の重さでもあるのだろうか。


「んんん!!!!!!ぎぃいいいいいいいいい!!!!クッソ!!」


奥歯がギリギリと悲鳴をあげるほどに全身の力を最大限にフルバーストで発揮するが、上半身を浮かせて引き摺るのが精一杯だ。


「うおぉぉぉおおおおおおおおおらああああ!!!!」


噴水のように吹き出る汗を拭いながら力の限り、全力で彼女を安置へと運ぶ。

時間に換算すれば5分といったところだ。


「はぁ...はぁ...畜生!!もやし過ぎるだろ!!何をやってたんだ俺は!!」


1人を救出するだけで信じられないほどに全身が悲鳴を上げている。力を出し過ぎたせいか、足がガタガタと震えて笑っていやがる...。

両腕は微塵も鍛えていないので当然、だる~んと重くなっている。


「余裕でもなんでもねぇ...はぁ...急がねぇと...」


両手で頬をしばき倒して、気合を入れて二人目の多々良の救出を開始する。


「ふ~~~...おりゃぁああああああ!!!!」


叫ぶと同時に無理矢理に闇雲に彼女を引き摺る。もはや、格好がどうとかなどと言っている場合ではない。

フラフラになりながら、多々良さんも救出に成功する。


「ぐへぇ...はー...ら、ラストぉ...」


 目覚めてから30分程は経過しているだろうか、流石にこれだけ一気に動けば全身の疲労は信じられないものだ。

煙を吸い込んでしまった影響もあるのだろうか...頭もクラクラしている。

だが、ここで諦めることは出来ない!!諦めてしまえば今までの努力も何もかもを捨ててしまうことになる。


「ま...待ってろ。かあさん...」


ただ突っ立ているだけ...それだけでも俺の肺はこれでもかと言わんばかりに酸素を貪る。

手の感覚?足の感覚?そんなものは分からない。


「スゥー...」


ダメになる前に全神経を集中させる。強い意志を持って!!東京に俺たちは行かないと行けない!!!

多々良さんを救う為にも!!如月を見つける為にも!!!


「うおあああああああああ!!!!!!」


再び何千、何万と目を覆いたくなるような蛇の群れのようにユラユラと揺れながら盛る死地へと飛び込んでいく。


「ぐあ!!!熱い!!!」


ガソリンが撒き散らされた地面と炎の位置は精々1メートル前後といったところだ。ろくに鍛えることもせずにのうのうと日々をチャランポランに生きてきた俺の力と体力はどこまで持つのだろうか...。


「フンッ!!!!!んんんんんんギィィィいいいいいい!!!!!!!」


 再び奥歯を食いしばり、力のある限り上半身を持ち上げて引き摺る!!

食いしばった口からは無意識に唾液が零れ落ちる、折角新しく着替えた服も自分の血やら汗、土汚れやらでボロクソもいい所だ。

実際問題、服のことなんて気にしている場合ではない!!


「ううううううううううおおおおおおおおおらああああぁああ!!!!!」


無事に全員を救出することに成功した。精根尽きかけの俺は大の字でゼーこらゼーこら言いながら達成感に満ち溢れていた。


「あー...でも、色々聞きたいことが出来ちまったな...」


ドォオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!


少し離れた場所で一際デカイ爆発音が鳴り響く。

どうやら、ガソリンまみれの地面に到達した炎が引火したようだった。


「は、ははは!!!見やがれ!!助けたぞ!!!うっしゃぁああ!」


諦めずに頑張った成果だ!!!見たか!!コノヤロウ!!寝転んだままガッツポーズを穏やかな表情で気を失っている鈴羅に向けてみせつけてやる。

その後に、頭がボーっとし始める感覚が広がり、やがて全身の機能を著しく低下させる。


「あー...やっべ。また意識飛びそう...」


次第に瞼が重くなり、ゆっくりと閉じかけた...


その時だ。


「イチチッ!!ったく!!はぁーあ!!悪運だけは強いなぁ!!アタシは!!」


ムクリと起き上がったのは俺の母親だった。


「よぉ!!ブザマ晒してんじゃねぇーか!!カハハハッ!!!」

「はぁ?なにがブザマだよ!?大変だったんだからな!!」

「おうおう!!それはご苦労!!」


立ち上がった母親の灼髪しゃくはつがふわりとなびく。


「なぁ、かあさん。」

「お?なんだ?遺言かぁ!?」

「ちげーよ!!でも、さ...少し寝てもいいか?」


何故か母親の()()が欲しいと感じた。

ニッコリと笑顔で『おう!!寝てな!!』的なことを言って欲しかったのかも知れない。いや、欲していた。


「それはだめだ...」


何処か先を見据えた母の横顔は凛々しく、遠くを見つめていた。


「え?は...ははは...冗談だろ!?だって俺もう...」

「なぁ?バカ息子、お前は何処に行くのが目的だ?」

「ど、何処って...そりゃあ、東京の地下だろ?」

「あぁ!!正解だ。では、ここは何処だ?」

「何処って...愛媛だけど?」

「なら、お前はまだ目的地に到達していないってこった」


たしかにそうだが...こんな体では、何1つ役に立つことなど...。


「いや、俺はもう...動けないぞ?かあさんが後は運んでくれ」

「1つお前に社会の厳しさを先輩として教えてやろう」

「勘弁してくれよ...」

「社会ではなぁ...必ず、踏ん張りどころってのがあんだよ。そこで頑張んねぇと...ん~っと、そうだな。例えば社会人になった時に!!!昇格とかしなくなるぞ!!!」


「んだよそれは!!!そもそもこんな世界になって正社員とかあんのかよ!?」


「よぉし!!そんだけ声が張り上げれるなら上出来だ!!おら!!社会人の大先輩が手を差し出してやる!!同じ様に地面を踏みしめて立ち上がれ!!」

「あーーーもう!!わかったよ!!」


しっかりと母親の手を掴んで、再び二足で地面を踏みしめ立ち上がる。


「あ~あ、休めなかった」

「バカ言ってんじゃない!!3分も休めたじゃないか」

「それは休んでるとは言わん」

「ゆとりが!!!」

「言ってろ...」


母が見つめる先には1体の亡者が立ち塞がっている。まぁ、あれだけ声を張り上げたり爆発音がすれば亡者も寄って...


ほんの軽い気持ちで巡らせた考えだったが...冷静になってみると生きた心地がしない...。


「1つ聞くが...アタシらを運ぶまでの間にどれだけ音が出た?それを確認させろ」

「あー...えっと...そのー、だいぶド派手に」

「...」


一言も母からの返事はなかった。


「アタシらが撒いた種だ。しっかりと片をつけるぞ」

「あ...デスヨネー」

「腰にあるグロック17を取れ!!」

「え?なに?」

「いいから!!お前さんからみて右の腰にある銃だ!!取るんだ!!」

「わ、分かった!!」


言われるがままに銃を持ち、ゆっくりと歩を進める1体の亡者に照準を合わせる。


「セーフティを解除してないからな。それじゃ撃てもしないぞ?」

「解除してくれ!!わかんない!!」

「貸せ!!」


手早く銃を俺から取り上げて、何やら手を動かす。


「ほら、ここがセーフティだ。この銃をお前にやるから解除の仕方くらいは理解しとけ」

「お、おう」

「後!!素人が片手持ちでなんて撃とうとすんなよ!!脇を締めてしっかりと両手で包み込むように!!」

「は、はい!!」

「姿勢もなっていない!!足は肩幅に!!常に姿勢を崩されないようにしろ!!でないと咄嗟の判断時にバランスを崩してお陀仏だからな!!」

「洒落にならんわ!!」


じんわりと、手汗が出てきている。今は1体だけだが、あれだけの音が鳴り響いている。どの範囲まで音が届いているか...考えるだけでも恐ろしい。


「後、弾丸を撃った後の反動には気をつけな!!薬莢がスライドして飛び出すからな!!スライドする時に手を怪我しないことだな!!」

「おーけー!!んじゃ、とりま餌食になれや!!」


構えて撃つ!!意気込んだ瞬間だった。


「ダメだ!!」


左手で母親の制止命令が下された。


「え?」

「よーく観察しろ、状況を見ろ。あの亡者は」


「変異種だ」


「変異種?」

「見てくれでわかるだろう!?今までにあんなにご立派な膨らんだお腹をした奴はいたか?それに!!目に見えておかしな部分があるだろう!!」

「口が変だな」


普通の人間が備えている口とは似て非なる形状...例えるならば...


「顔の半分くらいが口だな...まるで...」

「楽器のラッパみたいだ...」

「はは...笑えねぇ!!」


途端、異質な亡者は腹部を肥大化させる!!

空気を含みパンパンに膨れた腹部は全身を覆い隠す!!


「撃てぇ!!!やばいやつだ!!!!」

「あぁ!!」


バンッ!!バンッ!!!バン!!バンッ!!!バン!!バンッ!!


合図に合わせてソッコーで対応するが...


「なんだ!?あれは!!!」

「弾丸が通用しない!?」


膨れ上がった腹部は弾性に特化しているのだろう。ブヨンブヨンと弾丸を流す。


「クソッタレがぁ!!!!!!」

「これって...あれ...だよね」


口の形状はラッパ、それに踏まえてパンパンに空気を溜め込んだ状態とあれば...もう大体の察しがついてしまう。


ブアァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!


「あーあ...」

「まぁ、そうなるよな...。」


 距離にして200メートル弱と言った所だろうか...それだけ離れていてもガッツリと耳に伝わる不協和音...。

間違いなく亡者が寄ってくるだろう...。


腹の空気を出し切った変異種はそのまま見るも無残に木っ端微塵になり、何事もなかったかのように土に成り果てるのだった。


「最悪だ...」

「さて、バカ息子。ここで選択肢は二つほどある」

「あー...えっと、あれをどうしろと?」


遠くの方から黒っぽい大群がユラユラと現れる。


「アタシら二人で片をつけるか、何処かに身を隠すかだな」

「生存率が高いのは?」

「さぁ?さすがのアタシでもどっちがどっちやら...まさにお手上げだな」

「かあさんはあの大群を殺れるか?」

「馬鹿言うな!!!二人だけであんな数を殺れんならとっくに軍隊だわ!!」


後ろは火の海、前は死屍の軍勢。おまけに此方の動ける人間は2名...。

ともすれば導き出される答えは1つとなる。


「身を隠すしかない。車内に入ろう」

「まぁ、奴らは目が見えるわけじゃないからな。それがいいだろう」


しかし、この作戦には大きな欠点が存在する。


「大分不利な賭けになるがいいんだな?」

「いいも悪いもそれしかない...」


そう言って、俺と母は気を失っている二人を協力して肩にかけ、大きめの白いワゴン車へと身を隠す。


「夜になってもあの軍勢が通り過ぎなかった時は...覚悟しろよ...」

「そんときゃ仲良くお陀仏しかないかもな」

「言っとくが洒落になってないからな...」

「...わかってるよ」

「何としてでも、夜になる前には松山空港に行くぞ」

「色々博打すぎて、生きた心地がしないな」


大群は速度を緩めることなく歩を進める。何重にも重なった影は次第に大きくなっていく。


「まて、後ろって火の海だよな...」

「それってつまり...」


~選択~ END To be continued

もっと、こう...ハラハラ感ですとか、超絶熱い展開とかを書きたいのですが...いかんせん暗い方へ暗い方へ持ち込むのが私は好きなようです。


後は、容赦なく『殺っちゃうのも』私のいけないところかもしれません。とは言ってもですよ?基本はただの一般人が頑張っているわけですから...多少はね?仕方ないよね?


てなわけで、次回でお会い致しましょう!!またの!!

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