表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イシュト大陸物語  作者: 明星
力の証明
96/408

第52話

「アッシュ!」

自分の名前をを呼ぶ声が聞こえ、アッシュはゆっくりと目を開ける。

「カティ、ナ?」


「アッシュ!」

夕日のせいで影になった相手がまた自分の名前を呼んでいる。

「大丈夫かい?アッシュ」

徐々に姿がはっきりしてきた声の主はディーンだった。

「ディーン、か」

アッシュは苦しそうに言いながら起き上がる。

胸がひどく痛み、見てみるとヴェラからもらった金属の鎧は大きく変形していた。

「オーガは?」

「僕達が戻ってきた時にはアッシュとファングしかいなかったよ」

「そうだ、ファング!」

気を失う前の光景が頭をよぎる。

「大丈夫だよ、ほら」

ディーンの示す先にはヴェラに抱きつかれ、迷惑そうに尻尾を振るファングの姿があった。

「よかった」


「何があったんだい?」

「オーガはどうなった?」

ディーンの言葉にバルドが続いた。

バルドは全身を防具で覆い、身の丈ほどある巨大な両手剣を持っていた。

「すみません、バルドさん。助けに来てもらって」

「そんなことはいい。オーガはどうした?倒したのか?」

「いえ、殴られて気を失って。どうして俺とファングが生きているのか不思議なくらいです」

アッシュの言葉にバルドは顎を掻きながら考える。

「まぁいい。生きてたのなら今はそれでよしとするか。いいかお前達、周囲への警戒を怠るな。基地に敵を呼び込むわけにはいかない。くれぐれも敵の気配を見落とすなよ」


それから一旦アッシュ達は沼地方面へ進み一晩を過ごした。オーガや他の生き物からの襲撃への緊張感から、皆の間には会話はなかった。

周囲に完全に敵の気配がないことを確認した後、アッシュ達は第三中継基地へと戻ったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ