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あああ帝国召喚  作者: あああ
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第27話 

「ご覧ください!あれがわが国の持てるすべての建築技術の末を結集して建設されたカナート要塞にございます!」

ヤマート共和国軍カナート要塞総司令官ヤマダ元帥は元帥杖で建物の1つ1つを指しながら総統に紹介して回る。


ここはヤマート国とそのほかの国との国境。要するに国防の最前線である。

その隣の国は半分オブシウスに飲み込まれたのでこの要塞は国の筋金入りで建設されたのである。

見渡してみると、戦略的に配置された塹壕。たくさんのトーチカ。水平線の向こうを向くたくさんの榴弾砲。


しかもそれらはすべて地下通路でつながっており、隠蔽式で油圧で動く砲なども完備されている。

「これだけあれば、オブシウスも敵ではないでしょう。」

総統アベとヤマダ元帥とその他護衛の人などは地下に降りるエレベーターの乗り場に移動し、地下に降りていく。

「やけに涼しいな」

「もちろんです。クーラーが完備されていますから。どうぞこちらが兵どもの宿舎です。そしてあちらが弾薬の倉庫であります。」

壁のコンクリートの色がまだ建設されてまもないことを物語る。

廊下にはトロッコが通っており、それで移動する。

「ほーこれはいいな。兵の移動も迅速に行えそうだ。」

「外の野砲はすべて”例の場所”で発見されたものをわが国の選りすぐりの技術者が模倣し量産したものにございます。」

総統はあの場所の兵器を信用していないらしくその発言にはなにも返答しなかった。

「さてつきましたぞ。ここは発令所にございます。」

発令所の中は兵士が忙しそうに行き来し、総統や司令官に目もくれずに働いている。

たくさんの電話機が並び、要塞の見取り図なども配置されていて、どこに何の部隊がいるか一目でわかるその近代的な設備に総統アベは驚いた。


「この要塞は不落だな!」

「まったくそのとおりですな、閣下」


あああ帝国 ウェルスタン宮殿

夕暮れごろの話である。

豪華な宮殿の内装が夕日を浴びて美しく光り輝く。

アアアーラは部屋に使用人であり頼れる右腕として使役しているアアオールを自身の居室によびだした。

「どうだ、父上の容態は?」

「あまりよくはないようです。殿下の即位は近いですな。ハハハ」

すると、アアアーラはいきなり立ち上がって、

「お前に見せたいものがある。ついて来い。」

というと、二人は廊下に出る。

ベルベットのじゅうたんが引かれた廊下。壁には意匠を凝らした装飾が並ぶ。

突き当たりにきた。

アアアーラは下げている杖を抜き、小声でつぶやくように短い呪文を唱える。

「!!!」

アアオールは気づいた。アアアーラは魔法のようなものを使ったのだと。

自分の主君に恐怖を覚えるアアオールであったが、その恐怖を振り払った。

ガチャン!と何かの外れるような音がして、壁と思っていたものが手で押すと動く。

「どうした、早く来い。」

アアアーラが呼びかける。

そこは豪華な廊下とは双璧をなすような地味な石の階段であった。

やがてアアアーラがまた杖を振り下ろすと、壁のランプが一斉に光る。

やがて部屋に着いた。

そこは本棚にびっしり年代ものの本が並んでいた。

タイトルはすべてルーン文字のようなもので書かれている。

「これはどうゆうことなのですか?」


「私が国祖より授かった力、とでもいうべきだろうな。」

「まさか殿下が魔法を使えるなんて」

「私はこの力に気づいたのはここに幽閉されたときだった。今はなぜ父上がここに私を幽閉したのかよくわかるよ。」

「そのときだったな、兄上がおかしくなり始めたのは。」

アアアーラは回想する。

「お前にはわが力をまだ見せていなかったな。見ておれ。」

アアアーレは呪文を唱えると。アアオールの後ろの壁に向かって杖を振り下ろした。

すると大きな音がして石造りの壁は崩壊した。

本棚の本も飛び散って大変なことになっていたが、驚いたことに本そのものは一切破れたりはしていなかった。

「このような力を国祖が殿下におあたえくださったことを誇りに思います。」

アアアーラはうなずいて、

「作戦決行だ。”斬首部隊”を出動させよ」

「承知いたしました。」

アアオールは一礼して部屋から出て行く。


帝都アアアシティー 大帝国宮殿

皇帝アアアウス19世は3日前から意識が混濁しており、侍医はこの1週間が山場だと診断していた。

アアアスキー首相は宮殿に泊り込んで皇帝の看病をしていた。

「うっ...ううう....」

「陛下!」

侍医や侍従がすぐ取り付く。

「私は...もうだめなんだろう?...余の跡継ぎはアアアーレにせよ....」

「わかりました!」

そのあと、アアアウス19世はがくっとまた寝込んでしまう。

侍医が脈をとるが、一言。

「崩御なされました......」

その場の全員が黙り込み、ただその場にはアアアウス19世が死んだことを意味する医療機器の音のみが夜の宮殿に響き渡っていた。

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