国の施策推進のお知らせ 2023年2月3日
この小説は、作者が「星空文庫」で執筆している『宗教上の理由』シリーズの世界設定を使ったスピンオフです。読みたい方は、星空文庫にて作品名または作者名「儀間ユミヒロ」で検索をお願いします。
もちろん、この小説単体でも話がわかるようにしておりますので、安心してお読み下さい。
山奥にあるという設定の、架空の小さな村、このはな村。この村にあるコミュニティFMを舞台に、DJのおしゃべりを文字でお送りする、ちょっと変わった形の小説です。
架空のラジオ番組の文字起こしという体裁のため、文法や文中記号の使い方が本来のルールとあえて異なった形になっている点をご了承願います。原則として地の文はメインパーソナリティのおしゃべり、カギカッコ内は他の登場人物のおしゃべりです。
また、この小説は言うまでもなくフィクションです。
おはようございます。このはな村インフォメーションです。この番組では、今年もこのはな村に関するさまざまな情報をお送りしてまいります。
このはなFMでは、村外からこのはな村へお越しになる方への情報発信も兼ねて、この放送のネット配信を行っております。
今回は、村議会からのお知らせです。
このはな村議会では、「適格請求書等保存方式」が実施された際の事業者に対する支援制度を可決いたしました。
これは、今年秋から実施される可能性がある本方式への登録を推進するためのものです。
概要です。
現在、原則として年商一千万円以下の事業者はこれまで消費税に関する帳簿の作成義務がなく、実質的に消費税を免除されていました。
この免除について村では、消費税が導入された際、
「小規模事業者の経営が圧迫されることによる倒産・廃業を回避し、貧困の増大に伴う治安の悪化および事業者やその家族の健康悪化、ひいては経済的理由による自殺を防止するなどの効用があると考えられる」
という回答を当時の内閣より引き出しております。
これを考慮しつつ、国が推進する今秋からの新方式への登録を推進するため、以下の施策を行うこととしました。
まず、登録に際して必要な帳簿等の作成については、村役場住民課税務係にて無料相談を行います。特にパソコン等を使っての帳簿作成は困難を伴う場合がありますので、役場の人員を増やしたうえで、完璧に必要な書類が作成できるまで相談を受け付けます。
次に、新方式実施後、事業者が安心して事業を続けられるための支援制度についてです。
登録をしました事業者につきましては、協力御礼金として、書類にて定められた消費税の最大百パーセント相当金額を村民税から控除いたします。
これを機に、新方式へのご理解とご協力を、どうかよろしくお願いいたします。
このはな村インフォメーション、担当は池田でした。
国が決めた制度を応援するように見せかけて、実は骨抜きにするという、反骨の村らしいところを描いてみました。
インボイス制度の何がおかしいって、これまで消費税を納めるのが困難だという理由で行われてきた小規模事業者への免税措置を、どさくさ紛れで無くしてしまえ、税金取ろうぜ、という魂胆が見え見えなところなんです。
もちろん登録は強制ではありません。ですが登録していない免税事業者の消費税は取引先が代わりに払え、ということですから、だったら取引やめた、となるのは必定ですよね。
もっとも、BtoBの取引に「消費」税がかかること自体二重課税だと思うのですが、それを回避するための手間を納税者に押し付けるというのも明らかにおかしな話です。
政府の言い分としては、軽減税率が出来たので、税率の区分をはっきりさせたいということですが、そもそも免税されている事業者についてその区分をする必要はないでしょう?
どう考えても、ウィルスの蔓延や物価高で苦しんでいる小規模事業者からさらに金を搾り取るやり方としか思えません。
少子化対策とか防衛問題とかでも、地方から疑問の声が出てあがっているし、国を当てにせず市区町村単位で子育て支援を充実させているところもあります。
人口減少の局面にあって、そういった市町村では人口が増えているとか。その自治体の政策で住むところを決める時代になってきたんですね。
このはな村がこうやって小規模事業者を守ることで人口が増えることを期待できるわけですし、消費税を実質ロハにする財政支出の元は取れるという目算があるという設定です。実際そんな町や村が出てきたら話題になるでしょうね。




