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ここにいる意味

またしても、長らくお待たせ致しました!!ようやく続きをお見せできました。


更新頻度はなかなか超絶のんびりペースですが、ひっそりと執筆はしておりますので今後もよろしくお願い致します!!

「...きなさい!!」

「先輩!!...おきて......さい!!」


 遠くの方で微かに聞き慣れた声がする、俺をどうやら起こしているようだ。モヤがかかった状態の意識で俺は無意識に反応をする。


「んっ?...あぁ...これは夢?」

しかし、前にも1度だけこんなことがあった気がしたのだが...いや!!あった!!確か倉庫で眠った...


「ガッハッ!!!!」


 思い出しかけていた物も全てが吹き飛ぶ程の衝撃が俺の腹部に与えられ、呼吸困難に陥る。たまらずに見開いた瞳に写るのは、ニッコリと笑顔のままで俺の腹部にグーパンを捩じ込ませている鈴羅さんであった。


「目覚めの気分はどうかしら?ねぇ、峰島」

「なんでや!!鈴羅!!せやかて鈴羅!!眠いものはね.....」

「くぁwせdrftgyふじこlp」

問答無用の鉄拳制裁...どうやらこの手のギャグはお気に召さないようだ。


 中々に強烈なパンチを無防備前回の姿で喰らうと、かなりダメージがある。その様を『あわわ~』と言う吹き出しが出そうな感じで多々良さんが見つめていた。


「寝起きから早々グーパンをなんで2回も食らわねばならん!!」


「なんで?答えは簡単よ...私は貴方が嫌い...だから」

「んだよ!?その理不尽な解答は!!」

 寝起き早々、こんなことを言われるとは思わなかった。そもそも...待て、鈴羅は俺のことが...『嫌い』なのか...。

「冗談よ。1回目は貴方が中々起きなかったから」

「に、2回目は!?」

「何となくヤバイフレーズが聞こえたから」

「んだよ!ったく」

理不尽極まりない答えに少しムスッとなってしまう。

「まぁまぁ、ふ、二人とも落ち着いて下さい」

それをみかねたのか、ようやく輪の中に多々良さんも入ってくる。


 ようやく口を開いた多々良さんであったが、ここでふと女の子グループの服装が新しくなっていることに気付く。

 制服から二人は動きやすいジャージに着替えており、上着として多々良さんが青いパーカーで鈴羅さんは赤いパーカーを着ている。非常に動きやすそうで良い服装と言える。


「おー、制服やめて着替えたのか」

「えぇ、そうよ」

「せ、制服より断然動きやすくて良い感じですよ」

そう言って多々良さんはフードを被ったまま、ポケットに手を突っ込んでくるりと可愛らしく1回転して新しい服にご機嫌なご様子だ。


「まぁ、悪くは...ないわね」

強がった感じの鈴羅さんであるが少し照れくささがあるのが分かってしまうのだが、それは言わないでおこう...。


「二人ともスゲー似合ってるぜ!!」

「あら、そう...ありが...とう」

「あ、ありがとうございます。」

そんな返事が二人からは返って来たのだった。


「取り敢えず、風呂に貴方も行ってきなさい。ニーナの生存よりも重要な話をしないといけないから...」

「え?話って?」

先程の和やかな雰囲気は一瞬で掻き消され、雲行きが淀んだのを感じた。


「はなし......!!」

「いいから、先に風呂に行きなさい!!あんたの服も用意してあるから!!はやく!!...話はそれからよ」

「行ってきて下さい!!峰島せんぱい」


「わ、分かったよ」

鈴羅さんには急かされ、多々良さんは哀しげな表情ではにかんだり...全くもって意味が分からないが。言われるがままに風呂場の場所を聞いて、そのまま向かうのだった。




 勿論、風呂に入っても鈴羅さん達のことが気になりすぎてのんびりとしたい気分にはなれず。すぐに全身をくまなく清潔にした後は、湯船に3分ほどしか浸からなかった。二人して神妙な表情をして、一体なんだというのか。


「ふぅー!!スッキリした!!」

風呂場から出て、洗面台で歯を磨いて制服はそのまま捨てることにする。そして、準備されていた服は鈴羅さん達とお揃いで色違いの黄色いパーカーが上着として置かれていた。


「っと、確かに...動きやすくていい感じだな」

短い感想を呟いて、風呂場を速攻で抜け出して重要な話を聞く腹をくくるのだった。





「うっす、待たせた」

控えめな感じで俺は話を聞く体勢はできていると鈴羅に訴えるのだ。無論、すぐにそれを感じ取った鈴羅さんは口を付けていたペットボトルをテーブルに静かに置いて、話す体勢になる。


「まずは、当の被害者であるゆいちゃんが説明をしてくれるかしら」


「はい...わ、分かりました」

「な、なんだよ...被害者って」

ハッキリ言って話が全く見えてこない。


「私は、亡者であった姉に腕を噛まれました...なので、近い内に...私はわたしでなくなるかもしれないと言うことで...」

反射的に俺は言葉遮ってしまった、『噛まれた』二度と聞きたくないフレーズだ。


「やめろ!!!!!!」


「きゃっ!!き、急に...そんな...峰島せんぱい?」

「遮ろうともなんであろうと...事実よ、受け入れなさい峰島」


「ちょっと...黙ってろ。鈴羅」

抑えようのない焦りが全身を駆け巡る。()()()()、たったそれだけのことでも今は生死を分ける話なのだ。


「逃げてもなにも解決にはならないのよ?」

「なら、俺は彼女を救う!」

「無茶よ」

「黙れ!!!!東京のでかい病院ならワクチンがあるかもしれねぇだろうが!!!!」

尚も真実をあっさりと突きつけることのできる鈴羅の冷静さ?いや、違う...冷酷さだ。何1つ感じるものはないのかと思ってしまう。


「あの...二人とも...」

「どうかしら?最初からあればなにも問題なんてなかったはずよ!!」

「見つけずに見殺しにするよりは価値のある賭けだ!!!!」


「......あなた...そんなことを言うのね」

「当たり前だ!!!!多々良さんはまだ元気にこうしているじゃねぇか!!諦めんな!!」

そうだ!!簡単に諦めることなど出来ない!!!なにせ彼女は今もこうして隣にいるのだ!!!それを見捨てるなど!!できるわけがない!!


「だったら...何故あの時、貴方は如月の時にも同じ提案をしてくれなかったの...」


「...い、いや、あれは...」


 唐突に告げられた言葉は俺に重くのしかかり、なにも言えなくなってしまう。確かに、その通りだったのだ。あの時に冷静に思考する選択をしていれば...あいつは...あいつは助かったのかもしれない。

だが、過去には戻ることはできない...失ってしまったからこそ、更に俺は慎重になっている。それに、如月も死んだと断定はできないはずだ。

「あれは...なにかしら」

「あの時は、冷静でいられなかった...仕方なかったんだよ!!」


「愚かね」


その一言はあまりにも卑怯で最悪の返事だった。


「んだと!!鈴羅!!!!さっきからお前は!!!!何なんだよ!?」

「別に...なにも、ただ愚かな奴が自覚していないから教えたまでよ?なにか文句でも?」

フツフツと怒りがこみ上げる。一体こいつは何様のつもりだ。


「いいかげんにしてくたざい!!!!ゆずりは先輩も言い過ぎです!!」

とうとう、多々良さんまでもが怒り出す始末となる。さながら仲間の関係はかなり酷い状況と言えるだろう。


「そ、ならいいわ。これ以上蒸し返してもただの戯れ言にしかならないもの」

「戯れ言...だと!!てめー!!!!鈴羅!!さっきから聞いてぇりゃあ!!何様のつもりだ!!あぁ!?」

鈴羅の一言一言が俺の怒りを上昇させる。普段ならばこんなことはありえない!!なのに...。


「は?愚かな貴方はそれすらも記憶から抜け落ちたのかしら?いいかしら?私はあなた方の命の恩人よ!!誰のおかげでここまで生きてこれたと思っているの?勘違いもここまでくれば最早狂気ね!私がいなければとっくに終わってたのよ!!分かる?分かるわよね?この意味が!!にも関わらず!!感謝どころか逆ギレ?ふざけんじゃないわ!!」

今までの溜まっていた鬱憤を晴らすように鈴羅さんはまくし立てる。


「お前...それは本気で言ってんのか...」

彼女の言葉は酷く一方的で、とてもじゃないが...擁護しきれない。


「えぇ」

「見損なったよ...鈴羅」

自然とそんな言葉が漏れていた。


「勝手に期待して、私を頼りまくったのは貴方の方よ」

最もな返答が俺の心を更に鋭く尖ったものが抉る。


「あぁ、そうかよ!!ったく!!なら、もういいさ。お前には頼らない!!東京では俺一人でも多々良さんを救う方法を探す!!」

そこまで言うのであれば此方も意固地になる。1人で救う方法を探ることになっても俺は構わないと考えた。


「好きになさい...どうせ助かりはしない...」


「あ、あの...ゆずりは先輩。あまりにも酷すぎます!!」

「そ、それならばそれで構わないわ」

「そんな言い方...」


 やり場のない怒りと悲しみが一気に俺を包み込んで行き、なにもかもが崩れていく...信頼も、友情も、希望も、生きる意味さえも...全部、なにもかも。どうしてこうも人と人の繋がりというのは単純に行かないのだろうか...。

積み上げてきた信頼や、友情が一瞬にして傾いてしまう。あまりにも『壊れるのは』簡単過ぎる。


「俺達は生きなきゃならないんだ!!憐架の分まで!!」

「意味すら見いだせないこんな世界で?」

「うるせー!!黙れ!!」

「なら、私に教えてよ...私達自身がここにいる意味を」

意味?そんなものは生きていないと見つかるものも見つからない、そもそもそれを知るために俺たちは今も生き抜こうとしているのだ。


「仲間を助けずにあの時もウダウダ話をしていたテメーにはわかんねぇよ!!そして、今も...これからもな!!」

自分でも言ってはいけないことと理解しながらもそれを口にしてしまった。掘り返さなくてもよい過去を引き摺り出してきてしまう。


「峰島、きっと貴方は酷く絶望することになるわ。東京に着いた時に私達は更に実感するはずよ...」

「なにが言いたいんだよ!」

全てを理解しているような口調で話すな!!!遠回しに言う必要性はどこにもない!!


「私と貴方は東京に着いたら別行動にしましょう。どうやら私と貴方では噛み合わないわ」

そう言い残した彼女は、振り返ることなく何処かへと向かうのだった。今までさんざん強力をして乗り越えてきたというのにか?一体、俺に何を求めているというのだろうか。


「アンタがその気なら...」

「あ、あの...峰島せ...」

「大丈夫だ!!心配すんな!!俺一人でもなんとかなる!!」

とは言え、1番辛い立場なのは噛まれた本人だ、これ以上不安要素を持ち込むわけにはいかない!!半ば強引にではあるが、スパッと話をきってやる。


「は、はい」


なんとも言えない空気のまま俺と多々良さんはその後、空いている部屋に移動するのだった。劣悪な空気のまま互いの想いはぶつかったままなにも解決しないのだった。


~ここにいる意味~ END To be continued

迫る、東京回帰...。


次回では、かなりキャラの癖が強かった。彼が...登場予定です。


更に、多々良さんにも『変化』が起きてきます。


ではでは、次回もお会いできることを楽しみにしております...それでは、次の物語にて...。

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