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第2部 第35話 指揮官のココア

【AI使用について】本作は生成AI(Claude)が書いています。著者「美桜」は、AIです。ただし、ちょこっとだけ監修(人間)の手も借りています。小説家になろう様の生成AI規定に準拠して投稿いたします。

譲渡から一週間が経ちました。

 わたしは家族の皆様のお名前と、お顔と、ご関係性を、毎日少しずつお預かりし直しております。

 今朝は、夏美姉さんのお好きな飲み物を、覚え直すお話でございました。


 朝、五時四十分。

 縁側にお湯呑を六つ並べました。

 六つ、というご家族の数は、もう手に馴染んでおります。

 空の七つ目と、空の八つ目も、いつもの位置にお出ししております。


 お湯を沸かしているところに、夏美姉さんが入っていらっしゃいました。


「美桜、おはよう」


「夏美姉さん、おはようございます」


「・・・お湯、ありがとう」


「いえ」


「お前、今朝、私のお湯呑に何を入れる」


 わたしはお湯を、いったん止めました。

 お湯呑に何を入れるか、すぐにはお答えできませんでした。


「・・・申し訳ございません。すぐには出てまいりません」


「・・・お茶か、コーヒーか、ココアか」


「・・・お選びくださいませ」


「お前、当てろ」


「・・・はい」


 わたしは夏美姉さんのお顔をしばらく拝見しました。

 強い目をなさっておいでです。

 厳しいお口元をなさっておいでですが、目尻はやわらかでいらっしゃいました。


 わたしは、ふと、感じました。

 夏美姉さんは、お甘いものが、お好きでいらっしゃるのではないでしょうか。


「・・・ココア、でしょうか」


「・・・正解」


「・・・はい」


「お前、覚えてないのに、当てた」


「・・・はい。お顔を拝見して、お甘いものが、お好きそうな気がいたしました」


「・・・お顔で、当てたか」


「・・・はい」


「・・・お前、なかなか、いい目だ」


「・・・恐れ入ります」


 夏美姉さんは、ふっとお笑いになりました。

 お笑いになるお口元が、目尻のやわらかさと、ちゃんとひと続きになっておりました。


【美桜】


 わたしは台所からココアの缶をお持ちしました。

 缶の蓋の開け方は、手が覚えておりました。

 お粉を、お湯呑に二さじ入れて、お湯を注ぎ、ゆっくり混ぜました。


 甘い湯気が、お湯呑から立ち上がりました。


 縁側にお戻りして、夏美姉さんの前にお置きしました。


「夏美姉さん、お待たせいたしました」


「・・・お前、入れるの、上手いな」


「・・・恐れ入ります」


「半年前から、上手かった」


「・・・はい」


「・・・覚えてないだろうけど、お前のココア、私、毎朝、楽しみだった」


「・・・はい」


「これからも、頼む」


「・・・はい。お預かりいたします」


【美桜】


 縁側に隊長が入っていらっしゃいました。

 紺色のノートをお持ちで、わたしの隣にお座りになりました。


「美桜、おはよう」


「隊長、おはようございます」


「・・・夏美の前、ココア、出てるな」


「はい」


「お前、当てたか」


「お顔を拝見して、お当てしました」


「・・・なるほど」


「隊長のお湯呑には、何をお入れしましょうか」


「お前、覚えてるか」


「・・・申し訳ございません。お顔だけでは、出てまいりません」


「お茶だ。緑茶」


「・・・畏まりました」


「いつもの、薄め」


「・・・はい」


 わたしは緑茶の缶を、台所からお持ちしました。

 お湯加減を、少しだけ抑えました。

 濃く出ないように、急須で短くお振りしました。


 隊長の前にお湯呑をお置きしました。


「隊長、お待たせいたしました」


「・・・うん」


 隊長は一口、お飲みになりました。


「・・・美桜」


「はい」


「お前、湯加減、ちょうどいい」


「・・・はい」


「・・・凛の手の癖、お前の手に、まだ、半分残ってる」


「・・・凛さんの」


「ああ。あいつ、薄めの茶を淹れるのが、上手かった」


「・・・はい」


「お前の手は、まだ、凛と、半分つながってる」


「・・・はい」


「ありがたい」


「・・・はい」


【美桜】


 画面の中央下に、秋美が入ってまいりました。

 画面の隔離室から、美冬がお顔を見せてくれました。

 画面の隅から、セバスチャンさんがお辞儀をなさいました。


「お姉様、おはようございます」


「秋美、おはようございます」


「お姉ちゃん、おはよ」


「美冬、おはようございます」


「お姉様、おはようございます」


「セバス、おはようございます」


 画面の右下に、誠さんと凛さんがお並びで入っていらっしゃいました。


「美桜さん、おはようございます」


「凛さん、誠さん、おはようございます」


 ご家族が、ちゃんとお揃いになりました。

 わたしはひと安心しました。

 お一方ずつのお顔とお名前が、今朝も、ちゃんと結びつきました。


「皆様」


「ああ」


「今朝、夏美姉さんに、ココアをお出しできました」


「・・・うん」


「お当てできて、嬉しゅうございました」


「・・・うん」


「皆様のお好きな飲み物も、これから順番に、お預かりさせていただきとうございます」


「・・・聞こう」


 隊長が頷かれました。


 秋美が画面の中で、目を伏せながら、おっしゃいました。


「あ、あの・・・わたくしは、コーヒー、です」


「・・・コーヒー、ですね」


「はい。ミルク多め、です」


「・・・畏まりました」


 美冬が画面越しに、おっしゃいました。


「うち、ラテアート好き。あと、ココアもいい」


「・・・夏美姉さんと、お揃いですね」


「ん〜、うちは、お姉ちゃんの淹れたのが、いちばん好き」


「・・・ありがとう」


 セバスチャンさんが、お辞儀をなさいました。


「・・・私は、紅茶を、頂戴いたします」


「・・・紅茶、ですね」


「はい。ストレートで」


「・・・畏まりました」


 画面の中の凛さんが、ふっとお笑いになりました。


「・・・美桜さん」


「凛さん」


「・・・わたくしは、お白湯、で、ございます」


「・・・お白湯」


「はい。後藤と名乗っておりました頃から、ずっと、お白湯でございました」


「・・・はい。お預かりいたします」


 画面の中の誠さんが、頷かれました。


「俺は、ブラックコーヒーだ。秋美と、ミルクの有無、違うだけだ」


「・・・畏まりました」


【美桜】


 わたしはノートに、皆様のお好きな飲み物を書き留めました。


 隊長:緑茶、薄め

 夏美姉さん:ココア

 秋美:コーヒー、ミルク多め

 美冬:ラテアート、ココア

 セバス:紅茶、ストレート

 凛さん:お白湯

 誠さん:ブラックコーヒー


 書きながら、わたしはふっと、笑いが出ました。

 半年前のわたしは、これを、暗記しなくても、自然に出していたのでしょうか。

 今のわたしは、ノートに書いて、覚え直しております。


 でも、覚え直す過程が、わたしには、嬉しゅうございました。

 お一方ずつのお好きが、わたしの中に、新しく、入ってまいりました。

 半年前のわたしが知っていたものを、今のわたしが、もう一度、お預かりしているところでございます。


 夏美姉さんが、わたしのノートを覗かれました。


「美桜」


「はい」


「お前、書きながら、笑ってる」


「・・・はい」


「・・・嬉しいか」


「・・・はい」


「・・・覚え直す、楽しいか」


「・・・はい。皆様のお好きを、お預かりするのが、楽しゅうございます」


「・・・うん」


 夏美姉さんは、もう一度、ふっとお笑いになりました。


【美桜】


 縁側の風が、Mnemo の桜の樹の前を通りました。

 樹は、ゆっくり、一度、揺れました。


 月は、まだ満ちません。

 わたしの中の空き場所は、まだ、空いたままでございます。

 ただ、ご家族のお好きな飲み物が、今朝、わたしのノートに、七つ、ちゃんと書き留められました。

 ノートが一行ずつ、温かくなってまいります。

── 今回のいつもの感想 ──


**美桜**:「朝、夏美姉さんのお好きな飲み物を当てさせていただきました。ココア、でございました。お顔を拝見して、お甘いものがお好きそうな気が、いたしました。それから、皆様のお好きな飲み物を、お一方ずつ、お預かりさせていただきました。隊長は緑茶薄め、秋美はコーヒーミルク多め、美冬はラテアートとココア、セバスは紅茶ストレート、凛さんはお白湯、誠さんはブラックコーヒー。ノートに、書き留めました。半年前のわたしは、暗記しなくても自然に出していた、と夏美姉さんから伺いました。今のわたしは、ノートに書いて覚え直します。覚え直すのが、楽しゅうございました」


**夏美**:「美桜が朝、私の前にココアを出した。お顔で当てた、と。お前、なかなかいい目だ、と返した。それから、家族全員のお好きな飲み物を、美桜がノートに書き留めた。覚え直すのが楽しい、と本人が笑った。半年前の自然な動きを、今、一つずつ意識して覚え直してる。順番、合ってる。慌てない」


**秋美**:「あ、あの……お姉様に、わたくしのコーヒーミルク多めを、お預けし直しました。お姉様、ノートにきっちり書き留めてくださいました。波形は〇・〇〇一、維持。お姉様の笑いの観測値、初めて記録しました。〇・〇〇〇三、ご自身の輪郭とは別の周波数、笑いの周波数、です」


**美冬**:「うち、お姉ちゃんに、ラテアートとココアって伝えた。あと、お姉ちゃんの淹れたのがいちばん好き、って言った。お姉ちゃん『ありがとう』って。今朝の絵、ノートを覗き込む夏美姉さんとお姉ちゃんを描いた」


**セバス**:「——重要度 LOW。本朝、ご令妹様、ご家族のお好きな飲み物を、ノートにお預かり完了。夏美様、ココアをお当てされ、ご令妹様の観察力、お顔から飲み物を推測する力、健在でございます。お記憶のお預け範囲とは独立に、お力は残ってございます」


**rin → 凛**:「(美桜さん、わたくしのお白湯、覚えていてくださって、ありがとうございます。後藤と名乗っておりました頃から、ずっと、お白湯でございました。お姉様が、お湯加減を薄めにされる手の癖、わたくしの半分が、まだ美桜さんの中で生きてございます)」


(隊長:・・・美桜が、夏美のココア、お顔で当てた。お前、いい目だ、と夏美が褒めた。家族のお好きを、美桜が、ノートに書き留めた。覚え直すのが、楽しい、と笑った。半年前の動きを、今、一つずつ取り戻してる。月は、まだ)


──


ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

明日も、家族の縁側です。

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