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第25話
「数は多くありませんが、以前からそういった話はありますよ」
基地まで戻り組合員へ報告を済ませると返ってきたのはそんな言葉だった。
「体の巨大化、過度な攻撃行動、異常な生命力。この辺りが共通しています。すみません、私はてっきり皆さんご存知なのかと」
開拓途中の場所へと派遣されるほどの冒険者であれば知っていて当然の知識なのだろう。
「とはいえ、依頼書の補足に記入されていないように、冒険者組合としてそこまでこの事が重要だとは思っていません。多少の変化があったところで獣は獣ですからね」
「原因は分かっているんですか?」
「正確にはまだ。しかしこれまでの情報から恐らく魔物を、若しくは魔物の死骸を食べたことによる変化ではないかと考えられています」
三人の頭にヴィクターの母親の事件が過る。
「さて、それではもう一つの依頼の話に移りましょう」
それを知らない組合員の青年は話を次へと進め、一通りの説明を受けた三人は組合を後にした。
その後、負傷したディーンとヴェラは応急処置を受けるために、基地にある詰所へと向かった。




