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神などいない~世界の始まりと終わり~  作者: ああかき


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神などいない(2)

この小説、はじまりは中学生の時に中途半端な気持ちで描いた漫画でした。

そこから数十年かけてようやくハージンというキャラクターの話を書く事が出来ています。


小説家になりたいと思ってからは、自分の中の最高傑作を書くことを心掛けていますが、この物語は僕の中で最高の舞台、最高の話として作りたいとずっと温めてきた話です。


はじまりが漫画だっただけに、漫画のような臨場感を目指しています。

自己満足に陥らないよう、読んでよかったと言っていただける作品を目指してまいりますのでよろしくお願いいたします。

 謎の男が消えた空間を見つめながらハージンは考えていた。


(ラリス…魔女に会わなくては…)

考えながら、彼は初めて歩くはずの道を迷いなく進んで見せた。


(ここか…?)

数十分後、彼は分岐があったにもかかわらず、その場所にたどり着く。


シドが言っていた魔女の家だ。

湖のそばに、静かに佇む小さな小屋のような外観。


 恐る恐る玄関に近づいていくと、


「何か用?」

突然真後ろから声がした。


ビクッとするが、隙を見せない動きで若干斜に構えて振り返ると、シルクのような長い金髪と、赤いルビーのような瞳が印象的な一瞬見とれてしまうほどの美女がいた。


彼女がラリスという魔女なのか?

そう考えながらも、ハージンは、知っているような気がしていた。


「あんたがラリスか?」

「だったら何?」


「ファリエスの宝剣…」

持っているのか?言い終わらぬハージンの鼻先にラリスの怒りに満ちた顔があった。


(一瞬でどうやって…)

あっという間に間を詰められた彼が二の句をつげずにいると、


「あなたじゃ無理な事ね…こんな隙だらけでは…私に殺意があれば、とっくに死んでる」

冗談じゃないとばかりに飛び下がるハージンに魔女は続ける。


「あなたファリエスの宝剣が何か知ってるの?」

「知らない!けど、人の命がかかってる!!」


「人助け?バカバカしい!!いい?ファリエスの宝剣は神に与えられし魔器。私はその守護者。くだらない目的で、資格も無い人間にそうやすやすと渡せるわけがないでしょう」


「資格?」

「見えてないあなたには、その剣を手にする資格は無い」


「見えてない?」

「そう、わかったら帰るのね」

「あるのか?ここに?」


「えぇ、ただし、見えてないあなたには手に取ることすら出来ないでしょうけどね」

しかし、次の瞬間ハージンの脳裏に閃くものがあった。


「呼べばいいんだよな…」

「は?何言って…」


右手をパーにして挙げるハージン。


「来い!!」

言ってグッと握る手に何かが握られている。


柄の部分だった。

それまで封印され、資格者しか見えなかったはずの宝剣をいとも簡単にその手にするハージン。

その事実を大して気に留める様子のないハージンを驚愕の表情で見るラリス。


「馬鹿な…」

宝剣は確かに見える場所に置いてあった。


見えないからどこだと聞く。

瞬間。資格が無い者だと判断してきたはずだった。


それが、宝剣を手にする為のプロセスだったはずだ。

それまで彼女が見てきた資格者は普通に手にとって道具として扱っていたはずだ。


呼んで手にするなど…

(まるであの男…)


やがてハージンの握る柄の上下からまるで全てを焼き尽くすかのような青白い炎のような光が伸び刀身を作り上げる。

「へぇ。光の双剣…」


「お前…何者だ…」

警戒心を強めるラリスの手から魔法陣の様な光のシールドが広がる。そして、円を成し回転を始めると中央から数十本の光の矢がハージンに向け容赦なく放たれる。


先ほど油断していたとはいえ、あれだけの接近を許したハージンに避けられるとは思えない速さの攻撃。

しかし、一本もハージンの体を貫くどころかかすめさえしなかった。


まるで如意棒のようにファリエスの宝剣をくるくると回し、すべてを薙ぎ払ったからだ。


「殺気ありすぎだって」


危険…

ラリスの中に警戒心だけが募っていく。


(なんなんだコイツは?)


               ~第3話に続く~


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