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エピローグ

薄明かりの中で目を開けると、遠くで小さく救急車の音が聞こえた。

山手通り沿いの部屋は二重窓にはなっているが、それでも車の音が聞こえる。


隣で寝ているはずの謙を探す。布団をはいでいないだろうか。

謙はダブルベッドに対してほぼ垂直になる形で、頭をこちらに寄せていた。

おかげで美結のスペースはほとんどなく、ベッドから落ちてしまいそうだ。

壁際の一樹は器用に、謙の身体の幅の分だけ足元にずれて気持ちよさそうないびきをかいている。


謙は案の定、布団はかぶっていなかった。

仰向けで脇を広げ、軽く閉じた両手がバンザイをするように頭にむかって伸びている。新生児を思い出させる寝姿が微笑ましい。

頬を触る。12月の夜の室温で冷たくなっている。一瞬不安になるが、首元はとても暖かい。

起こさないようにそっと謙の位置を直し、布団をかけた。

穏やかな寝顔。丸みを帯びた愛らしい額の下で閉じた睫毛は長く、少しあぐらをかいた鼻に、しっかりと閉じた唇。まだ2歳にならない頬は張りがありながらもふっくらとして、まるで桃のようだ。

日中どんなに振り回されても、寝顔はやっぱり可愛いなぁ。そう思うと同時に、ふと怖くなった。

この子を殺すことを考えていたなんてーー

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