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異世界の宇宙連邦?剣士  作者: 炉里邪那胃(惰眠狼)
新版・第一章
21/29

1-21.複製

「もう、二人共いい雰囲気なんだから」

「からかい損なってしまったです」

(そうだそうだ!)

こいつら・・・。

出掛けた間の説明をしただけで、雰囲気もクソも無いよな。

そうでもないか?



食堂に来た。

酒に酔えるように戻った今、食前の「乾杯」だけは楽しむ。

軽い酔いがいい感じだ。

必要なら仲間にも付き合って飲む、それでいい。

楽に行こう。


「変なこと聞くけど、ユイは飯、どのくらい食うんだ?」

「はい、普通です」

(人間の体の消費分みたい、マジ普通ね)

エルありがとう、ついでにユイの念話ブロックしてたの解除しといて。

(もう? いいの?)

ダメならまた頼むから。

ユイは念話ありきでコミュニケートするからな。

説明も通じやすくなるに違いない。


「ユイ、これから俺や仲間と一緒なんだから『さん』づけはやめようよ。

カロルやここの友人の時みたいに話してくれるか?」

「はい…うん。そうする」

「食い物は何が好きなんだ」

「肉」

何の・・・?

「イノシシ、ここのは最高だし」


しばらく話してはっきりした。

この子は無闇に覗くんじゃ無く、意思疎通のみに念話を使う。

父母と一緒に過ごして身についたのだろう。

エルとは大違・・・やめとこう。

(・・・)


ゼファは必死で何か考えているような。

女2人がコソコソしゃべり、ユイが言う。

「うん、二番目と三番目ならいいよ」

(モテモテ過ぎ)

俺には何の事かさっぱりだ・・・。



食後は風呂といきたいところだが、桶と布を借りての体拭きだ。

別々だからとユイに言い聞かせ、先に拭かせ俺は廊下へ。

こっそりエルには確かめてもらう。

火山の住処で少しだけ見えたが、ユイが人間にどのくらい近いか。

俺にとって重大問題だ。


エルによると、細部に至るまで人間そのものだったそうだ・・・。

素直に嬉しいと思った。

だが、大事なのはまず帰れるかどうかだ。

一緒に・・・?




8時だ。再び全員集合した。

明日は土曜、天気が悪ければ狩りはしない。

この世界的にも夜ふかしや夜遊びありなのが金曜・土曜夜なのだ。

じっくり話ができそうだ。



「確か、ドラゴンゾンビつまりこの子の元父親を倒した所まで・・・

ユイごめんな。」

謝ったのは、何度も口に出しユイに思い出させてしまったからだ。

「ううん、パパはコウのような強い相手を待ってたの。

ママもパパも薄々は気づいてたの。

あの人、つまり昔に会った人間はもういないんじゃないかって」

「ああ、凄い魔法士だったってな。

血の繋がった親なんだよな」

「うん」



「コウいいか? 例の「本当の剣技」の事だが」

「ああ、ゼファの聞きたいことは想像がつくよ。

剣技の『全発動』と出ていたけど。

発動したからガジェットが切れたのか、切れたから発動できたのか。

今のところは、同時には使えないとだけ判ってる。

条件として必要なのか、単に覚悟の問題かとか全く分からない」


「どうする? これからどう訓練するつもりなんだ? 厄介過ぎる」


「単純に考える事にしたよ。

通常はガジェットはレーダーだけ使う。

他は全部切って鍛錬する、『全発動』をモノにするまでは。

ひたすらにな。

どうしても必要ならバリアを使って全員守るし、他も使うが。

素の俺で剣技『全発動』を目指し、出来たらガジェットも足す。

それだけだ。

今日最後のオーガーで実践済みだ」


鍛錬の方法はドラゴンの住処にいた頃には既に考えてた事だ。


「アレが今の、コウの素の力か・・・」

「あの時の感じが少し残ってた気もしたが、まだまだだな。

『螺旋運動』でいいのかな、真似ようとしたけど全くダメだ」

「ああ、対練で言ってた事はそれか」



そうか、あの洞窟での事も一応は言っておかないと。


「ユイ、具体的な場所は言わないけど、洞窟の家での事も話したい。

いいよな?」

「もちろん話してあげて」


もらった望遠鏡か地球儀の台座のようなものを出し、大まかに話す。

大金をもらった事も。

そして、知識不足で武器を持ち帰らなかった事も。


「土魔法で岩を加工してたのはユイだったよな」

「うん、ママも使えるけど私が断然うまいよ」

「凄いです、うらやましいです!」

「おおー、凄い戦力だわ」

戦力と言っても穴を掘ったりだが、2人に誉められユイは嬉しそうだ。


ドレスに縫い付けた宝石を思い出す。

「ユイの衣装に縫い付けてる宝石、落としそうだから預かっていいか?」

「うん、コウが持つなら断然そのほうがいいよ」

「あっ、脱がないで。ほら、収納・・・ストレージ経由でここに」

手に持った宝石を見せる。


『ストレージ』についても改めて説明。

『剣技』とセットでもらった転移者(転生者)スキルだと。

なんとなく転生者関係は知っているようだが、また詳しく説明しよう。


ユイの宝石は一応別に・・・あっ、この革袋があった。

こっそりアイテムに混じってたやつだ。

「これ、袋だけ混じってて持ってきてたんだ、ごめん」

「いい縫製、マリーの革袋・・・・・・じゃないね。

縫い目は間違いなくマリーのなのに新しすぎ、変」

袋をユイに渡すと匂っている、その後は引っ張ったり。

「間違いなく持ってるのと同じなのに、匂いと新しさが違う。

複製魔法だと匂いや汚れも同じはず」

「新種の魔法?」「変です」

「コウ、まさかストレージの・・・」


思い出すと、理由が見えてきた。

「ああ、たしかにこういうのが欲しいって思った。

で、ストレージの別のグループにひょっこり見つけたんだ」

(C)って注釈は・・・ストレージでのコピーの意味か。

コピーライト(著作権)みたいで変だ。

「解析が終わってスキル統合されて、更にはレベル上昇もあったからな。

どの時点で可能になったか、元からなのかは不明だが。

必要条件が分からないからメモしてまたテストを・・・」



エルが静かと思ったら俺のベッドで寝ていた。

わざとか、本当に疲れたのか・・・また不思議が増えた。



「みんなちょっと待って、今試してみる」

『剣技』が統合、詳細?表示されたように、ストレージも同じはず。

例えば酒の僅かな残りやカップの汚れは感覚で分離合成したが表示では?

「ストレージの表示を見てる」


コピーしてみたいのはジャージだ。

愛読していた異世界マンガ「多職転生」の正式ユニフォーム。

寝間着に着替えたのでもう収納してある。

メニューを介して見ると、「分離」「合成」ボタンがあった。

コピーはどこ?

念じても出ないが・・・「合成」が点滅してる。

押すと更に分岐して、「コピー」が出た。

面倒くさいが、一旦手順を覚えれば感覚でできるはず、酒の時のように。


「コピー」を押すと材料を指定させられた。

材料になるのはほとんどが魔石や宝石のようだ。

勝手に革袋が出来てたが、これ、ちゃんと指定しないとまずいな。

魔石は電池のようにも使われる、魔力の塊とも呼べる物。

元素や分子そのものじゃなく、魔石の魔力が素材になるのかも。


今回消えたのはなぜか中身入り酒瓶まるごと一本だった。

解釈とズレがあるが・・・ホッとした。



ドラゴンゾンビの魔核、魔石で持ってるのはこれぐらいだ。

数十キロはあり、騒ぎになりそうでギルドには秘密にした。

ドラゴンゾンビ討伐も報告してないしな。

あ、デーモンスパイダーの出現原因は言っておかないと・・・。

これを使うとして、消費量は・・・1グラムの数百分の一らしい。

出来た。


目の前に現れたジャージ2着。

「やったなコウ、おめでとう」

「さんきゅ、あることも試したいんで待って」

作りたいのは属性付加のやつ、コピー可能になったらとずっと考えてた。

新しい方をストレージに戻し、それを再合成できるはずだが。

手持ちの安物鎧を参考に。

俺の知ってる属性も少ないので取り敢えず、想像も働かせて。


出来た。

追加で魔核10グラムも使ってしまったが・・・。


『コウのジャージ、物理・魔法耐性・防御、自動再生、不壊』

あっ、もしかしてステータス強化とかもできるのか。

自動再生と不壊を一緒につけたのは失敗かな?

剣技のおかげかなんとなく分かったのはいいが不安だ。

色々付けすぎだし・・・。

ちゃんと勉強してまた作らないとな。


ストレージからの早着替えでお披露目だ。

「物理・魔法耐性・防御、自動再生、不壊のジャージだ!」


女子全員「おおー」と驚いている。


ゼファだけは微妙なリアクションだ・・・。

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