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【500万PV】織田勘十郎異伝〜自重しなかった結果、別家を立てて生き残ります。〜  作者: 八凪 柳一
第四章 坊丸東進

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第七話 嗚呼、次郎左衛門死す

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

楽しんでいただけると幸いです。


また、いつも誤字報告をしてくださる皆様、とても助かっております。自身でも確認はしておりますが、また間違うこともあるかと思います。その時はよろしくお願い致します。(ただし、誤字報告だけで、お願いします。)


なお、送り仮名は、どちらでも良い場合は、分かりやすくする為、多めになっている事がありますが、誤字では無い事もあります。誤字の場合は修正し、誤字じゃない場合は、ルビで対応しようと思います。

 ついに曳馬城から出陣する。掛川には我が本陣と林美作守が率いる五軍で向かう。兵士数的には楽勝だが、油断はしない。掛川を守るは、名将朝比奈備中守。今川義元の母翠光院寿桂の実兄中御門権大納言の娘を娶った事により、今川家の縁戚に連なる重鎮である。


 他にも『今川仮名目録』には「一、三浦次郎左衛門尉、朝比奈又太郎、出仕の座敷さだまるうえは、自余の面々は、あながちに事を定むるに及ばず。見合てよきように、相計らはるべきなり」とある。家老としても筆頭の位置付けであった。また、今川家の外交においては太原崇孚(そうふ)と朝比奈備中守の名前が多く見られており、情報の少ないこの時代においても、今川家の重責を担っていた事が諸外国からも知られていた事になる。


 さらに、後世の研究によれば、太原崇孚に並び、朝比奈備中守が生きていれば、桶狭間における今川義元の敗死はなかったと言われるほどの名将だ。桶狭間の戦いの頃には既に亡くなっていたにも関わらず、当時の資料には生きているように書かれている。太原崇孚は弘治元年に死去、備中守は弘治三年に死去してしまう。連続した重鎮の死は今川家臣団には重すぎるとして、備中守の死は伏せられていたからだろう。結果として、桶狭間の戦いでは、次代を担う今川の将が悉く討ち死にした。勿論、本当に強い武将は残ったが。


 それほどの名将相手では油断は不可能だ。本陣は十二隊六千の鉄砲隊を連れている。旧式連弾なしだが、正面左右三方向からの殺し間を使って、多段撃ちで削って、討死覚悟で出てきたところを討ち取るのが上策か。


 掛川城攻めで予想通りに進んだのは、討ち死に覚悟で、備中守が討って出たあたりまでだった。舐めていたつもりはなかったが、覚悟の度合いが違っていたようだ。備中守は「又太郎の仇討ちじゃー!」と叫んでいたし、郎党は「若の仇をー!!」と叫んでいた事から、鉄砲隊による攻撃で、嫡子(史実の泰朝)は死んだらしい。


 悲劇は、五軍副将岡崎紀伊守が抜かれ、本陣副将水野下野守・三宅周防守が抜かれた後に起こった。本陣の副将の中で一際若かった能見次郎左衛門が備中守に対峙してしまった。「三河守様に近づけさせるな」と叫びながら、奮戦はしたものの、備中守と次郎左衛門では武将の格が違ったのだろう。討ち死にしてしまった。


 能見次郎左衛門は、準一門の中でも一段と若く二十六歳になったばかりであり、父信秀の末妹と婚姻を結んでいた。残念ながら子はいなかったが、坊丸にとっては、義叔父である。


「じろぉーざえもーん」


 理性では、総大将が討って出るのは最後の最後で、そんな事をしてはいけないことくらい分かっていた。しかし、義理とは言え、年近い叔父が討たれた瞬間に血が沸騰するかのような怒りが湧き上がり、右手に長船孫左衛門の最上大業物を持ち、左手には槍銘村正を抱え、駆け出していた。


 気づけば、戦場に静寂が落ちている。敵を全て屠ったのだ。案外、冷静な部分があったのは記憶にある。敵味方の区別につい最近手に入れた「神」のつく、鑑定・千里眼・未来視などを含む固有技能を駆使していた。ふぅーっ、と息を吐くと、鬨の声を上げる事にした。


「朝比奈備中守ぃ、討ちとったりぃ〜」

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